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湯之上隆の視点

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前回、分社化における問題を取り上げた。本稿では、分社化後に2社が経営統合する際の問題を3回に分けて考えてみる。第一回目は、2社統合によりどのような摩擦や混乱が生じるかを考察する。エルピーダメモリやルネサステクノロジなど、2社が経営統合した際、2社の技術融合によるシナジー効果“1+1=3”が期待された。しかし、現実は、目論見通りに行かなかった。2社の設計技術を融合することはできなかった。プロセスの“良い所取り”は不可能だった。2社の量産工場で計画通り量産することができなかった。それはなぜなのか? [→続きを読む]
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2008年10-12月期決算で、とうとう韓国サムスン電子も赤字に転落し、米国のインテルおよびテキサス・インスツルメンツ以外の半導体メーカーは全て赤字決算となった。特に、もともと営業利益率の低い日本半導体メーカーの赤字は深刻だ。2008年通期で、東芝が2900億円、ルネサステクノロジが1100億円、NECエレクトロニクスが550億円、富士通マイクロエレクトロニクスが700億円、エルピーダメモリが1500億円の各赤字を計上する見通しを発表した。 [→続きを読む]
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 5月下旬に関西で開催されるSEMI FORUM JAPANのマニュファクチャリングサイエンスセミナーから「歩留まりと信頼性」に関する講演依頼を受けた。その際、チェアマンとのやりとりの中で、以下のような話が出てきた。 1)歩留まりは高いほど良い、2)信頼性は高いほど良い、3)車載半導体など人命にかかわるものは、故障率をゼロにしなくてはならない。半導体業界において、これらの命題は、当然のことと思われているようである。果たして、それは、正しいのか? [→続きを読む]
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半導体産業は、自動車産業と同様に、(日本人が得意な)“擦り合わせ”型の産業である。ではなぜ、自動車は世界最強であるにも関わらず、半導体はそうではないのか?その原因は、組織が“擦り合わせ”に相応しい構造をしていないことにある。日本人が得意な“擦り合わせ”を生かすためには、どうすべきか。その解決策を提案する。 [→続きを読む]
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1GビットDRAMのスポット価格が1ドルを切った。PC、インターネット、携帯電話などのIT技術が一般汎用技術となったことが、この背景にある。すなわち、半導体は、一般汎用技術を支える基盤となったのである。IT革命の本質は、情報処理コストと通信コストの劇的な低下にある。これにより、半導体は、常に、価格下落の猛烈な圧力に曝されている。現在、世界金融恐慌が吹き荒れている。生存の危機に瀕している半導体関連メーカーもあるに違いない。しかし、明けない夜はない。必ず夜明けがやってくる。ただし、昨日とは異なる明日になるに違いない。一般汎用技術の基盤となった半導体に対して、それに相応しい企業への転換が必要である。 [→続きを読む]
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世界金融恐慌のあらしが吹き荒れる中、超低価格PC・ネットブック市場が急成長している。機能や性能をそぎ落としたネットブック(図1)からは、"イノベーションのジレンマ"の到来が予感される。かつて、日本半導体産業は、コンピュータ市場がメインフレームからPCへシフトしたにも関わらず、25年保証の高品質DRAMを作り続けた結果、韓国、台湾勢にコストで敗北した。この敗北を教訓に、ネットブック専用の超低価格半導体を製造するべきだ。そのためには、"インド向けの50万円の低価格車から、更に、1部品2.1円のコスト削減を目指す"というスズキ自動車の姿勢を見習うべきである。このような超低価格半導体で利益が出せる体質になることが、世界金融恐慌に打ち克つための方策であると考える。 [→続きを読む]
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 昨年、米国テキサス・インスツルメンツや日本のソニーなどが、相次いで45nm世代以降の微細化を行わないことを発表した。また、最先端のArF液浸リソグラフィ装置が立ち上がりつつあるが、次世代の高屈折率液浸開発は頓挫し(注1)、EUVLの量産適用には、技術的にも経済的にも大きな困難が予想されている。さらに、32nm世代以降を量産するためには、Cu配線抵抗の増大や微細トランジスタのばらつき問題を解決しなくてはならない。 [→続きを読む]
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同志社大学 ITEC研究センター COEフェロー 長岡技術科学大学 極限センター 客員教授 湯之上隆 人類には半導体集積回路は必要  現在、人類の文化的な生活には、半導体集積回路(以下ICと略す)が欠かせない。パソコン、携帯電話、各種デジタル家電、クルマ、更には、ライフラインや公共交通網の制御・管理など、ありとあらゆる所にICが使われている。また、米国や日本などの先進国10億人だけでなく、BRICsやVISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ共和国、トルコ、アルゼンチン)など経済発展を遂げつつある発展途上国にも、ICが必要である。したがって、今後、ICの需要は決して減ることはないといえる。 [→続きを読む]
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同志社大学 ITEC研究センター COEフェロー 長岡技術科学大学 極限センター 客員教授 湯之上隆 2007年末、薄型テレビのニュースが相次いだ。注目は有機EL。11月末にソニーが世界初の有機ELテレビ「XEL-1」を発売した(注1)。続いて、年末、にサムスンSDIが31型の有機ELパネルを開発したと発表した(注2)。 [→続きを読む]
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同志社大学 ITEC研究センター COEフェロー 長岡技術科学大学 極限センター 客員教授 湯之上隆  半導体の微細化が止まるかもしれない(注1)。もし、止まったらどうなるのだろう。半導体装置メーカーはどうなる?半導体デバイスメーカーはどうなる?デバイスを中核部品にすえるPC、携帯電話、デジタル家電、クルマ等のセットはどうなる?これらセットを使うユーザー、つまり私も含めた人類の未来はどうなるのだろう?(注2) [→続きを読む]
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