セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

ウェーハの生産能力はメモリ5社とファウンドリ1社で53%も支配

|

半導体メーカー5社が2019年シリコンウェーハ生産能力の53%を占めた。このような結果をIC Insightsが発表した。Samsung、TSMC、Micron、SK Hynix、キオクシア/Western Digitalグループ、の5グループ(6社)である。メモリメーカー4グループ(5社)とファウンドリ1社が製品を大量に生産するための能力を高めている。

表1 世界の半導体ウェーハ生産能力 出典:IC Insights

Worldwide Wafer Capacity Leaders


トップのSamsungは、8インチ換算で月産293万5000枚ウェーハの能力を持ち15%の市場シェアを持つ。この生産能力の2/3はDRAMとNANDフラッシュの生産に使われている。工場建設の計画もあり、韓国の華城市と平澤市、中国の西安で建設する予定だ。

市場調査会社のIC Insightsは、上位25社を調査したが、これらの数字は2019年12月現在の生産能力を表している。上位5グループ(6社)は、全て月産100万枚の能力を示すが、それ以外の企業としてIntelは同81万7000枚、UMCは同75万3000枚となっている。以下、GlobalFoundries、Texas Instruments、STMicroelectronicsとなっており、ファウンドリ以外は生産能力を急速に減らしているという。

2位のTSMCは、ファウンドリ市場の過半数を占める巨大なファウンドリ。その生産能力は12.8%の市場シェアを握る。同社は台中にFab15コンプレックス(フェーズ9とフェーズ10)、台南にFab18の新しい工場をFab14の近くに建設している。

3位のMicronは、9.4%のシェアで同184万枚の生産能力を持つ。同社はシンガポールに300mmのウェーハ工場を新設し(参考資料12)その生産能力を上げた。同社はIntelと共同で出資したIM Flash社のユタ州リーハイ工場をIntelから買い取ったことも生産能力を上げている。2020年にはバージニア州のマナッサスにも第2工場を開設する予定になっている。

第4位のSK Hynixは、シェア8.9%の174万枚で、同社の80%以上がDRAMとNANDフラッシュを生産している。韓国の清洲市にM15と呼ぶ新工場の建設を終え、中国の無錫市にもC2Fと呼ぶ新工場を建てた。さらに韓国の利川市にもFab M16と呼ぶ工場建設計画がある。

5位の東芝/WDグループについてもIC Insightsは言及しており、シェア7.2%で月産140万枚を生産する。投資と技術開発のパートナーがWestern Digitalである。同グループは昨年、岩手県北上市の工場を完成させ、20年に稼働させる計画である。

企業の製品としては大量生産が必要なメモリが圧倒的に多いが、チップ製造専門請負のファウンドリのトップ5社(TSMC、GlobalFoundries、UMC、SMIC、Powerchip)を合わせると、生産能力のシェアは24%にもなり月産480万枚を生産する。

上位5社のメモリメーカー、ファウンドリの生産能力と比べ、売上額でトップのIntelは、チップ単価がメモリよりもずっと高く、付加価値のある製品を生産しているといえる。平均価格は220〜230ドルのようだ。安価なメモリと比べると、生産能力を上げることより、付加価値を高める方に力を入れている。

参考資料
1. Micron、NANDフラッシュの工場を拡張、セレモニー開催 (2019/08/15)
2. Micronがメモリ不況中にNANDフラッシュ工場を拡張する理由 (2019/08/23)

(2020/02/20)

月別アーカイブ