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Gartner、世界半導体メーカーの2022年確定値ランキングを発表

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2022年の世界半導体メーカーのランキング確定値を市場調査会社のGartnerがこのほど発表した。これによると1位Samsung、2位Intelはこれまでと変わらないが、3位には前年比27.4%成長したQualcommが入った。逆にメモリメーカーは全てマイナス成長となった。メモリは大量生産ビジネスだけに好不況の影響を強く受ける。

2022 ranking of Semiconductor Vendors / Gartner

表1 Gartnerが4月に発表した2022年の世界半導体トップテンランキング 出典:Gartner


メモリメーカーは、好調なときは単価の値上がりにより大きく儲ける。2017〜18年のメモリバブルの時にSamsungは、営業利益率70%を超えた。逆に今回のように在庫が余っており、需要が細い時期には赤字に転落してしまう。2022年の実績は12月までであるから、仮に12月までは赤字でなくてもギリギリの黒字なら、1月、2月は完全な赤字になる。

一方で、進化し続けている5G通信用のモデムやRF、最近ではミリ波アンテナまで手掛けているQualcommは、27.4%と大きく成長した。また成長率では、データセンター向けに大きく飛躍したAMDや、やはりデータセンターや通信インフラのネットワーク向けチップに強いBroadcomがそれぞれ44.9%、27%成長した。メモリメーカー以外でマイナスになったのはAMDに食われたIntelで、19.5%減と大きくへこんだ。また、昨年9位にいたNvidiaはゲーム用PCと仮想通貨用マイニングコンピュータの需要が減退しており、圏外に落ちた。

世界の半導体全体では、0.2%増の5996億ドルとなったが、メモリが大きくへこみ、それ以外はプラス成長し、互いに相殺する結果となった。ちなみにWSTS(世界半導体市場統計)では2022年の世界半導体市場は3.3%増の5741億ドルとなっており、市場規模は若干小さい。

参考資料
1. 「Omdiaも2022年世界半導体トップ10を発表、Gartnerと比較する」、セミコンポータル (2023/03/08)
2. 「2022年世界半導体ランキングの1位はSamsung、影の1位はTSMC」、セミコンポータル (2023/01/18)

(2023/04/18)

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