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2020年第1四半期の世界半導体トップ10社、キオクシア10位に入る

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旧IHS Markitを買収した市場調査会社Omdiaが2020年第1四半期における世界の半導体トップ10社を発表した。1位のIntel、2位Samsung、3位SK Hynix、4位Micronと7位までは前四半期と変わらないが、8位と10位に変化があった。前四半期11位と圏外だったキオクシアが10に滑り込んだ。

表1 2020年第1四半期における世界半導体トップ10ランキング 出典:Omdia

Top-10 Semiconductor supplier ranking in Q1, 2020


キオクシアは前四半期比10%増の25億6400万ドルを売り上げ、前四半期に10位だったソニーセミコンダクタソリューションズと入れ替わった。NANDフラッシュの価格が少し値上がりしながらもメモリ需要が戻りつつある。

キオクシアよりももっと伸びたのは、スマートフォン用のアプリケーションプロセッサ(APU)製品を販売しているHiSiliconとQualcommだ。それぞれ40.3%、14.6%と伸びた。共に中国の5G需要が立ち上がったことによる。Qualcommは、中国における新型コロナウイルスからの経済活動再開を受けて、5G基地局とスマホ需要の両方を享受することで、伸びた。

中国通信機器メーカーの華為科技の子会社でファブレス半導体メーカーのHiSiliconの伸びは、米国が最近発表した通商制限によって(参考資料12)、9月からTSMCの製造ラインが使えなくなることを見越した、駆け込み需要だと見られる。HiSiliconはTSMCの7nmプロセスを使って5G向けのAPUやモデムを生産しているが、7nmプロセスは9月以降使えなくなる。中国内でのSMICはまだ14nmプロセスの量産を開始したばかりで、7nmプロセスはそう簡単には生産できない。このため、少しでも今のうちに作っておこうという思惑がHiSilicon側にある。

Omdiaは、世界の半導体トップ10社の合計売上額は前期比で2.1%増、半導体メーカー全体では同2%減であったことから、新型コロナの影響でWFH(Work from Home)などのテレワークが進みパソコンや通信機器が売れたことで、内部に使っている半導体が売れたと見ている。しかし、3月末までの第1四半期よりは4月以降の第2四半期の方がテレワークは活発になっており、この見方だと第2四半期には、トップ10社の売り上げはもっと上がることになる。


参考資料
1. TSMCの米国先端工場設立の背景に華為つぶし (2020/05/18)
2. TSMCの米国工場建設その後と、観光・中国の対応 (2020/05/25)

(2020/06/25)

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