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続くインテル・インパクト:Qualcommの買収への反応、部門売却の沙汰

苦境のインテルのインパクトに、引き続き注目せざるを得ないところである。先週後半からQualcommによるインテル買収の動きが報じられたが、半世紀あまりにわたるほとんどをNo.1サプライヤとしてリードしてきているインテルであり、買収が実現する可能性は非常に低いといった見方があらわされている。インテル傘下の部門あるいは会社の売却も取り沙汰されているが、打診したものの断られた動きなど見えている現時点である。インテルは、米国政府から年内にChips Actで$8.5 billionと最も多額の助成を受け取る予定であるが、これは部門含め同社の売却を行わない前提条件とのこと。計画通りの新製品&新技術で引っ張るインテルに、今また期待である。

≪厳しい局面の打開を願って≫

製造分離の再構築などの方針がインテルから打ち出されて、Samsungへの波及が論じられている。

◇Samsung unlikely to follow Intel's foundry spinoff initiative―Analysts doubt Samsung will follow Intel's spinoff plans (9月20日付け DigiTimes)
→インテルが資金調達のためにファウンドリー事業を分社化しようとしていることから、サムスン電子も追随するのではないかという議論が巻き起こっているが、アナリストは、投資需要が高く、モバイル部門とメモリー部門をサポートする必要があるため、その可能性は低いと指摘している。

Qualcommによるインテル買収関連が、以下の通りである。

◇Qualcomm Approached Intel About a Takeover in Recent Days―Deal for Intel would be massive and come as chip maker is sputtering (9月20日付け The Wall Street Journal)
→チップ大手のクアルコムが、ライバルのインテルに対し、ここ数日で買収の打診を行ったと、この件に詳しい関係者が語っており、近年で最大かつ最も重要な取引のひとつとなる。
時価総額約$90 billionのインテルの買収の件は、該チップ・メーカーがその50年の歴史の中で最も重大な危機のひとつに苦しんでいるときに出てきている。

◇Qualcomm recently approached Intel about a possible takeover (9月20日付け CNBC)
→*ある関係者によると、クアルコムはここ数日、インテルに買収を打診していたという。
 *金曜20日の市場終了時点で、インテルの時価総額は900億ドルを超えていた。
 *ウォール・ストリート・ジャーナル紙がこの買収の可能性を最初に報じた後、株価は延長取引で急騰した。

この報道を受けて、インテルへの投資の申し出の動きである。

◇Apollo reportedly offers Intel a multibillion-dollar investment (9月22日付け Market Watch)
→Apollo Global Management Inc.がインテル社に$5 billion規模の投資を申し出たとBloomberg Newsが日曜22日に報じた。
この報道は、Wall Street Journal紙がQualcomm Inc.が最近、ライバルのインテルに買収の可能性を打診したと報じた数日後のことである。

◇Intel Gets Multibillion-Dollar Apollo Offer as Qualcomm Circles―Intel considers $5B investment offer to power its turnaround, sources say (9月22日付け BNN Bloomberg (Canada))
→この件に詳しい関係者によると、Apollo Global Management社は、インテル社にmultibillion-dollar規模の投資を申し出ており、該出資は、同社の再建戦略に対する信任投票と、より大きなライバルであるクアルコム社による買収の可能性に代わる選択肢をチップメーカーに提供するものだという。

Qualcommによる買収の実現性は非常に低い、との見方が続いている。

◇Qualcomm's potential Intel buyout could raise antitrust, foundry concerns―Qualcomm weighs takeover of Intel, reports say (9月23日付け Reuters)
→クアルコムがインテルに買収の可能性を打診していることが、この交渉に詳しい情報筋の話で明らかになった。クアルコムのCristiano Amon CEOが交渉に関与していると言われている。TECHnalysis Researchの創設者であるBob O'Donnell氏は、「しかし、実際に買収が実現する可能性は非常に低い」と述べている。

◇Qualcomm circles Intel for takeover: biting off more than it can chew? (9月23日付け DIGITIMES)
→ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、クアルコムがインテルに買収の可能性を打診したと報じ、CNBCが後で検証した話である。このニュースは当初、インテルの株価を3%上昇させたが、このような買収の実現性については大きな疑問が残る。

◇Qualcomm's potential Intel buyout could raise antitrust, foundry concerns (9月24日付け Reuters)
→インテル買収の可能性は、クアルコムの多角化を加速させるが、スマートフォン向けチップメーカーには、赤字の半導体製造部門が重荷となり、再建や売却に苦戦する可能性があるとアナリストは指摘する。
また、買収は世界的に厳しい反トラスト法上の審査に直面することになる。なぜなら、2つの重要なチップ企業が統合され、スマートフォン、パソコンおよびサーバー市場で高いシェアを持つ巨大企業が誕生することになるからだ。

インテル傘下の部門あるいは会社の売却関連で、いくつか取り沙汰されている。
FPGAのAlteraは、このタイミングに「Altera Innovators Day」を開催、以下の取り上げである。

◇Altera continues 'decoupling,' innovating amid new Intel rumors (9月23日付け FierceElectronics)
→インテル傘下のFPGAメーカーであるアルテラが、今週カリフォルニア州サンノゼでAltera Innovators Dayを開催することを選んだとき、その新製品のニュースが、インテルのクアルコムへの売却の可能性に関する噂と注目を争うことになるとはおそらく考えていなかっただろう。
クアルコムによるインテルの完全買収の可能性は低いと思われるが、今週の開発者会議とアルテラCEOのSandra Rivera氏によるアルテラの独立企業化に向けた進捗状況の説明、アルテラが計画している低消費電力で低価格のAgilex 3 FPGAのラインアップに関する新情報の共有、および同社のAgilex 5 FPGAs向けの新しい開発キットとソフトウェアの発表に影を落とした。

◇Altera brings more AI to the edge and cloud with new programmable chips―Altera's FPGAs enabling AI at cloud, edge (9月23日付け VentureBeat)
→インテルの一部門であるアルテラは、クラウドとエッジにおけるAI機能を強化する製品を発表した。同社によると、次世代Agilex 3フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)は、組み込みおよびインテリジェントエッジアプリケーションの統合、セキュリティおよびパフォーマンスを向上させる。

◇Altera Reveals Agilex 3, New Software Release and Dev Kits―Agilex 3 FPGAs provide a 1.9× performance improvement over the previous generation. (9月24日付け EE Times)
→インテルはここ数週間、クアルコムとの交渉の噂から雇用や設備投資の削減まで、様々な理由でニュースになっている。しかし、よりポジティブなニュースとしては、今年初めに立ち上げられたアルテラ事業が、新ブランドのもとで初の「Altera Innovator's Day」を昨日開催した。このイベントでアルテラは、Agilex 3 FPGAの詳細、開発者向けソフトウェア、Quartus Prime Proの新機能、およびエコシステムによる11種類の新しいAgilex 5 FPGAベースの開発キットを発表した。

部門売却を肯定する見方である。

◇Intel More Likely to Divest Units Than Seek Buyout―News Analysis (9月25日付け EE Times)
→EE Timesが接触したアナリストによると、Intelは100%買収を目指すよりも、AlteraやMobileyeのような部門を売却する方が有利な立場にある。
Wall Street JournalとFinancial Timesの報道によると、先週、QualcommはIntelに買収の可能性を提案した。Intel Foundryは、TSMCやSamsungのような大規模な製造ライバルとの競争に勝ち続けることが難しいため、Intelの100%買収は良い投資にはならないだろう、とアナリストは述べている。

部門買収を打診したが断られた、との動きがあらわされている。

◇Arm Is Rebuffed by Intel After Inquiring About Buying Product Unit―Source: Arm's bid to buy Intel's product division rejected (9月26日付け BNN Bloomberg (Canada))
→ある筋によると、スマートフォンだけでなく、PCsやサーバーへの事業拡大を目指すアーム・ホールディングスは、インテルに製品部門の買収を打診したが断られたという。インテルの市場価値は大きく下落し、買収の憶測が高まっている。

インテルの全体的な現況があらわされている。

◇難路インテル、垂直統合モデルに岐路 設計・製造を分離 (9月29日付け 日経 電子版 05:00)
→米インテルの経営が苦境に陥っている。受託生産(ファウンドリー)への先行投資がかさみ業績が悪化し、設計・製造を一体で担う垂直統合型の事業モデルは岐路に立つ。時価総額の急激な縮小で買収観測が浮上するが、実現には規制の高い壁がある。経営の立て直しに向けた道筋は描けていない。
インテルは2024年4〜6月期の最終損益が$1.61 billion(約2300億円)の赤字だった。

やはりインテルには、いつもの新製品&新技術の発表の期待である。

◇Intel launches Xeon 6 P-core and Gaudi 3 as company faces uncertainty (9月24日付け FierceElectronics)
→インテルは火曜24日、データセンターのCPUニーズに対応するXeon 6 Pコアチップを、AI向けのGaudi 3アクセラレータとともに発表した。両チップは、企業ユーザーの消費電力とコストを削減するとともに、セキュリティを強化し、旧世代よりも高いパフォーマンスを提供するよう設計されている。

米国政府からのChips Actによる年内助成は、同社あるいは部門の売却を行わないことが前提、と以下の通りである。

◇Intel to get Chips Act funds by year-end but must not sell units to Arm, Qualcomm―Intel to receive $8.5B in CHIPS Act funds with conditions (9月27日付け Electronics Weekly (UK))
→1)インテルは年内にChips Actから$8.5 billionを受け取ることになっているが、この助成金は同社を売却しないことが条件だとFT紙が報じている。
 2)インテルは今年末までにChips and Science Actから$8.5 billionを受け取ることになっているが、これは同社がアームやクアルコムに部門を売却しないことを条件としている。両社からのオファーにもかかわらず、インテルは、Gina Raimondo米商務長官の支援を受け、米国での$100 billionの工場建設に引き続き注力している。

◇Intel and US race to finalise $8.5bn in chips funding by year’s end (9月27日付け Financial Times)

状況好転を願いながら、引き続き注目するところである。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□9月24日(火)

経済軟着陸の期待が続いて、市場最高値更新で始まり、利益確定売りで1日下げたが、やはり最高値で締めた今週の米国株式市場である。

◇NYダウ、続伸し61ドル高 経済の軟着陸期待で高値更新 (日経 電子版 06:59)
→23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比61ドル29セント(0.14%)高の4万2124ドル65セントで終えた。米連邦準備理事会の利下げによって米経済がソフトランディングに向かうとの観測が引き続き株式相場を支えた。ただ、ダウ平均の上昇基調が続くなかで、主力株には持ち高調整や利益確定の売りが出やすく、上値は重かった。

□9月25日(水)

◇NYダウ続伸、83ドル高 中国金融緩和で4日連続最高値 (日経 電子版 06:00)
→24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸した。前日比83ドル57セント(0.19%)高の4万2208ドル22セントで終え、4日連続で最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを続け、米経済がソフトランディングできるとの見方が引き続き相場を支えた。

中国の経済刺激策発表で、世界の株価が急騰している。

◇Will China’s $100bn war chest for shares lift the real economy?―China's stimulus plan boosts global markets―Investors welcome ‘unprecedented’ central bank loans to try to boost markets but analysts say fiscal stimulus is needed (Financial Times)
→中国がパンデミック以来最大の景気刺激策を発表したことで、欧州株、新興国通貨およびコモディティが急騰した。この景気刺激策は中国経済をデフレから脱却させることを目的としているが、アナリストらは、信用需要の低迷が続いていることから、長期的な効果は疑問視している。

□9月26日(木)

◇NYダウ293ドル安 利益確定売り、キャタピラー2%安 (日経 電子版 06:06)
→25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比293ドル47セント(0.69%)安の4万1914ドル75セントで終えた。前日までに連日で最高値を更新した後で、主力株の一部に利益確定目的の売りが広がった。

□9月27日(金)

◇NYダウ、反発し260ドル高 S&P500種は最高値 (日経 電子版 06:22)
→26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比260ドル36セント(0.62%)高の4万2175ドル11セントで終えた。中国が26日に追加の景気浮揚策を発表したのに加え、同日発表の米経済指標が景気の底堅さを示したことから景気敏感株が上昇した。一部銘柄の決算発表を手掛かりに半導体株にも買いが入り、相場を押し上げた。

□9月28日(土)

◇NYダウ、続伸し137ドル高 経済の軟着陸期待で最高値 (日経 電子版 06:06)
→27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比137ドル89セント(0.32%)高の4万2313ドル00セントで終えた。24日以来となる過去最高値を更新した。同日朝発表の米経済指標がインフレが落ち着く流れにあることを示した。米経済がソフトランディングできるとの見方につながり、消費関連や景気敏感株を中心に買いが優勢になった。


≪市場実態PickUp≫

【UAE半導体工場】

TSMCおよびSamsungがそれぞれ、UAE(アラブ首長国連邦)での半導体工場建設を検討、と以下の取り上げである。地政学、立地、人材など、考えられる課題も挙げられている。

◇TSMC, Samsung Weigh Adding Chip Factories in UAE, WSJ Says (9月21日付け MSN)
→TSMCとサムスン電子は、急増する人工知能(AI)コンピューティングの需要を満たすため、今後数年間でアラブ首長国連邦(U.A.E.)に大規模な新工場を建設することを検討している、とウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じた。

◇TSMC, Samsung reportedly consider building huge chip factories in UAE (9月22日付け Market Watch)
→チップ製造大手のTSMCとサムスン電子は、将来の人工知能(AI)チップの需要を満たすため、アラブ首長国連邦に大規模な工場を建設することを検討している、とウォール・ストリート・ジャーナル紙が日曜22日に報じた。

◇Chip giants TSMC and Samsung reportedly mull building mega factories in the UAE―Reports: TSMC, Samsung exploring fab expansion in UAE―TSMC's facility could be on a par with its biggest in Taiwan, say insiders. (9月23日付け Tom's Hardware)
→TSMCとサムスン電子は、UAEでの半導体工場建設について初期段階から協議を進めており、その潜在的なコストは$100 billionを超える。課題としては、大量のきれいな水の必要性、熟練労働者の不足および地政学的問題、特に米中貿易戦争などが挙げられる。

◇TSMC, Samsung reportedly eye UAE's silicon fields for fab expansion―There’s no shortage of sand, but chip plants are thirsty for something even more precious: water (9月23日付け The Register (UK))
→アラブ首長国連邦(UAE)は、米国の対中貿易戦争の渦中にあるにもかかわらず、AI開発の温床としての地位を急速に確立しつつあり、その熱望は間もなく半導体製造にまで及ぶ可能性がある。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、この件に詳しい無名の人物を引用して報じたところによると、TSMCとサムスン電子の幹部--世界で最も多産なファウンドリー事業者2社--が最近、同国でのチップ工場開発について協議するため、石油資源の豊富な同国を訪れたという。

◇TSMC responds to UAE rumors: 'No new concrete overseas investments' (9月23日付け Focus Taiwan)
→TSMCは月曜23日、同社トップが最近アラブ首長国連邦(UAE)で会談を行ったとの報道を受け、新たな具体的な海外拡張計画はないと述べた。
UAEの噂には直接触れていないが、TSMCはCNAに対し、半導体業界の発展促進に関する建設的な議論には常にオープンであり、現在のグローバルプロジェクトに引き続き注力していると述べた。

◇TSMCとサムスン、UAEで半導体工場の建設協議 WSJ報道 (9月24日付け 日経 電子版 16:23)
→米紙ウォール・ストリート・ジャーナルWSJは22日、半導体世界大手のTSMCと韓国サムスン電子がそれぞれ、アラブ首長国連邦(UAE)で半導体工場の建設を協議していると関係者の話を基に報じた。


【TSMC関連】

TSMCのアリゾナ工場への追加投資の政府承認、およびEDA各社との先端技術連携について、以下の通りである。

◇TSMC obtains approval for US$7.5bn investment―TSMC's $7.5B investment in Ariz. approved (9月24日付け The Taipei Times (Taiwan)/CNA)
→TSMCは、アリゾナ州にある米国子会社への$7.5 billionの追加投資について政府の承認を得た。アリゾナ州への投資総額は$24 billionに達し、このアリゾナ州初の工場は2025年前半に4ナノメートル技術による量産を開始する予定である。

◇TSMC obtains approval for US$7.5bn investment (9月24日付け Taipei Times)
→TSMCは昨日、米国子会社に$7.5 billionを追加投資する政府承認を得た、と投資審査部は声明で述べた。
投資審査部は、ICやその他の半導体デバイスの製造、販売、テストおよび設計に従事するTSMCアリゾナ社へのTSMCの投資申請を承認したという。

◇Synopsys and TSMC Pave the Path for Trillion-Transistor AI and Multi-Die Chip Design (9月25日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→シノプシス社は本日、TSMC社との緊密な協業を継続し、TSMC社の最先端プロセスおよび3DFabricテクノロジー上で高度なEDAおよびIPソリューションを提供することで、AIおよびマルチダイ設計のイノベーションを加速することを発表した。

◇Synopsys and TSMC collaborate with EDA and IP for A16 and N2 processes ―Synopsys, TSMC advance EDA and IP collaboration (9月26日付け Electronics Weekly (UK))
→1)サンタクララで開催されたTSMC OIPエコシステム・フォーラムで、シノプシスはEDAツール、IPおよびプロセスの協業を発表した。
 2)シノプシスとTSMCは、先端半導体プロセス向けの電子設計自動化(EDA)ツールとIPで協業している。両社は、TSMCのchip-on-wafer-on-substrate(CoWoS)パッケージング技術とシノプシスの設計ツールを用いたマルチダイ・テスト・チップのウトを確認した。

◇TSMC and Cadence Collaborate to Deliver AI-Driven Advanced-Node Design Flows, Silicon-Proven IP and 3D-IC Solutions (9月25日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→ケイデンス・デザイン・システムズ社は本日、TSMC社と協業し、AIを活用した先端ノード設計と3D-ICsの生産性を高め、製品性能を最適化することを発表した。AIアプリケーションの急速な普及により、膨大なデータセットと計算を処理できる高度なシリコン・ソリューションに対するかつてない需要が生まれている。

◇Siemens EDA certified on TSMC N2―Siemens EDA achieves certification for TSMC N2, N2P processes (9月27日付け Electronics Weekly (UK))
→Siemens DigitalのCalibre Platformツールは、TSMCのN2およびN2Pプロ スの認定を受けている。


【OpenAI関連】

爆的普及の一方、倫理性はじ抱える人工知能(A)について、現在リードしているOpenAIのCEO、Sam Altman氏のハムレットの心境が以下うかがえている。昨年も見られたが、同社の統治を巡る内紛も報じられている。

◇Altman Essay Charts a Vision of the AI Future, Fast and Slow―OpenAI's Sam Altman envisions transformative AI era (9月24日付け Inc.)
→*「私は、未来はとても明るいものになると信じており、今それについて書こうとしても、誰もそれを正当に評価することはできない。」OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏は、個人的なブログの中で、AIが世界に与える影響について考察している。
 *OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、彼が「Intelligence Age」と呼ぶAIの未来についての楽観的なビジョンを概説したエッセイを書いた。同氏は、現在さまざまな方面から懐疑的な見方があるにもかかわらず、AIが大規模な繁栄をもたらし、人々の生活に大きな改善をもたらす未来を思い描いている。技術コミュニティ、ウォール街、そして日常的なユーザーからの批評家は、AIがその約束を果たせるかどうかを疑問視している。

◇OpenAI CEO Sam Altman declares we could have superintelligence 'in a few thousand days'―Sam Altman had a funny way of talking about time ―Superintelligence is coming (9月24日付け TechRadar)
→[なぜそれが重要なのか?]:OpenAIのCEOであるサム・アルトマンは、人工知能が次のレベルの支援やイノベーションを提供するAI超知能の時点を楽しみにしているブログ記事を書いた。
[そんな言葉があるのか]:アルトマンが「数千日」という言葉を使うのを見たとき、私は思わず笑ってしまった。アルトマンは明らかに、「数日」を時間の尺度として使うことで、この偉大な進歩がどれほど早く起こるかについて人々を興奮させようとしているのだ。落ち着きなさい、サム。私たちにはそれだけの日数を計る時間の単位がある。しかし、次の大きな進歩は8〜9年先かもしれないと宣言しても、投資家がAIに資金を投入し続ける動機にはならないだろう。

◇Altman's hazy AI utopia (9月25日付け Axios)
→OpenAIのCEOであるSam Altman氏は、AIが「とても明るいものであり、今それについて書こうとしても、誰もそれを正当に評価することはできない」未来において「巨大な繁栄」をもたらすと見ている。なぜそれが重要なのか?:それはとても素晴らしいことだが、「今」は私たち全員が生活し、働く場所であり、そして今、テック業界はAIがその約束の洪水を実現できるかどうかについての壮大な論争に陥っている。

◇ChatGPT、会話の「間」0.3秒に 人間味増し悪用リスクも (9月25日付け 日経 電子版 15:43)
→米新興企業、オープンAIは24日、人工知能(AI)と人間同士のように自然な会話ができる音声機能の一般提供を始めた。感情を読み取るAIが仕事や生活の日常に入り込む未来が近づく。ビジネスの生産性を高める期待がある半面、他人へのなりすましなど悪用対策も急務となる。対話型AIの「Chat GPT」に新たな音声機能「アドバンスト・ボイス・モード」を加えた。

◇ChatGPT、スマホを擬人化 会話「人並み」のAIが日常に (9月25日付け 日経 電子版 06:01)
→米新興企業、オープンAIは24日、対話型AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」に新たな音声機能を追加したと発表した。日本語を含む50以上の言語に対応し、人に近い反応速度で会話できる。AIを搭載したスマートフォンと会話しながら、文章作成や情報収集を指示する風景が身近になる。
主力のチャットGPTに「アドバンスト・ボイス・モード」を追加した。

◇OpenAI、ムラティCTOが退社へ AI研究者の「束ね役」 (9月26日付け 日経 電子版 06:21)
→米新興企業オープンAIのMira Murati CTOは25日、同社を退社すると明らかにした。X(旧ツイッター)に投稿した。オープンAIでは共同創業者や主要幹部の離脱が相次いでいる。

◇オープンAI、営利重視へ 欧米報道 非営利で発足、企業統治見直し技術トップが突然退任 (9月27日付け 日経)
→米オープンAIのミラ・ムラティ最高技術責任者(CTO)が25日に退任を表明した。同日、営利を重視した組織に再編する計画も判明した。
人工知能(AI)開発のトップランナーは、ガバナンス(企業統治)のあり方をめぐって揺れている。

◇OpenAI「普通のテック企業」へ AI開発の現実解どこに (9月28日付け 日経 電子版 06:02)
→米オープンAIが非営利のNPOが支配する統治を改め、営利主導に変わる。
人工知能(AI)の先駆者の変貌は、未知の領域に入る新技術の脅威を自ら抑えながら、巨額が必要な技術開発に勝ち抜く難しさを浮き彫りにする。AIのリスクに歯止めをかけるのは誰か。国の規制も強まるなか、論議は激しくなりそうだ。


【インド関連】

インドでの半導体製造工場設立に向けたインドと米国の協力合意はじめ、定点観測アイテムとして注目している以下今週の動きである。

◇India has chip dreams, but it still needs a strategy (9月22日付け Taipei Times)
→世界中の国々が、自国の半導体産業を発展させたり支援したりするために、多額の税金を費やしている。このような資金のパイプラインは、いくつかの成功といくつかの失敗をもたらしており、その差は通常、いかに戦略的にお金を使ったかによるものだ。インド政府も財布の紐を緩めており、早急に戦略を練る必要がある。

◇India to set up local semiconductor fab with the US―STRATEGIC PARTNERSHIP: The plant would make infrared, gallium nitrade and silicon carbide chips as India attempts to develop a semiconductor value chain (9月24日付け Taipei Times)
→米国とインドは、南アジアの国に半導体製造工場を設立するために協力することで合意に達し、インドのナレンドラ・モディ首相が進める国内製造業の強化に弾みをつけた。

◇India to set up local semiconductor fab with the US―STRATEGIC PARTNERSHIP: The plant would make infrared, gallium nitrade and silicon carbide chips as India attempts to develop a semiconductor value chain (9月24日付け Taipei Times)
→米国とインドは、この南アジアの国に半導体製造工場を設立するために協力することで合意に達し、インドのNarendra Modi首相が進める国内製造業の強化に弾みをつけた。
土曜21日にデラウェア州で行われたジョー・バイデン米大統領とモディ氏の会談を受けたホワイトハウスの読み上げ記事によると、この工場は赤外線、窒化ガリウム(GaN)および炭化ケイ素(SiC)の半導体を製造する予定である。

◇PM Modi is All In for Local Chip Growth (9月25日付け EE Times India)
→先週、インドのNarendra Modi首相は、膨大な数の世界的なチップ設計・製造企業のCEOsや上級幹部を招き、その中にはわずか数時間のために来日した企業もあり、首相とのエグゼクティブ・ラウンドテーブルやセミコン・インディア2024の開幕式に出席した。

◇[News] U.S. and India Plan New Semiconductor Plant in India, Vietnam Sets 2050 Development Blueprint (9月25日付け Trend Force)
→The Hindu紙によると、インドは米国との変革的パートナーシップの下、初の国家安全保障半導体製造工場を設立する予定だという。この施設では、両国の軍事用ハードウェアや、重要な通信・電子ネットワーク用のチップが製造される。

◇Henkel expands semiconductor focus in India with plans for advanced packaging (9月25日付け DIGITIMES)
→工業用接着剤とエレクトロニクスパッケージングの世界的大手であるHenkel(ヘンケル)は、インドの半導体エコシステムをサポートする体制を整えている。
インド政府が半導体製造の拡大に注力する中、ヘンケルは接着剤とパッケージング・ソリューションで確立した専門知識を活用して、この成長市場に貢献することを目指している。

◇India wants to become a semiconductor powerhouse, but it can’t do it on its own―India's semiconductor ambitions hinge on global collaborations (9月26日付け CNBC)
→*インドの半導体製造業はまだ非常に発展途上の段階にあるが、チップ大国になることを目指している。
 *この分野を発展させるためには、この南アジアの国は台湾、中国および米国に依存し続ける必要がある。
 *「インドは半導体製造において中国に大きく遅れをとっている。インドは速く走って追いつくことができるかもしれないが、中国の方が速く走るだろう」と、Institution of Engineering and Technologyの未来技術パネルの議長であるRishi Bhatnagar氏は言う。


【米国、主として政府関連】

米中の狭間の台湾が、以下議論されている。

◇EDITORIAL: Semiconductors are not deterrence (9月22日付け Taipei Times)
→台湾の半導体産業は台湾に戦略的優位性をもたらしているが、米国が台湾の半導体産業独占に終止符を打とうとし、また中国が主張を強めるにつれて、その優位性は脅かされることになるだろう、とアナリストが先週の安全保障対話で述べた。
韓国の成均館大学の学者Kwon Seok-joon氏は、戦略国際問題研究センター(Center for Strategic and International Studies)が開催したイベントで、半導体産業は台湾の「シリコンの盾」である一方、その優位性は米国の一部からは「独占」と見られていると述べた。

米国・SIAが政府に対し、環境審査の合理化を求めている。

◇SIA Urges House Passage of Bipartisan Bill to Streamline Environmental Review of CHIPS Projects (9月23日付け SIA Latest News)
→米国・Semiconductor Industry Association(SIA)は本日、SIA President and CEOのJohn Neuffer氏より、Building Chips in America Act(S. 2228)を下院で可決するよう求める声明を発表した。この超党派法案は、CHIPSおよびScience Actのポジティブなインパクトを最大化するものであり、CHIPSによりインセンティブを受けた特定の半導体製造プロジェクトが、環境保護を維持しつつ、規制遅延の延長の脅威なしに生産に向けて前進できるようにするものである。

その法案の審議状況である。

◇House Approves Permit Exemption for Chips, Sending Bill to Biden―Bill to expedite chip factory construction advances (9月23日付け BNN Bloomberg (Canada))
→米国下院は、連邦政府の許認可要件に基づき、特定の半導体製造プロジェクトに適用除外を与える法案を可決した。この法案は、国内工場の建設を加速させ、環境審査による遅延の懸念に対処することを目的としている。

◇US may exempt latest chip fabs from eco red-tape, but power is still a trip―Intel, TSMC face power challenges in US fab expansion ―AC/DC: America's grid might need to brace itself (9月25日付け The Register (UK))
→インテルとTSMCを含むライバル各社は、米国内での先端ファブ計画を急ピッチで進めている。これはすべて、国内半導体生産およびR&Dを促進する公的補助金を提供する2022年CHIPS and Science Actのおかげである。チップメーカーが工場建設を遅らせる環境レビューや訴訟を回避できるよう、いくつかの免除措置を提供する法律案が、承認を得るためにジョー・バイデン大統領の机に向かっていると伝えられている。

CHIPS and Science Actによる助成金配布第1号が、以下の通りあらわされている。上記のインテルに向けた助成も、急がれるところと思われる。

◇US finalizes $123 million chips award for Polar Semiconductor―Polar Semiconductor awarded $123M for US plant expansion (9月24日付け Reuters)
→米国商務省は火曜日、Polar Semiconductor社がミネソタ州の工場を拡張するための$123 millionの助成金を最終決定したと発表した。この助成金は、バイデン政権による$52.7 billionの半導体製造・研究助成プログラムの一部であり、同省が最終決定した同プログラムの最初のものである。商務省は、ポラール社がプロジェクトのマイルストーンを完了したことに基づいて資金を分配する。

◇SIA Applauds Finalization of First CHIPS Award for Polar Semiconductor (9月24日付け SIA Latest News)
→米国・Semiconductor Industry Association(SIA)は本日、SIA会長兼CEOのJohn Neuffer氏による声明を発表し、CHIPS and Science Actの下でインセンティブを配分する最初の最終合意に拍手を送った。
Polar Semiconductor社と米国商務省との合意は、ミネソタ州におけるポーラー社のチップ生産能力の拡大を支援するもの。
商務省は以前にも、米国の半導体サプライチェーンの強化に役立つ様々な企業やプロジェクトに対する予備的な奨励金合意を発表している。

対中投資規制について、議会での議論である。

◇Legislation to curb US investment in China is top priority, lawmaker says―Chair: House committee prioritizes limits on China investments (9月25日付け Reuters)
→下院の対中特別委員会の共和党委員長は水曜25日、同委員会の最優先課題は、投資家が 「自らの破滅に資金を提供する」のを阻止するために、米国の対中投資を制限する法案を作ることだと述べた。
「私たちは、基本的に『ある種のリストに載っているような企業には投資しない』という対外投資体制をとらなければならない。我々は中国軍を助けるべきではないし、大量虐殺を支援すべきではない、としている。」と、 American Enterprise Instituteのパネルで、John Moolenaar(ジョン・ムーレナー)下院議員。

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