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2022年世界半導体ランキングの1位はSamsung、影の1位はTSMC

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市場調査会社Gartnerは、2022年における世界半導体販売額のトップテンランキングを発表した。これによると1位はSamsung、2位Intel、3位SK Hynix、4位Qualcomm、5位Micronとなった。メモリメーカーはマイナス成長であったが、Intelはそれ以上の落ち込みで、昨年に続き2位になった。

世界半導体メーカーの2022年売上額(単位は百万ドル) 出典:Gartnerの発表資料を元にセミコンポータルが作成

表1 世界半導体メーカーの売上額(単位は百万ドル) 出典:Gartnerの発表資料を元にセミコンポータルが作成


半導体デバイスメーカーの売上額を合計すると、6016億9400万ドルとなり前年より1.1%増えたが、成長にブレーキがかかったという感じだ(参考資料1)。合計の金額がWSTS(世界半導体市場統計)の5801億2600万ドルの見通しよりも大きいが、市場調査機関によってヒアリングする半導体メーカーが異なっているため。WSTSには40社が加盟し、加盟していない半導体メーカーの売上額は推定して算出している。Gartnerはどこまで具体的にヒアリングしているかどうかについては明らかにしていないが、半導体メーカー300社をカバーしているという。

特に、民生市場は2022年初から冷え込み始め、IT系の市場調査会社IDCの調べで2022年第1四半期に8000万台を超えていたパソコンの出荷台数は第4四半期には6700万台に落ち込んだ(参考資料2)。

2022年のスマートフォンはマイナス9.1%成長の12.4億台になりそうだという見通しをIDCが昨年12月に発表していた(参考資料3)。

つまり、パソコンもスマホも民生市場であり、世界的経済の落ち込みが中国をはじめ各地で続いている。こういった動きから、デスクトップパソコンのゲーム用途のアクセラレータボード向けGPUを開発しているNvidiaは2021年の9位から、2022年には圏外に落ちた。AMDも後半はパソコン在庫調整の動きを受けて失速した。ただし、2022年全体では好調な動きを示している。パソコンやスマホに共通するメモリメーカーが最も打撃を受けているが、数量が多いため変動が大きく揺れる。

GartnerはファブレスとIDMの半導体デバイスメーカーの販売額をまとめているが、半導体市場をダブルカウントしてしまう恐れがあるため、ファウンドリの売り上げはここでは表わしていない。ファウンドリの売り上げ=ファブレスやIDMのコスト、だからである。ただ、参考のために23年1月12日に発表された、ファウンドリトップのTSMCの2022年売上額は758.8億ドルであり1位のSamsungよりも100億ドルも多い。いわば影の半導体トップメーカーとなった。2021年の売上額は568.2億ドルであったことから3位から1位に躍り出たと言える。

参考資料
1. "Gartner Says Worldwide Semiconductor Revenue Grew 1.1% in 2022", Gartner (2023/01/17)
2. 「パソコン出荷台数が4Q22に急落、だが在庫調整・新規需要に期待も」、セミコンポータル (2023/01/17)
3. "Global Smartphone Shipments Continue to be Impacted by Slowed Demand and Setbacks in China, According to IDC Tracker", IDC (2022/12/02)

(2023/01/19)

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