2018年5月14日
|長見晃の海外トピックス
世界最大のエレクトロニクス市場を擁する一方で半導体業界の自立化を推進、輸入依存過偏重の打開を国家5ヶ年計画に掲げている中国であるが、米中通商摩擦が続く渦中、その先行きに波乱含みの様相がいくつか見られてきて、熱い活況の世界半導体市場にも大きなインパクトを与える可能性がある。米国政府の制裁を受けて中国の通信機器メーカー、ZTEのスマホ販売が止まり事業売却の動きが見られているのがまずあって、メモリ半導体業界への台湾・Foxconn参入の動き、2つ目の国家ファンドの積み増し、など相次いで目を引いている。
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2018年5月 7日
|長見晃の海外トピックス
米国Semiconductor Industry Association(SIA)より月次世界半導体販売高が発表され、この3月について$37.0 billion、前月比0.7%増、前年同月比20.0%増とこれで20ヶ月連続の前年比増とともに最高水準を維持している。
1-3月の第一四半期累計も$111.1 billionとなり、前年同期比がこれも20%増と、飛躍して史上最高の昨年をさらにいくら上回るのか、ますます目が離せないところである。このような活況の中、米国と中国の通商摩擦の応酬が続いており、中国の半導体および関連業界においても諸刃の刃の様相を孕んだ動きの展開となってきている。
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2018年5月 2日
|泉谷渉の視点
中国がEV(電気自動車)シフトを打ち出したことが大きな波紋を呼んでいる。何と2025年に年間エコカー出荷台数を700万台まで拡大すると言い出したのだ。さらには全自動車の販売に占めるエコカー比率を20%以上にするという予測も出ている。しかも特徴的なことはエコカーをすべてEVにするというものだ。ちなみに、中国の2016年までのエコカー販売台数は累計110万台である。
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2018年5月 1日
|長見晃の海外トピックス
2016年後半から盛り返して19ヶ月連続の前年同月比増と依然際立つ増勢が続く世界半導体販売高であるが、大きくつながって予断を許さない先行きとなっている3点の現時点を追っていく。まずは、メモリ半導体の大手サプライヤの一角、東芝メモリの売却を巡る情勢であり、中止も含め不透明感が増していること。次に、激動の国際政治の中の知財制裁に端を発する米中の通商摩擦であり、取引停止はじめ具体的な影響そして切迫した議論が高まってきていること。もう1つ、メモリ半導体の熱い活況で四半世紀ぶりにIntelから販売高ランキング首位の座が移ったSamsungを巡る見方である。
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2018年4月23日
|長見晃の海外トピックス
Broadcomによる買収を米国政府の阻止で切り抜けたQualcommが、今度は自らのNXP Semiconductors買収について中国政府が難色を示してまたも苦境に陥っている。一方、米国政府は安全保障および先端技術への危惧から華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の中国通信大手2社からの製品調達を米国内通信会社に対し禁止している。これらはじめ米中の通商摩擦が引き続く中、中国のメモリ半導体メーカー3社、Yangtze Memory、Innotron MemoryおよびFujian Jin Hua Integrated Circuit(JHICC)の具体的な立ち上げの動きが揃って表わされて、中国メモリ業界の輪郭が破線から実線に移っていく模様を受け止めている。
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2018年4月16日
|長見晃の海外トピックス
知的財産の侵害を巡る制裁発動に端を発する米中間の通商摩擦の渦中で、最大市場を擁し特に半導体業界の自立化に邁進する中国、そしてメモリ半導体を席巻する韓国、最先端ロジックおよびファウンドリーを引っ張る台湾が、いろいろな切り口で絡み合う現下の市場構図が見られている。サプライヤの国籍別では世界の半導体市場を圧倒的に占める業界の盟主、米国であることに変わりはないが、市場規模の面での中国、そして最先端技術の展開における韓国、台湾、それぞれの間の動きに注目させられている。
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2018年4月11日
|泉谷渉の視点
IoT時代に入って最も重要な役割を担う人工知能(AI)やスーパーコンピュータの分野において中国は米国を追い抜き、技術においても量産においても世界トップにのし上がった(編集室注)。また、巨大投資を断行し、液晶および有機ELにおける世界チャンピオン狙いにも出てきた。そしてまた半導体においては、10兆円とも15兆円ともいわれる、とんでもない投資ファンドを形成し、300mmウェーハで26の新工場立ち上げに入っているのは事実なのだ。
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2018年4月 9日
|長見晃の海外トピックス
米国と中国の間の通商摩擦が続いて貿易戦争に至る事態が懸念され、半導体業界の世界でも盟主の米国、最大市場を有して自立化に邁進中の中国ということで、その先行きに目が離せないところがある。そのような情勢の中、米国Semiconductor Industry Association(SIA)より恒例の月次世界半導体販売高が発表され、今回はこの2月について$36.8 billionと依然高水準を維持し、前月比2.2%減、前年同月比21.0%増となっている。これで前年同月比では19ヶ月連続のプラス、しかも20%超が11ヶ月連続という勢いであるだけに一層敏感になるところである。
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2018年4月 6日
|服部毅のエンジニア論点
昨年10月の本欄で「東芝メモリの売却は今年度(2017年度)中に完了することはあり得ない」と述べ、その根拠を詳しく解説した(参考資料1)。
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2018年4月 2日
|長見晃の海外トピックス
スマートフォンが支えるなか、新技術・新分野をうかがうM&Aの嵐、そしてメモリ半導体の高値が引っ張る熱い活況となっている半導体業界のここ数年であるが、こんどは米国と中国両大国の間の通商摩擦およびIT・新技術への治まらない逆風が半導体業界にも大きくインパクトを与える事態が当面続きそうである。米国の通商法発動に端を発して米中間の対抗・応酬の動きが続くとともに、フェイスブックを巡る情報利用、そして自動運転での死亡事故はじめ喫緊に対応を迫られる問題があらわれており、半導体の視点で推移を追っていく。
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