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11月半導体販売高、15か月ぶり前年比増;CES 2024主として半導体関連

米国・Semiconductor Industry Association(SIA)より月次世界半導体販売高が発表され、昨年11月について$48.0 billionで、前月比2.9%増と9ケ月連続の増加、そして前年同月比5.3%増と1年3ヶ月ぶりのプラスとなっている。年間販売高最高の2022年では$50 billion台の月次販売高が続いており、人工知能(AI)はじめ引っ張る需要の本格増大が待たれるところである。年初恒例の世界最大のテクノロジー見本市「Consumer Electronics Show(CES)」が1月9-12日、Las Vegasで開催され、「AI」「モビリティー」を主テーマとして多彩な展示が繰り広げられている。全体概況、そして半導体各社の取り組む技術、製品および戦略関連の内容を取り出して分類している。

長見晃の海外トピックス

≪半導体販売高、一層の弾みへの期待≫

米国・SIAからの今回の発表が、次の通りである。

☆☆☆↓↓↓↓↓
○11月のグローバル半導体販売高は、前年同月比5.3%増―11月は1年以上ぶりに前年同月比プラス成長;世界の半導体売上高は前月比2.9%増 …1月9日付け SIA/Latest News

米国・Semiconductor Industry Association(SIA)は本日、2023年11月のグローバル半導体販売高が$48.0 billionで、前年同月、2022年11月の$45.6 billionに対して5.3%の増加、前月、2023年10月の$46.6 billionを2.9%上回った、と発表した。月次販売高はWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。SIAは、売上げで米国半導体業界の99%およびnon-U.S.半導体会社の約3分の2を代表している。

「11月の世界半導体販売高は、2022年8月以来初めて前年同月比で増加し、新年を迎え、世界の半導体市場は引き続き力強さを増していることを示している。」と、SIAのpresident and CEO、John Neuffer氏。「今後、世界の半導体市場は2024年に2桁成長を遂げると予測されている。」

地域別では、11月販売高前年同月比で、China(7.6%), Asia Pacific/All other(7.1%), Europe(5.6%), およびthe Americas(3.5%)で増加したが、Europe(-2.8%)では減少した。11月の販売高前月比では、China(4.4%), the Americas(3.9%), およびAsia Pacific/All Other(3.5%)で増加したが、Japan(-0.7%)およびEurope(-2.0%)では減少した。

                         【3ヶ月移動平均ベース】

市場地域
Nov 2022
Oct 2022
Nov 2023
前年同月比
前月比
========
Americas
12.17
12.13
12.60
3.5
3.9
Europe
4.48
4.83
4.73
5.6
-2.0
Japan
4.02
3.93
3.91
-2.8
-0.7
China
13.44
13.85
14.46
7.6
4.4
Asia Pacific/All Other
11.47
11.87
12.29
7.1
3.5
$45.58 B
$46.62
$47.98 B
5.3 %
2.9 %

--------------------------------------

※11月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
https://www.semiconductors.org/wp-content/uploads/2024/01/November-2023-GSR-table-and-graph-for-press-release.pdf
★★★↑↑↑↑↑

この発表を受けた業界各紙の取り上げが、以下の通りである。

◇World Chip Sales Return to Growth in Sign of Improving Demand―SIA: Global chip sales increased 5.3% to $48B in Nov. (1月10日付け BNN Bloomberg (Canada))
→世界の半導体売上高は、人工知能(AI)などの新興技術を背景に需要が回復し始めていることを示す最新の兆候として、1年以上ぶりに増加した旨。

◇Global semiconductor market rebound in sight, but tethered to the rise of AI―Chip rebound in the works with AI investment needed (1月11日付け Computerworld)
→*米国・Semiconductor Industry Association(SIA)の発表では、AIハードウェアの需要と結びついた世界半導体市場の回復が指摘されており、半導体メーカーがR&Dに投資する必要性を示している旨。上昇トレンドに拍車をかけるには、供給変化の多様性、原材料へのアクセスおよび専門的な労働力も必要である旨。
 *AIアプリケーションは、GPUやTPUといった特殊なハードウェアを必要とする旨。これは、半導体メーカーがR&Dに多額の投資をしなければならないことを意味する旨。

◇November semi sales up 5.3% y-o-y―Global chip market forecast to see double-digit growth in 2024, SIA says (1月12日付け Electronics Weekly (UK))
→11月の半導体販売高$48 billionは、2022年11月の$45.6 billionに比べ5.3%増、2023年10月の合計$46.6 billionに比べ2.9%増であった、とSIAが発表している旨。

◇世界半導体販売、1年3カ月ぶり前年超え;2023年11月 (1月12日付け 日経 電子版 15:46)
→米国半導体工業会(SIA)が発表した2023年11月の世界半導体販売額は前月比2.9%増の$47.98 billion。生成AI(人工知能)向けを中心に半導体市況の回復が続き、前年同月比では5.3%増と2022年8月以来、1年3カ月ぶりにプラスに転じた旨。
主要な半導体メーカーで構成する世界半導体市場統計(WSTS)がとりまとめ、SIAが発表した旨。

相次いで年間販売高史上最高を更新した2021年および2022年と比べていく形で、データの推移を見ていく。
以下、米国・SIAの月初の発表時点の販売高、そして前年同月比および前月比が示されている。
2023年を改めて見ていくと、1月は下げ足を早める出だしとなっており、2月はそれが引き続いている。3月に、ようやく2022年5月以来の前月比増加となっている。4月は、20%台の前年比マイナスが続きながらも、3月と同様前月比で0.3%のプラスとなっており、5月は前年比同様に大きくマイナスながらも前月比では1.7%増となり$40 Billion台を1月以来のこと、回復している。そして6月、1月の販売高を上回って、本年最高となって、まだ小幅ながら4ヶ月連続の前月比増加である。7月は、昨年12月以来$43 Billion台となり、前月比増加とともに、前年同月比のマイナス幅を大きく縮めている。8月は$44 Billion台と小幅な前月比増加が続き、前年同月比は一桁%のマイナスとなったが、前年も大き目な低下であることが効いている。9月も、8月と同様の動きとなっている。そして、10月は$46.6 Billionと昨年同月にほぼ並ぶ水準と、上げ足を早める見え方である。今回の11月で、下降基調の前年をやっと上回っている。今後の上げ足が続くかどうか、その度合いに引き続き注目である。

販売高
前年同月比
前月比
販売高累計
2021年 1月 
$40.01 B
13.2 %
1.0 %
2021年 2月 
$39.59 B
14.7 %
-1.0 %
2021年 3月 
$41.05 B
17.8 %
3.7 %
2021年 4月 
$41.85 B
21.7 %
1.9 %
2021年 5月 
$43.61 B
26.2 %
4.1 %
2021年 6月 
$44.53 B
29.2 %
2.1 %
2021年 7月 
$45.44 B
29.0 %
2.1 %
2021年 8月 
$47.18 B
29.7 %
3.3 %
2021年 9月 
$48.28 B
27.6 %
2.2 %
2021年10月 
$48.79 B
24.0 %
1.1 %
2021年11月 
$49.69 B
23.5 %
1.5 %
2021年12月 
$50.85 B
28.3 %
1.5 %
$540.87 B
 
2022年 1月 
$50.74 B
26.8 %
-0.2 %
2022年 2月 
$50.04 B
26.1 %
-1.4 %
2022年 3月 
$50.58 B
23.0 %
1.1 %
2022年 4月 
$50.92 B
21.1 %
0.7 %
2022年 5月 
$51.82 B
18.0 %
1.8 %
2022年 6月 
$50.82 B
13.3 %
-1.9 %
2022年 7月 
$49.01 B
7.3 %
-2.3 %
2022年 8月 
$47.36 B
0.1 %
-3.4 %
2022年 9月 
$47.00 B
-3.0 %
-0.5 %
2022年10月 
$46.86 B
-4.6 %
-0.3 %
2022年11月 
$45.48 B
-9.2 %
-2.9 %
2022年12月 
$43.40 B
-14.7 %
-4.4 %
$584.03 B
 
→史上最高更新
 
2023年 1月 
$41.33 B
-18.5 %
-5.2 %
2023年 2月 
$39.68 B
-20.7 %
-4.0 %
2023年 3月 
$39.83 B
-21.3 %
0.3 %
2023年 4月 
$39.95 B
-21.6 %
0.3 %
2023年 5月 
$40.74 B
-21.1 %
1.7 %
2023年 6月 
$41.51 B
-17.3 %
1.9 %
2023年 7月 
$43.22 B
-11.8 %
2.3 %
2023年 8月 
$44.04 B
-6.8 %
1.9 %
2023年 9月 
$44.89 B
-4.5 %
1.9 %
2023年10月 
$46.62 B
-0.7 %
3.9 %
2023年11月 
$47.98 B
5.3 %
2.9 %


今後の半導体市況を占う上で、現時点、プラスに支える材料として以下を見い出している。

◇サムスン営業益85%減;2023年通期、半導体市況は回復へ (1月9日付け 日経 電子版 11:05)
→韓国サムスン電子が9日発表した2023年12月期の連結決算速報値で、営業利益は6兆5400億ウォン(約7200億円)と前の期に比べて85%減。半導体市況の低迷で同部門が大幅な赤字に陥り、15年ぶりの低水準にとどまった旨。昨秋以降に在庫解消は進み、2024年の半導体市況は回復に向かう見通し。

TSMCも、売上げの減少が止まり加減である。

◇TSMC halts revenue drop, beats expectations on brisk demand for AI chips from Nvidia, Advanced Micro Devices (1月10日付け South China Morning Post)
→*新竹に本社を置くTSMCは、6,255億台湾ドルの四半期決算を発表し、前年同期と同水準の利益を計上した旨。
 *アナリストの予想と自社のガイダンスを上回ったものの、TSMCの$20.2 billionの四半期はまだ成長には至らなかった旨。

◇TSMC Q4 revenue beats expectations on demand for AI (1月11日付け Taipei Times)
→TSMC(台積電)の昨年第四四半期の売上高は、人工知能(AI)企業からの需要がスマートフォンやノートパソコンの販売販売不振を補い、減少との予測を上回った旨。
新竹に本社を置くTSMCは、アップル社やエヌビディア社の主要半導体メーカーであり、先月の売上高は1763億台湾ドル($5.66 billion)で、6255.3億台湾ドルの第四四半期を終えた旨。
TSMCは昨年、家電業界が売れ残り在庫の山積みに悩む中、設備投資計画を緩和した旨。昨年全体の売上高は前年比4.5%減の2兆1600億台湾ドルになった旨。

パソコン出荷も、底打ちの様相である。

◇Worldwide PC Shipments Declined 2.7% Year Over Year in the Fourth Quarter f 2023 but Visions of Growth Lie Ahead, According to IDC (1月10日付け IDC)
→インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)の「ワールドワイド・クォータリー・パーソナル・コンピューティング・デバイス・トラッカー」の速報結果によると、2023年第四四半期(4Q23)の従来型PCの世界出荷台数は、前年比2.7%減の約6,710万台となり、わずかに予想を上回った旨。この中で明るい兆しは、市場の縮小が底を打ち、2024年には成長が見込まれること。

◇パソコン世界出荷、昨年13.9%減 (1月12日付け 日経)
→米調査会社IDCは10日、2023年の世界パソコン出荷台数(速報値)が前年比13.9%減の2億5950万台だったと発表、2年連続で減ったが、減少率は前年よりも縮小した旨。各社が人工知能(AI)半導体を搭載した新型パソコンを投入するなか、今後は市場が回復するという見方がある旨。

韓国でも、メモリ価格の上昇による回復を見込んでいる。

◇Chip exports to continue recovery on higher memory prices: industry minister (1月11日付け Yonhap News Agency)
→韓国の半導体輸出は、メモリー半導体の価格上昇を背景に、今年も輸出全体の回復を牽引する見通しであると、産業大臣が木曜11日に発表した旨。

さて、次に、CES 2024について、業界各紙の記事から内容を大雑把ながら分けて以下示していく。

まずは、今回のCESの全体的な概況、あるいは雰囲気の一端をあらわすと感じた内容である。

◇The CES tech trends to watch in 2024 | CTA―CES puts AI, digital twins, sustainability on display (1月8日付け VentureBeat)
→Consumer Technology Associationのdirector of thematic programs、Brian Comiskey(ブライアン・コミスキー)氏は、AI、デジタル・ツイン技術およびサステナビリティへの取り組みなど、業界横断的なイノベーションを含むCESのトレンドをプレビューしている旨。半導体メーカーなどがAIに力を入れる一方、マイクロソフトはキーボードにCopilotキーを搭載する旨。

◇CES 2024 has gone to the dogs−and birds (1月8日付け FierceElectronics)
→*AIとセンサーを駆使して、CES 2024の新興企業は、家庭犬や裏庭の野鳥など、友好的な獣とつながる方法を披露する旨。ORoと呼ばれるロボットが家族のペットと遊ぶというケースもある旨。
 *CES 2024は今週ラスベガスで開幕し、Bosch, Intel, SiemensおよびQualcommといったハイテク業界の大企業を含む、消費者向け製品だけでなく電子機器のベンダー数百社が出展する旨。しかし、モビリティから健康、ゲーム、テレビまで幅広い製品を提供する新興企業もある旨。

◇パナHDやLG電子;スマートテレビ競う;AIが好み分析 (1月9日付け 日経 電子版 10:09)
→米ラスベガスでテクノロジー見本市「CES」の開幕に先立ち、8日(日本時間9日)に主要各社が基調講演を始めた旨。韓国LG電子やパナソニックホールディングス(HD)、中国TCLグループなどがインターネット接続型の「スマートテレビ」や高精細大型テレビなどを公開した旨。

◇「暮らし進化」AIで競う;ソニー・パナ巨大ITと提携 (1月9日付け 日経 電子版 12:05)
→世界最大のテクノロジーの見本市「CES」の一般公開を前に、主要企業は相次ぎ8日に発表会を開いた旨。ソニーグループはホンダと折半出資する電気自動車(EV)会社で米マイクロソフトと提携し、パナソニックホールディングス(HD)はテレビ開発で米アマゾン・ドット・コムと手を組む旨。

◇CES 2024が開幕、主要テーマ「AI」「モビリティー」の見どころを解説 (1月9日付け 日経XTECH[クロステック])
→世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2024」が米ラスベガスで米国時間2024年1月9日に開幕する。AI(人工知能)やモビリティーなどが主要テーマで、世界中からテック企業が集う。見どころを一挙紹介する。・・・・・

◇Intel, Nvidia, AMD hawk AI products at Consumer Electronics Show (1月10日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→今週のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)では、半導体産業、パーソナル・コンピューター(PCs)、自動車およびビデオゲームなど、人工知能(AI)がいたるところで活躍している旨。
シリコンバレーの企業もこのトレンドから免れることはできず、月曜8日に開催されたCESでは、いくつかの企業が話題を独占し、見出しを飾った旨。

◇CES showcasing AI-infused lifestyle―‘COMING TO LIFE’: The annual tech show features some exciting innovation, some boring innovation, and some weird innovation, but all infused with artificial intelligence (1月10日付け Taipei Times)
→自動運転のベビーカーからフォルクスワーゲン車のChatGPTまで、人工知能(AI)は、昨日ラスベガスで正式に開幕したCESガジェットの祭典で中心的な役割を果たすことが期待されている旨。
毎年恒例のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)は、3,500以上の出展者を誇り、約13万人の来場者を見込んでいる旨。

◇米CES開幕、インテルやロレアル基調講演;「M7」存在感 (1月10日付け 日経 電子版 07:39)
→世界最大のテクノロジー見本市「CES」が9日、米ラスベガスで始まった旨。生成AI(人工知能)が急速に社会に普及するなか、世界中の約4000社が新技術や製品・サービスを披露し、4日間で13万人の来場を見込む旨。幅広い分野でテクノロジー活用が企業の明暗を分ける傾向が強まってきた旨。

◇生成AI、暮らし進化競う;米見本市CES;ソニー・ホンダ、EVに搭載;パナソニックは動画提案TV (1月10日付け 日経)
→世界最大の技術の見本市「CES」の一般公開を前に人工知能(AI)を軸とした発表が8日相次いだ旨。ソニーグループとホンダが折半出資する電気自動車(EV)会社は米マイクロソフトと提携し、パナソニックホールディングス(HD)はテレビ開発で米アマゾン・ドット・コムと組む旨。

◇ハイセンスなど中国大手、100インチ超のテレビ続々発表;米見本市CES (1月10日付け 日経)
→中国のテレビ大手が大画面のテレビを相次いで投入する旨。米ラスベガスで報道公開中のテクノロジー見本市「CES」で、ハイセンスとTCLグループが8日にそれぞれ100インチを上回る大型の液晶テレビを発表した旨。没入感などをアピールし、世界首位の韓国サムスン電子を追い上げる狙い。

◇Everything you missed at CES 2024 Day 1: Samsung and Sony dominated, as did chips and laptops―Chips make headlines at CES ―Surprise robots and mixed reality headsets stole the show in Las Vegas, which was otherwise full of chips and PC (1月11日付け Engadget)
→アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、Nvidiaおよびインテルすべてが今週のCESで新しい半導体を投入、AMDのアップグレードされたグラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)やNvidiaのGeForce RTXシリーズなど。レノボ、AsusおよびRazerなどのPCメーカーが該最新チップを搭載した新モデルをアピールした旨。

AIやEVに引っ張られがちになるが、consumer electronicsの広大で多彩な幅を改めて感じる以下の内容である。

◇20 best gadgets of CES 2024: the top TVs, smart home tech, laptops and more we saw at the show―These were the 20 best gadgets at CES (1月12日付け TechRadar)
→1.驚異的なポータブル・スピーカーから電話キーボードの復活まで、CES 2024の受賞製品を紹介しよう。
 2.今週は、テクノロジーの世界の最新・最良に関心のある人にとって、大きな1週間となった。ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)では、今年も多くのガジェットが発表された。有機ELテレビ、ラップトップ、望遠鏡、カー・テクノロジー、ヘルス・トラッカーなど、ベスト20を紹介しよう。
  ・Best TV: LG Signature OLED T
  ・Best projector: Samsung The Premiere 8K
  ・Best soundbar: Samsung HW-Q990D
  ・Best speaker: Brane X
  ・Best headphones: Sennheiser Momentum 4 True Wireless
  ・Best music player: Fiio R9
  ・Best laptop: Lenovo ThinkBook 13x Gen 4 SPE
  ・Best computing component: AMD Ryzen 8040 Series
  ・Best gaming tech: MSI Claw
  ・Best computing accessory: Razer Project Esther
  ・Best mobile accessory: Clicks Keyboard
  ・Best smart home innovation: Nanoleaf Orchestrator
  ・Best small appliance: Ecovacs Deebot X2 Combo
  ・Best wellness tech: Baracoda BMind
  ・Best wearable: Evie Smart Ring
  ・Best health tech: Withings BeamO
  ・Best outdoor tech: Swarovski Ax Visio
  ・Best yard tech: Weber Summit Grill
  ・Best science tech: Celestron Origin
  ・Best car tech: BMW Augmented Reality Ride Concept

◇CESが示す「AI生活革命」;話せるクルマやポケット秘書―AI大競争時代(上) (1月12日付け 日経 電子版 18:38)
→「話せるクルマ」や「ポケット秘書」――。米国で開催中の世界最大のテクノロジー見本市「CES」の景色が一変した。講演登壇者は急速に進化する生成AI(人工知能)について熱く語り、約4000社の参加企業は生成AI活用策を競った。超頭脳を使いこなして顧客の心をつかめるかが、AI大競争時代に企業の浮沈を握る。・・・・・

◇CES2024;資生堂;かざせば20年後の肌 (1月12日付け 日経)
→資生堂は米ラスベガスで開催中のテクノロジー見本市「CES」に初参加し、データ解析を通じて鼻の骨格から20年後の肌のしわやたるみなどを予測する技術を公開した旨。スタートアップでは韓国企業が自動変形していびきを防止する枕を出展したほか、カナダの企業は人工知能(AI)搭載の卓上鏡型デバイスを公開した旨。顔の血流を読み取り、心拍数や血圧を自動出力する旨。

続いて、主として半導体の視点で、各社別に取り組み関連である。

[インテル]

電気自動車(EV)関連での買収を発表、自動車への踏み込みに注目している。

◇CES 2024: Intel Briefly Shows Lunar Lake Chip; Next-Gen Mobil CPU Uses On-package Memory―Intel exec offers updates on Lunar Lake, Arrow Lake chips (1月8日付け AnandTech)
→インテルのEVP and GM of the Client Computing Group、Michelle Johnston Holthaus(ミッシェル・ジョンストン・ホルトハウス)氏は、CESでLunar Lakeモバイル半導体を披露、Arrow Lakeデスクトップ半導体の進捗を報告、ともに今年出てくる運びの旨。インテルは、エリクソンのようなカスタム・シリコンよりも汎用プロセッサをアピールし続けている旨。

◇Intel acquires Silicon Mobility and announces new SoCs for auto (1月9日付け FierceElectronics)
→インテルのパット・ゲルシンガーCEOは火曜9日、CES 2024のステージで、インテルの自動車担当GM、Jack Weast氏とともに、新しい自動車用半導体と、インテリジェントなEVのエネルギー管理用SoCを製造するファブレス・シリコンおよびソフトウェア企業、Silicon Mobility社の買収を発表した旨。

◇Intel Drives ‘AI Everywhere’ into Automotive Market at CES (1月9日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→インテルは本日、CESにおいて、インテリジェントな電気自動車(EV)のエネルギー管理用SoCsを専門とするファブレス・シリコンおよびソフトウェア企業であるSilicon Mobilityの買収を含む、同社のAI Everywhere戦略を自動車市場へ推進する計画を発表した旨。インテルはまた、AIを強化したソフトウェア定義型車載システム・オン・チップ(SoCs)の新ファミリーを発表、Zeekrは、次世代自動車にジェネレーティブなAI主導のリビングルーム体験を提供するため、新SoCを採用する最初の相手先商標製品メーカー(OEM)である旨。

◇Intel buys Silicon Mobility―Intel gains Silicon Mobility in "whole vehicle" approach (1月10日付け Electronics Weekly (UK))
→1.インテルが、インテリジェントEVエネルギー管理用SoCを専門とするフランスのファブレスシリコン&ソフトウェア企業、Silicon Mobilityを買収する旨。
 2.インテルは、電気自動車(EVs)のシステムオンチップ(SoCs)に特化したファブレス半導体企業、Silicon Mobilityの買収を発表した旨。インテル幹部のJack Weast氏は、同社の持続可能性とスケーラビリティの「全車両」戦略に注目している旨。

◇Intel's Big Automotive Play: SoCs And An Acquisition (1月10日付け Forbes)
→ラスベガスで開催中のCESで、インテルはAI能力を自動車分野に拡大する大胆な戦略の概要を発表した旨。これには、EVエネルギー管理用システム・オン・チップ(SoC)を専門とするSilicon Mobility社の買収合意も含まれ、自動車市場の成長を追求するインテルの重要な一歩となった旨。

[Nvidia]

以下の≪市場実態PickUp≫でも中国対応状況を示しているが、AIを引っ張るNvidiaにはいろいろ注目である。

◇Nvidia’s newest chips are designed to run AI at home as competition from Intel, AMD looms―Nvidia touts consumer graphics chips for AI at home (1月8日付け CNBC)
→1.*Nvidiaは、自宅やオフィスのPCやラップトップで実行できる、いわゆる「ローカル」AI向けのコンシューマー向けGPUsで強みを発揮している旨。
  *これらの半導体は、ビデオゲームの実行を目的としたNvidiaの長年の糧であったが、今年のグラフィックカードは、クラウドに情報を送り返すことなくAIモデルを実行することを視野に入れて改良されている、と同社は言う旨。
  *この新しい半導体は、アドビ・フォトショップのFireflyジェネレーターで画像を生成したり、ビデオ通話で背景を除去したり、あるいはAIを使って台詞を生成するゲームを作るのにも使える旨。
 2.Nvidiaは、最新のグラフィック・プロセッシング・ユニット、RTX 4060 Super、RTX 4070 Ti SuperおよびRTX 4080 Superを発表し、クラウドではなく「ローカル」AI用途のコンシューマー向けGPUsとして売り込んでいる旨。この半導体は、クアルコム、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)およびインテルが提供する同様のローカルAI技術と競合することになる旨。

◇Nvidia unveils new chips for AI-powered gaming at CES (1月8日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→人工知能(AI)大手のNvidia社は月曜8日、同市場におけるリーダーとしての地位を固めるべく、新たな製品ラインを発表した旨。
ラスベガスで毎年開催されるCES見本市の冒頭、サンタクララを拠点とする該半導体メーカーは、パーソナルコンピュータ向けの3つの新しいAIグラフィック半導体を発表した旨。該RTX半導体ラインは主に、ゲーマーやデザイナーがサードパーティのサイトや企業に頼るのではなく、より自律的にAIプログラムを使えるようにするためのもの。

[Samsung]
◇(CES) Samsung champions on-device AI for future technological leadership (1月9日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→サムスン電子は月曜8日、競争の激しいスマートフォンと家電市場で主導的地位を維持するための重要な原動力として、デバイス上の人工知能(AI)の活用に注力すると述べた旨。
今年ラスベガスで開催される年次CESの公式開幕前夜に行われた記者会見で、韓国の該巨大ハイテク企業は、AIがユーザー体験に革命をもたらし、デバイスをこれまで以上に直感的で便利なものにすると構想している旨。

◇サムスン、ボール型AIロボ;家電操作やビデオ通話 (1月9日付け 日経 電子版 14:05)
→韓国サムスン電子は8日、開発中の家庭用ロボット「Ballie(バリー)」の新型モデルを発表、車輪で自走する球体ロボットで、ペットのように利用者の後を追いかけて指示を受ける旨。人工知能(AI)を搭載し、「寒い」と伝えれば暖房を付けるなど、家電を操作する旨。プロジェクター機能もあり、映像投影もできる旨。早期の市場投入を目指す旨。
米ラスベガスで9日から世界最大の米見本市「CES」が開かれる旨。サムスンは開催を前にメディア向け発表会でバリーを紹介した旨。

[SK Hynix]

NvidiaのAI製品で使われている高帯域幅(HBM)メモリが、SK Hynixのこのところの急伸を引っ張っている、との理解である。

◇SK Hynix CEO expects AI memory boom to double company’s value―SK Hynix sees AI demand, HBM lifting its status (1月8日付け The Straits Times (Singapore))
→SKハイニックスのKwak Noh-jung(クァク・ノジョン)最高経営責任者(CEO)は、AIメモリの需要は3年以内に同社の企業価値を倍増させるだろうと語る旨。NvidiaのAIアクセラレータに使用されているSK Hynixの高帯域幅(HBM)メモリ製品は、リーダーであり続けるための戦略の中心になる旨。

◇(LEAD) (CES) SK hynix vows to take lead in AI boom with cutting-edge memory solutions (1月9日付け Yonhap News Agency (South Korea))
→世界第2位のメモリー半導体メーカーであるSK hynix Inc.は月曜8日、カスタマイズされた高性能メモリー・ソリューションを通じて、人工知能(AI)が主導する技術革命の先陣を切るというコミットメントを発表した旨。ラスベガスで開催されるCES 2024に先立つ記者会見で、同社のKwak Noh-jung(クァク・ノジョン)最高経営責任者(CEO)は、ジェネレーティブAIが普及する時代にメモリー・半導体の重要性が高まっていることを強調した旨。

◇SKハイニックスCEO、「キオクシアと今後も協業」 (1月9日付け 日経 電子版 10:31)
→米ラスベガスで開催するテクノロジー見本市「CES」にて、韓国半導体大手SKハイニックスの郭魯正(クァク・ノジョン)最高経営責任者(CEO)は8日、間接出資するキオクシアホールディングス(旧東芝メモリ)について「今後も協業を続けていく」と話した旨。SKは2027年に時価総額を現在の2倍の200兆ウォン(約22兆円)に増やす目標も明かした旨。

その他、各社の様々な取り組みを、基本目にした時間順に示している。

◇Infineon and Aurora Labs to provide improved predictive automotive maintenance solutions―Infineon, Aurora Labs pair up on automotive AI tech (1月8日付け New Electronics (UK))
→1.InfineonとAurora Labsは、CES 2024において、ステアリング、ブレーキおよびエアバッグなどの重要な自動車部品の長期的な信頼性と安全性を向上させるためのAIベースの新ソリューション一式を発表した旨。
 2.インフィニオンはオーロラ・ラボと共同で、自動車の予知保全のためのAIベースのソリューションに取り組んでいる旨。この技術は、インフィニオンの32ビットTriCore AURIX TC4xマイクロコントローラ(MCUs)とオーロララボのLine-of-Code Intelligenceを組み合わせ、リアルタイムのモニタリングとソフトウェア障害対応を実現する旨。

◇Chips taking generative AI to edge reach CES floor―Ambarella debuts SoC to bring generative AI to edge (1月9日付け EDN)
→半導体開発企業のAmbarellaは、オンプレミス(システムの稼働やインフラの構築に必要となるサーバーやネットワーク機器、あるいはソフトウェアなどを自社で保有し運用するシステムの利用形態)のハードウェアやエッジエンドポイント機器にジェネレーティブAIを導入することを目的に、CESでN1システムオンチップ(SoC)シリーズを発表する旨。同社によると、このSoCはマルチモーダルな(テキスト、音声、画像、動画、センサ情報など複数の異なる情報源から情報を収集し、統合して処理する)大規模言語モデルを、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)のリーダーたちよりも効率的に実行する旨。

◇CES 2024 - TI debuts new automotive chips―Texas Instruments brings out automotive chips for safety (1月9日付け New Electronics (UK))
→1.テキサス・インスツルメンツ(TI)は、ラスベガスで開催された今年のCESで、自動車の安全性とインテリジェンスを向上させるために設計された新しい半導体を発表した旨。
 2.テキサス・インスツルメンツ(TI)は、信頼性と安全性を高める車載アプリケーション向けに、シングルチップのレーダー・センサとソフトウェアでプログラム可能なドライバ半導体をCESで発表した旨。TIのAWR2544 77GHzミリ波レーダー・センサ・半導体は、サテライト・アーキテクチャ向けとしては初めてのものである旨。

◇VW、市販車にChatGPT装備;目的地検索やエアコン操作 (1月9日付け 日経 電子版 04:38)
→米ラスベガスで9日開幕する世界最大のテクノロジー見本市「CES」にて、独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は8日、人間と自然に対話できる人工知能(AI)「ChatGPT」を市販車に搭載すると発表、音声認識のAIを開発する米セレンスと組み、車内温度や目的地の検索などを自動で答えるようになる旨。8車種で2024年4〜6月期から標準装備する見通し。

◇独シーメンス、製造業のアプリ開発をAIが手助け (1月9日付け 日経 電子版 14:40)
→独シーメンスは8日、最小限のプログラミング知識でウェブアプリなどを構築できるツールに生成AI(人工知能)を導入すると発表、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が提供するサービスを活用する旨。製造業などでの利用を想定する旨。
シーメンスのローランド・ブッシュ(Roland Busch)最高経営責任者(CEO)は米ラスベガスで開催される世界最大のテクノロジー見本市「CES」の基調講演に登壇し「現実世界ではモノを製造するのに何年もかかっていた。生成AIによってはるかに簡単に、速くなっている」と指摘した旨。

◇CES 2024 - NXP announces extension of its 28nm RFCMOS radar one chip family―NXP expands its automotive radar one-chip with 28nm RFCMOS (1月10日付け New Electronics (UK))
→NXPセミコンダクターズは、車載用レーダーワンチップファミリの拡張を発表した旨。
新しいSAF86xxは、高性能レーダトランシーバ、マルチコアレーダプロセッサおよびMACsecハードウェアエンジンをモノリシックに統合し、車載イーサネット上で最先端のセキュアなデータ通信を実現する旨。NXPのS32高性能プロセッサ、車載ネットワーク・コネクティビティおよびパワー・マネージメントと組み合わせることで、このフル・システム・ソリューションは、より高度なソフトウェア定義レーダーの基礎を築く旨。

◇ホンダ、自社開発EVを初公開;遅れ挽回に自動運転技術も (1月10日付け 日経 電子版 04:00)
→ホンダは米ラスベガスで9日開幕したテクノロジー見本市「CES」で、北米で2026年から発売する自社開発の電気自動車(EV)2車種を初公開した旨。電池の搭載量を抑えつつ、東京から大阪間に相当する300マイル(約482キロメートル)以上を走れる旨。最先端の自動運転システムも取り入れていく旨。EV分野で米中の競合に後れをとっており、挽回できるかを決める戦略車になる旨。

◇AirJet’s revolutionary solid-state cooling can eradicate SSD throttling―Frore Systems' AirJet Mini aims to cool SSDs, boost performance (1月11日付け PCWorld)
→CES 2023でFrore Systemの急進的なソリッドステートAirJet Mini冷却技術を初めて目撃してからまだ1年しか経っていないとは信じがたい旨。ノートPCの冷却性能に革命をもたらすと期待されたAirJet Miniは、Zotac Zbox PI430AJ mini-PCを通じて店頭に並んだが、Frore Systemsはそれだけにとどまらない旨。CES 2024では、AirJet MiniがSSDsにも大きな性能の飛躍をもたらす可能性があることを証明するデモを披露した旨。

◇ソニーG・吉田会長「巨大テックと組み成長」;米見本市CES (1月11日付け 日経)
→ソニーグループの吉田憲一郎会長最高経営責任者(CEO)は9日、音楽やゲーム、映画などのコンテンツIP(知的財産)獲得を続ける方針を明らかにした旨。吉田氏はエンターテインメント領域で「創造性を高めることに注力し、配信や流通などは巨大テック企業をパートナーにする」と語った旨。

◇Rabbit hops to CES stardom with new AI-centric pocket device (1月11日付け FierceElectronics)
→スマート・モバイル機器には何年も前からAIベースのバーチャル・アシスタントが搭載されているが、そのどれもがAI中心、あるいはAIファーストと言えるようなユーザー・エクスペリエンスを持っていない旨。サンフランシスコ地域の新興企業、Rabbitは、アプリ、サービス、および情報への主要なインターフェースをAIにすることで、AIを第一に考えたスマートな「ポケット」機器を提供しようとしており、CES 2024の主役の一人になりそう。

◇CES: MIPS CEO Sameer Wasson sees RISC-V as path to freedom (1月11日付け FierceElectronics)
→MIPSのCEO、Sameer Wasson(サミア・ワッソン)氏は、RISC-Vアーキテクチャに情熱を注いでおり、最近CEOに就任、RISC-Vアーキテクチャがいかに重要かを世界に示すことになり、自動車、データセンターおよび組み込み市場を追求する旨。同社は、自由を表す様式化された鳥を中心とした新しいロゴを発表した旨。

◇MIPS Aims to Give Back Control, for AI-Centric Compute―The company announced its new strategic focus and at the same time rebrand, with the help of RISC-V architecture. (1月12日付け EE Times)
→MIPSは今週、CES 2024で新たな戦略的焦点を発表し、同時にブランド印を変更、これは、AI中心の新たな世界でコンピュート・アーキテクチャを差別化しようとする設計者に「コントロールを取り戻す」ことを使命とし、そのためにRISC-Vアーキテクチャ固有の利点を活用するというもの。

◇Qualcomm CEO: Generative AI in smartphones could 'create a new upgrade cycle'―Qualcomm chief sees generative AI lifting phone sales (1月11日付け Yahoo)
→CESにて、クアルコムのCristiano Amon(クリスティアーノ・エイモン)CEOは、スマートフォンへのジェネレーティブAIの統合に続く「新たなアップグレードサイクル」を期待している旨。同CEOはまた、クアルコムがモバイル以外の多角化を図る中で、自動車用半導体への参入を推進していることも指摘している旨。

半導体の市況回復に向けて、当面はAI需要の牽引、そしてパソコン&スマホ出荷の回復、と期待が膨らむ本年の受け止めであり、引き続き注目するところである。


コロナ「5類」移行とはいえ、インフルエンザが加わり、直近ではコロナ新変異型が取り沙汰されて、一層用心怠りなくの現状と言えるかと思うが、コロナ前に戻る舵取りがそれぞれに行われている中での世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□1月9日(火)

最高値圏に達して、利益確定の売り、そしてインフレ鈍化期待、と上げ下げが続いた今週の米国株式市場である。

◇NYダウ続伸、216ドル高;Apple2%高で6日ぶり反発 (日経 電子版 06:58)
→8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比216ドル90セント(0.57%)高の3万7683ドル01セントで終えた旨。米長期金利の低下を受け、アップルが反発し2%高で終えるなど、高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買いが入った旨。半面、航空機のボーイングが大幅安となり、ダウ平均の重荷となった旨。

□1月10日(水)

最高値圏の米国株式市場および円安で、我が国の株価も30年あまりぶりの高値である。

◇日経平均33年ぶり高値、PBR改革が奏功;1倍回復169社 (日経 電子版 02:00)
→・株高の要因の一つはPBR改革の前進
 ・51%あった1倍割れの比率は44%に
 ・投資家の一部は持続力になお懐疑的
日経平均株価が9日に33年ぶりの高値を付けた旨。背景には東京証券取引所の旗振りで始まった日本企業のPBR(株価純資産倍率)改革がある旨。
2022年末に「上場失格」とみなされるPBR1倍割れだった企業のうち169社が1倍を回復した旨。

中国経済の不調を映し出すと思われる内容が、以下も続いている。

◇米国の輸入、中国が17年ぶりに首位陥落へ;2023年2割減 (日経 電子版 06:10)
→米国のモノの輸入に占める割合で、2023年に中国が17年ぶりに首位を陥落する見通しとなった旨。1〜11月の輸入額は前年同月比で20%超減少し、年間ベースでメキシコに抜かれる公算が大きくなった旨。仕入れを中国から世界の友好国に切り替える動きが鮮明になっている旨。
米商務省の貿易統計をもとに算出、年間で中国が2位以下になるのは2006年以来となる旨。

◇NYダウ反落、157ドル安;消費関連に利益確定売り (日経 電子版 06:46)
→9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比157ドル85セント(0.41%)安の3万7525ドル16セントで終えた旨。前日にダウ平均が再び最高値圏に上昇し、主力銘柄の一部に利益確定の売りが出た旨。昨秋以降の米長期金利の低下には一服感があり、株式の相対的な割高感が意識されやすい面もあった旨。

□1月11日(木)

◇NYダウ反発、170ドル高;インフレ鈍化への期待広がる (日経 電子版 06:52)
→10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比170ドル57セント(0.45%)高の3万7695ドル73セントで終えた旨。ハイテク株を中心に買いが入り、相場を支えた旨。週内発表の米経済指標が引き続きインフレ鈍化を示すとの見方に加え、米主要企業の好決算への期待も追い風となった旨。

□1月12日(金)

◇東証の株式時価総額、アジア首位返り咲き;上海証取超え (日経 電子版 02:00)
→・東証のアジア首位返り咲きは3年半ぶり
 ・主な要因の一つは海外投資家の日本企業への改革期待
 ・もう一つは中国経済を巡る不安による日本へのマネーシフト
東京証券取引所に上場する株式の合計時価総額(ドル建て)が11日、中国の上海証券取引所を上回った旨。東証のアジア首位返り咲きは約3年半ぶりとなる旨。海外投資家は日本企業の改革に期待する一方、中国経済の先行きには警戒感が根強い旨。

◇NYダウ小幅続伸、15ドル高;好決算への期待が支えに (日経 電子版 06:57)
→11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比15ドル29セント(0.04%)高の3万7711ドル02セントで終えた旨。今週末から発表が本格化する米主要企業決算への期待感がダウ平均を支え、引け間際に上げに転じた旨。朝方発表の2023年12月の米消費者物価指数(CPI)が小幅ながら全般に市場予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が後退したことから売りが優勢になる場面もあった旨。

◇中国、2023年物価14年ぶり低い伸び;内需不足で低体温 (日経 電子版 17:57)
→中国国家統計局が12日発表した2023年の消費者物価指数(CPI)は前年比0.2%上昇した旨。マイナスを記録した2009年以来、14年ぶりの低い伸びだった旨。不動産不況など内需不足で輸入も3年ぶりに減少した旨。経済の「低体温化」が鮮明でデフレリスクがちらつく旨。

□1月13日(土)

◇NYダウ3日ぶり反落;118ドル安;好決算期待が後退 (日経 電子版 07:06)
→12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、前日比118ドル04セント(0.31%)安の3万7592ドル98セントで終えた旨。決算を発表した主要企業への売りが相場の重荷だった旨。中東情勢の緊迫化による地政学リスクへの警戒も売りを促した旨。


≪市場実態PickUp≫

【急変模様】

上記にも雰囲気があらわれているが、AI需要によるHBMメモリの急伸でSK Hynixが、DRAMシェアでSamsungに急追、とこのところの繰り返しの内容である。

◇サムスン、「ドル箱事業」に黄信号;DRAMのシェア急落 (1月9日付け 日経 電子版 19:35)
→韓国サムスン電子の稼ぎ頭に黄色信号がともっている旨。世界首位を30年間維持してきた半導体メモリー「DRAM」で、2位SKハイニックスの猛追に直面しているため。半導体市況の回復局面でサムスンが高収益企業に返り咲くためにはDRAM事業のテコ入れが不可欠となる旨。

AI対応に活発に取り組むマイクロソフトが、時価総額でアップルを一時追い抜いている。

◇Microsoft、時価総額で一時Apple超え;約2年ぶり首位 (1月12日付け 日経 電子版 03:09)
→米マイクロソフトの時価総額が11日、一時米アップルを抜いて世界時価総額ランキングで首位となった旨。対話型AI(人工知能)「ChatGPT」を開発した米オープンAIと提携し、AI戦略を加速してきたことが好感されている旨。首位交代は約2年ぶりとなる旨。


【Nvidiaの中国対応】

AI半導体に対する米国の規制を受けて、Nvidiaはそれに準拠する仕様の半導体を仕立てたが、中国の顧客からは見劣りするものでは気が乗らない、と以下の通り反発の反応である。

◇Nvidia's New China Pickle: Customers Don't Want Its Downgraded Chips―Chinese buyers are pushing back against lower-powered AI chips it hopes to sell them in response to U.S. export curbs (1月7日付け The Wall Street Journal)
→米国の規制が10月にエヌビディアの高性能人工知能(AI)半導体を中国に販売することを禁じた後、同社のエンジニアはすぐに規制強化に準拠するために新しいラインナップを設計した旨。
該米ハイテク企業は多少の余裕を見つけたかもしれないが、より大きな問題に直面しており、中国のクラウド企業(エヌビディアの世界的な大口顧客の一部)は、エヌビディアの低性能人工知能チップの購入にあまり乗り気ではない旨。

◇Nvidia to launch China-focused AI chip in Q2 2024 - sources―Sources: Nvidia ramping up production of AI chip for China (1月8日付け Reuters)
→情報筋によると、Nvidiaは米国の輸出制限に準拠し、中国市場向けAI半導体「H20」の量産を第二四半期に開始する予定の旨。中国のクラウド企業は、11月からテストしている格下げされた該半導体に反発している旨。

◇Nvidia faces dilemma as China shuns downgraded AI chips―Nvidia's scaled down AI chips get lackluster reception in China (1月11日付け Tech Wire Asia)
→*中国のバイヤーは、米国による輸出規制への対応として、Nvidiaによるそれほど強力でないAI半導体の採用に抵抗している旨。
 *H20チップは、Nvidiaが開発した3つの中国向け半導体の中で最も強力なもので、2024年第二四半期に量産を開始する計画がある旨。
 *Nvidiaは、米国をなだめるために中国に神経質なシリコンを提供するという失態を犯したのだろうか?


【CAMM2仕様】

メモリモジュールの新しい小型化外形標準として米国・JEDEC(JEDEC[Joint Electron Device Engineering Council] Solid State Technology Association)が、CAMM2仕様を発行、Micronが適用製品を披露している。

◇Micron unveils LPCAMM2 - bringing LPDDR5X to smaller form factor memory modules―Micron intros lineup of memory sticks based on LPDDR5X ―Modules provide performance, upgradeability, and repairability for LPDDR5X-powered laptops. (1月9日付け Tom's Hardware)
→マイクロン・テクノロジーは、ラップトップおよびデスクトップ用のlow-power compression attached memory modules(LPCAMM:低消費電力圧縮接続メモリ・モジュール)を発売する旨。該LPCAMM2メモリースティックは、LPDDR5Xメモリーをベースとし、容量は16、32および64ギガバイトがある旨。

◇JEDEC publishes new CAMM2 memory module standard―JEDEC releases CAMM2 memory module standard (1月10日付け Electronics Weekly (UK))
→1.JEDECは、新しいJESD318 Compression Attached Memory Module(CAMM2)共通規格を発表、この規格は、Compression-Attached Memory Moduleの電気的および機械的要件を定義している旨。
 2.JEDECは、圧縮アタッチドメモリモジュール(Compression Attached Memory Module)規格を発表、この規格は、ダブルデータレート(DDR)、シンクロナスDRAM CAMM2sおよび低電力ダブルデータレート(LPDDR)、シンクロナスDRAM CAMM2sをカバーしている旨。


【ルネサスエレのM&A】

ルネサス エレクトロニクスが、米国のTransphorm社を買収、電気自動車(EV)に向けたGaNパワー半導体による需要開拓の期待である。

◇Renesas to Acquire Transphorm to Expand its Power Portfolio with GaN Technology (1月11日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→最先端半導体ソリューションのサプライヤーであるルネサス エレクトロニクス株式会社とTransphorm社(米国カリフォルニア州)は、本日、ルネサスの子会社がトランスフォーム社の発行済普通株式を1株当たり5.10ドルの現金で取得する正式契約を締結したことを発表した旨。この買収により、Transphorm社の価値は約$339 millionとなる旨。この買収で、ルネサスはパワー半導体の主要な次世代材料であるGaN技術を自社で保有することになり、EV、コンピューティング(データセンター、AI、インフラ)、再生可能エネルギー、産業用電力変換および急速充電器/アダプターなどの急成長市場への参入が拡大する旨。

◇ルネサス、米パワー半導体を買収;EV向け拡大 (1月12日付け 日経)
→ルネサスエレクトロニクスは11日、米パワー半導体大手のトランスフォームを買収すると発表、買収金額は$339 million(約492億円)。2024年後半に買収を完了し完全子会社とする旨。トランスフォームは電力効率が高い次世代の窒化ガリウム(GaN)素材を使ったパワー半導体を手掛ける旨。電気自動車(EV)向け需要を開拓する旨。

◇Renesas to acquire Transphorm adding GaN technology to its power portfolio―Renesas buys GaN power tech specialist Transphorm (1月12日付け New Electronics (UK))
→1.ルネサス エレクトロニクスは、堅牢な窒化ガリウム(GaN)パワー半導体のスペシャリストであるTransphorm社を約$339mで買収すると発表した旨。
 2.ルネサスエレクトロニクスは、Transphorm社を推定$339 millionで買収し、同社のポートフォリオに窒化ガリウム(GaN)パワー技術を追加する旨。ルネサスは、トランスフォーム社の自動車向け専門知識を利用して、電気自動車のパワートレイン向けソリューションを開発する計画。


【OpenAI関連】

ChatGPTで注目のOpenAIが、ニュースコンテンツに対価を支払う動き、そしてもう1つ、マイクロソフトとの提携について、EUが合併規制の調査対象に検討する動きである。

◇OpenAI wants to pay Time, CNN for news content (1月10日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→アルゴリズムを訓練するために何年間もインターネットのコンテンツを自由にスクラップしてきたOpenAIは、現在、主要なニュースやメディア組織とライセンス契約を結ぼうとしている旨。そして今、我々は同社が交渉している出版物の少なくともいくつかを知っている旨。

◇MicrosoftとOpenAIの提携、EUが調査検討;競争巡り (1月10日付け 日経 電子版 10:17)
→欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は9日、米マイクロソフトと米新興オープンAIの提携関係に関し、EUの合併規制の調査対象になるかどうか検討していると発表、資本・業務提携する両社の関係が競争環境に影響を与える可能性を調べる旨。

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