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米SIA年央予測/車載カメラモジュール/2007年Siウェーハ市場

今も変わらないかと思うが各社の恒例、向こう数年先まで見通す中期計画。
なかなか当たるものではないが、どこまで読んだか、読めたかが問われるところ。その米SIA版、年2回の春季予測が発表されている。これを主にいくつか感じたこと。

≪米SIA年央予測≫

6月と11月の2回発表されているが、小生には世界の半導体業界の脈流というものを数値感覚で捉える年中恒例の機会となって何年経つだろうか。世界をリードする米国発の見方は何と言っても貴重であり、以下今回の発表内容である。  

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○SIA予測:半導体販売高、伸長鈍化にも拘らず記録的ペース−メモリ価格低下で業界伸長鈍化−…6月11日付けSIAプレスリリース

重要な末端市場からの健全な需要により、世界半導体販売高は2011年まで記録的水準を維持していくであろう、とSemiconductor Industry Association(SIA)が本日発表している。メモリ半導体、主にDRAMsでの激しい競合が続いて、2008年は伸びがさらに鈍化している。SIAは、重要な末端市場からの健全な需要にも拘らず、2008年の半導体販売高伸長予測を7.7%から4.3%に下方修正している。メモリ製品を除いた半導体販売高全体は、2008年に7.4%伸びると予測されている。

SIA年央予測は、2008年の販売高が$266.6 billionに達し、2011年には$324.1 billionに伸びる、と見ている。SIAは、2008-2011年の予測期間について6.1%のcompound annual growth rateを見通している。今回見直された予測では、販売高が2009年に6.2%伸びて$283.2 billionに、2010年には8.4%伸びて$307 billionに達する、となっている。

「半導体の需要を引っ張る重要な末端市場は、引き続き健全である。」とSIA President、George Scalise氏は言う。「半導体の個々の市場としては最大のパソコン販売は、引き続き力強く、特に新興途上市場がそうである。
パソコンの全体販売台数は、今年10%ほど伸びる勢いにあり、約300 million(3億)台である。携帯電話の出荷数量は、1.3 billion(13億)台以上と約12%の伸びが見込まれ、最も伸びるのは中国、インドなど新興途上市場である。」

多くの他のconsumer製品の販売数量は、消費者信頼感に拡がる懸念およびエネルギー価格の上昇にも拘らず引き続き力強い、とSIAは報告している。
flat-panelテレビの販売数量は今年29%以上、ディジタルカメラは11%、それぞれ伸びると見込まれている。

Scalise氏は、SIA販売高予測を下方修正した主な理由として、メモリ分野で続く価格圧力を挙げている。「2008年の始め4ヶ月でのDRAM出荷数量が前年同期比で30%以上増えているのに、DRAM売上げは34%落ちている。最近のJPMorganレポートは、2008年のDRAMビット出荷が65%増える、と見通している。メモリ製品は、半導体販売高全体の約20%を占めている。」とScalise氏は言う。

半導体売上げ全体の約14%を占めるMPUsは、2008年の今まで健全な販売数量の伸びとなっており、売上げは向こう2年10%を越える年伸長率が見込まれている。

半導体需要全体の約14%を占めるアナログ製品は、今回の予測期間で5.3%のcompounded annual growthが予測されている。consumerおよび通信応用がこれらの製品需要を引き続き牽引する。

標準および専用ロジックの両方を含むロジック製品は、consumer製品など多彩な末端市場からの力強い需要に基づいて、今年10.8%の伸びが見込まれている。

「世界の売上げは予測期間を通して伸び続け、毎年史上最高に達していく。」とScalise氏は言う。

今回の発表の図面データ、下記参照:
http://www.sia-online.org/downloads/forecast_0806.pdf
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世界半導体販売高の史上最高更新が続くという展望になっているが、ここ数年の見方の推移を取り出してみると、次のようになる。

            2008年   2009年   2010年   2011年
  2008年6月  $266.6B  $283.2B  $307B    $324.1B
  2007年11月 $276.9B  $296.2B  $321.5B
  2007年6月          $306B
  2006年11月 $303.4B  $321B
  2006年6月          $323B
  2005年11月 $309.2B

$300Bの大台を何時越えるか、関心事の一つであるが、ここでも数年の後倒しの様相が見られる。またそのときの市場気分が微妙に左右している感じを受けるところがあるが、所詮人がやること、人情が働くことも止むを得ないのかもしれない。シリコンサイクルからグローバルな個人消費者の拡大動向が影響するフェーズへ、明確な移り変わりというものを感じるところがある。

≪車載カメラモジュール≫

車載用半導体というと、人命を預かるということで高い信頼性が当然ながら要求されて、特殊スペック、温度拡張対応など幾度か経験したことがある。
その後遠のいている間に、特にこの数年の進展の著しさはいろいろな切り口で承知しているところであるが、このほど車載カメラモジュールについてご専門の方々と打ち合わせの場があり、現状の認識を新たにしている。キーフレーズ、次の通り。

・1台に5個が普通。4ヶ所と前方に配置。
・車をイージス艦にという見立てのアプローチ。
・モーターショーで14個/台の展示例も。
・大衆車の部品、3万点。
・鉄のかたまりから、部品のかたまりへ。
 大衆車、全部入れて30%を越える。

一方、前面ガラスの下あたりは直射日光を受けると、100℃を越える環境温度を考えなければならないとのこと。信頼性の厳しさは変わらないという実感である。

車載カメラモジュールについてインターネットで3点ほど調べてみた。

○カメラに内蔵された画像処理専用チップで周囲の環境を高速に認識することが可能に。安全性、利便性を高める複数のアプリケーションを1台のカメラモジュールで同時に実現できる。
 ・ガラス曇り検知     オートデフロスタ(Auto Defroster)
 ・雨滴検知        オートワイパー(Auto Wiper)
 ・レーン認識       レーンキープ(Lane Keep)、車線逸脱警報
 ・夜間車両検知      配光制御
 ・外界照度検知      オートライト(Auto Light)

○6個/台の例:
 ・前方モニタ(夜間用)
 ・白線認識
 ・コーナーモニタ
 ・車室内監視
 ・サイドモニタ
 ・後方モニタ

○アプリ別車載カメラ
 ・リアビューカメラ
 ・駐車アシスト
 ・フロントビューカメラ
 ・サイドミラーに付くバックビュー
 ・ドライバの逆サイドのドアミラーに付くカメラ
 ・車室内を映すカメラ

車種グレードで多くのケースがある思うが、オート化が進んでここまで来ているのか、これではマイコン、センサはじめ半導体の数は増していくはず、と改めての実感である。セキュリティの頑丈さがますます問われていく現在の世の中の流れを考えると、一層の増大を予想せざるを得ないところがある。

≪2007年Siウェーハ市場≫

2007年のSiウェーハ市場の売上げデータが発表され(6月11日付けElectronics Design, Strategy, News)、上記の世界半導体販売高に対応した活況ぶりと300-mmへのシフトおよび200-mmの後退傾向に注目させられている。

300-mmウェーハ需要が引き続き上昇して、2007年の世界Siウェーハ総売上げは2006年$10.2 Billionに対して22.5%増の$12.5 Billionとなっている。内訳のポイント、次の通り。

・300-mmウェーハ需要が旺盛な一方、200-mmには明らかな減速傾向が見られる。
・ベンダーランキング:
             2007年売上げ   伸び率   シェア
1)信越半導体    $4.1 billion    23.8%
2)SUMCO                          21.7%
3)Siltronic                          14.8%
・地域別伸び率:
 Asia/Pacific 40.3%     
  中国 (44.3%)
  韓国 (52.3%)
  台湾 (29.7%)
  その他 (30.7%)
 Americas 約10%
 日本 約10%
 欧州 約10%

世界半導体の流れに符合するように、アジアが世界を牽引する実態を如実に表しているとともに、アジアの中での中国および韓国の旺盛ぶりが目立つのは改めての認識である。200-mmは、メモリあるいはロジックの先端世代の300-mmへのシフトが本格化している煽りを受けている状況というものを感じている。

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