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AlteraがIntelからほぼ完全独立、使いやすいGUIベースの開発ツールも提供

FPGAメーカーのAlteraがIntelから2025年3月に独立したが(参考資料1)、実質的にIntelの子会社だった。このほどファンドのSilver LakeがAltera全株式の51%を購入、Intelの株式は49%になり、Intelは少数株主となりAlteraはほぼ完全独立になった。CEOのRaghib Hussain氏および日本法人社長のSam Rogan氏(図1)と共に新生Alteraを紹介した。

Altera JapanのSam Rogan社長

図1 アルテラジャパン社長のSam Rogan氏 出典:筆者撮影


XilinxがAMDに買収されたことによって、Alteraは実質的に最大のFPGA専業メーカーになった。Intel時代は、パートナープログラムや開発キットなどで制約が多かったようだ。例えば、Intelのx86の顧客は、パソコンメーカーやサーバーメーカーなどにかなり限られている。しかしFPGAの顧客となると小さな組み込みシステム企業や大学も含め極めて広範囲に及ぶ。全世界で1万の顧客がおり、日本だけでも2000社(大学含む)の顧客がいる。このため顧客サポートの手法は全く異なる。にもかかわらずIntelの手法に併せるとFPGAとしてはほとんど動けなくなる。今回ほぼ完全な独立によって、顧客やパ−トナーに対して動きやすくなった。

Intel自身も15万人の大企業になり、早く動くことが困難になっている。最近Intel CEOのLip-Bu Tan氏はフラットな組織を目指したい、と何度か述べている。Nvidiaは3万人の組織になったがフラットな組織に変わりない、とCEOのJensen Huang氏は語っており、Tan CEOもNvidiaのようなフラットな組織にあこがれているようだ。

新生Alteraは製品や開発ツールに関しても発表した。新製品としてチップレットを活用するAgilex FPGAおよびSoC FPGA全製品ファミリの量産出荷を開始する。Agilex FPGAには消費電力とコストを最適化したAgilex 3 FPGAシリーズと、ミッドレンジのAgilex 5 FPGAシリーズ、高性能なAgilex 7および9 FPGAシリーズがある(図2)。さらにAgilex FPGAとAgilex SoC FPGAがある。後者はArm Cortex A55デュアルコアおよびA76デュアルコアを集積する製品シリーズとなる。


Complete FPGA & SoC FPGA Portfolio / Altera

図2 ハイエンドから低消費電力・低コストのバージョンまで揃えているAgilexシリーズ 出典:Altera


さらにAgilex 5 Dシリーズに関しては機能拡張したことを発表した。ロジックエレメントの数を従来最高の644K個から2.5倍の1.6M個に増強し、外部メモリのバンド幅も2倍に増強した。

開発ツールとしてもQuartus Prime Pro Edition バージョン25.3を発表、より使いやすくした。特に設計ツールであるVisual Designer Studioは、これまでRTLを書けるエンジニアが限られていることから、GUIベースのドラッグ&ドロップでIPブロックの接続を自動化したことに加え、ユーザーがIPブロックやRTLコードを視覚的に配置して設計に組み込めるようにした。こういった改良によって、RTLによる設計と比べるとFPGA設計の立ち上げに要する時間を5日からわずか2時間と大幅に短縮することができたとしている。

新CEOとなったRaghib Hussain氏は、ネットワークプロセッサ企業Caviumの共同創業者であったが、Caviumが2018年7月にMarvell Technologyに買収されてMarvellの製品・技術担当プレジデントを務めた後、Alteraに入社した。また、日本法人のアルテラジャパン社長のSam Rogan氏は、かつてXilinxの日本法人社長を務めており、FPGA業界に通じている。

参考資料
1. 「Altera、Intelからの独立でTSMCなどのファウンドリ活用も可能に」、セミコンポータル、(2025/03/11)

(2025/10/01)
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