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富士フイルム、EUVのレジスト/現像液・先端パッケージのポリイミドに注力

富士フイルムが先端半導体の前工程、後工程とも新材料の開発・量産に注力する。元々、銀塩フィルムで長年実績を積んできた富士フイルム。この技術をフォトレジストのような光感光性材料だけではなく、インターポーザやビルドアップ基板の材料でも機能性ポリマーであるポリイミド樹脂を最大限に活用、新半導体製造プロセスに活かす。

半導体材料事業の製品拡大とM&Aの歴史 / 富士フイルム

図1 富士フイルムの半導体材料の歴史は長い 出典: 富士フイルム


半導体プロセスで寸法に関係する先端といえばEUVなどのリソグラフィと関連技術。1983年に富士フイルムは米国との合弁企業「富士ハントエレクトロニクステクノロジー」を設立、フォトレジスト技術を磨いてきた(図1)。プロセスでは、2nmプロセスノードのN2からA14、A10、A7、A5というロードマップはある。リソグラフィ装置はもちろんEUVや高NAのEUVを使う。

EUVリソグラフィ工程では、配線の微細化に伴い、加工すべきレジストの微細化も必要になる。このため、EUV用にネガ型レジストとその現像液をセットで開発した(図2)。ネガ型レジストは光が当たった後の化学反応を均一になるようにするため、レジスト内部にPAG(光酸発生剤)とPDQ(光分解性クエンチャー)を対となるように結合させた。これまで、レジストに光が当たると酸が発生し、それをクエンチするPDQが均一にならずに分布してしまう。このため、PAGとPDQを結合させ対としてレジスト内で均一に分布するようにした。これによりシャープなパターニングが出来る。


富士フイルムのネガ型EUVレジストの技術的優位性 / 富士フイルム

図2 EUV用のネガ型レジストと現像液を開発した 出典:富士フイルム


ただし、レジストパターンが微細になるにつれ、微細なパターンに現像液が加わると膨潤するため、隣り合ったレジストパターン同士がくっついたり、一方が倒れたりしがちになる。このような欠陥ができるとその後のエッチングが意図した通りにできなくなる。現像液ではレジストの膨潤を抑えるように新たに開発したという。丸いパターンをマトリクス上に形成した。32nmから26nmピッチまで均一で微細な円形パターンが得られている。

また、ポジ型レジストも開発した。これは金属原子をレジスト分子に結合させたもので、レジストパターン形成後のエッチング体制を強めたもの。MCR(Metal Containing Resist)と呼び、高NAのEUVでは微細化によりレジストも薄くなるためエッチング耐性が問題になってくる。金属は加工耐性が強いと共にエッチング耐性が優れており、レジストパターン後のエッチングでもエッチングされにくいという特長がある。

先端パッケージングでもインターポーザを使う2.5DやHBMのような3D-ICなどの進化も急だ。インターポーザは多層配線を形成するため、従来の高価なシリコンからもっと安価な有機基板やガラスへと変化を遂げると絶縁膜に有機・無機材料が使われる。富士フイルムが力を入れるのは絶縁膜のポリイミド膜(図3)。

競争優位を実現するフィルム型ポリイミドの強み / 富士フイルム

図3 富士フイルムが先端パッケージに力を入れるポリイミドフィルム 出典:富士フイルム

 
同社はこれまでも液状のポリイミドを硬化させて再配線層や保護膜層に使ってきており、それらをZEMATES(ゼマテス)というブランドで統一することを決めた。ここにフィルム型のポリイミドを、インターポーザやビルドアップ基板の再配線の絶縁膜として開発している(参考資料1)。液状のポリイミドだと、スピンコートで塗布することが多いが、先端パッケージに使われているシリコンインターポーザは大きくなるにつれ、シリコンウェーハから取り出せる数量が少なくなってしまうという問題がある。

この点、フィルム状のインターポーザならどのような形状にもカットできる上に、ロール-ツー-ロールによる大量生産などの実績があるため、同社が得意とする材料でもある。このためパネルレベルパッケージにも使いやすい。現在、液状のポリイミド樹脂は3〜4層程度の配線間の層間絶縁膜として使われているが、今後さらに集積度が上がれば配線層も7〜8層にもなる。このためポリイミドフィルムは平たん化しやすいというメリットを活用できる。より微細化・より高集積化にポリイミドフィルムが強く求められると見ている。


参考資料
1. 「富士フイルム、半導体材料を強化、製品ポートフォリオを拡大へ」、セミコンポータル、(2025/07/25)

(2026/04/30)
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