2017年5月29日
|長見晃の海外トピックス
日米半導体摩擦についてのバンクーバー協定をもとに始まった世界半導体会議(WSC:World Semiconductor Counsil)の第1回が1997年の開催で、丸20年が経過するが、当初から謳われた"グローバルな協調と競争"というフレーズが業界の動きを追いながら折に触れ頭に浮かんでくる。半導体販売高では世界の約3分の1を占める中国が、国家政策に掲げてものづくりの半導体業界構築に積極的に取り組んでいるのは周知の通りであるが、随時注目していくなかにFD-SOI、DRAMなどのキーワードから中国市場におけるこのフレーズの意味合いをまたぞろ考えさせられている現時点である。
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2017年5月22日
|長見晃の海外トピックス
人工知能(AI)はじめ高性能computingの広範囲のアプリを積極的に展開している米国Nvidiaに続いて、GoogleおよびMicrosoftの開発者向けイベントが開催され、AI一色と言えるほどのintelligentアプリ開発に向けた製品、サービスが打ち上げられる熱気の高まりを感じさせている。中でもGoogle IO(2017年5月17-19日:Mountain View, CA)では、"mobile-first"から"AI-first"戦略に移行して、すべての製品を見直しているとのこと。自動運転から楽曲作りと、本当にどこまで我々のやること、考えること、はたまたそれ以上をAIが賄っていくのか、変わりゆく世界の流れがあらわれている。
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2017年5月17日
|泉谷渉の視点
「半導体製造装置の世界でとんでもないことが起きている。史上初めてのことであるが、何とエッチャーの売り上げが露光装置を上回った。ひとえに、3D-NANDフラッシュメモリの巨大投資が半導体製造の構造論を変えているのだ」。
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2017年5月15日
|長見晃の海外トピックス
ここ6ヶ月$30 billion/月超え、そして4ヶ月連続前年同月比二桁%増の販売高と非常に活況を呈している半導体業界であるが、AI、IoT、自動運転車、データセンター、AR/VRなどのキーワードがずらっと相次ぐ新分野、そして半導体カテゴリー別ではメモリ製品が大きく引っ張っている。AI関連で絶好調の米国Nvidiaの業績発表およびイベントでのプレゼン打ち上げ、およびIC Insightsによる2017年第一四半期半導体サプライヤ・ランキングにおけるメモリベンダーの急伸ぶりから、現時点の活況の市場模様に触れてみる。
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2017年5月15日
|服部毅のエンジニア論点
NANDフラッシュメモリは東芝で開発された技術であることは疑いの余地がない。東芝だけではなく日本の主要半導体企業ではDRAM全盛だった最中の1980年代に、東芝の舛岡富士夫社員が発明した。しかし、フラッシュメモリは東芝が開発したと胸を張って言えるだろうか。
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2017年5月 8日
|長見晃の海外トピックス
米国Semiconductor Industry Association(SIA)から月次の世界半導体販売高が発表され、この3月について$30.9 billionで、前月比1.6%増、前年同月比18.1%増と高水準が加勢されている。これで単月$30 billion超えが半年連続、前年同月比二桁%増が4ヶ月連続となり、各市場地域揃って前年比二桁増、特に中国は26.7%増と大きな伸びを示している。昨年後半からの大きく戻す基調がこのペースでいつまで続くか、スマートフォンの堅調な伸び、新分野の高まる活況に引き続き期待するところである。
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2017年5月 1日
|長見晃の海外トピックス
半導体メーカー各社の2017年1-3月四半期の業績発表に注目、現下のメモリが引っ張る市況を反映して、Samsung、SK Hynixの非常に好調な数値が見られるとともに、インテル、Texas Instruments(TI)もPC価格の上昇、車載および産業用市場の力強い需要で前年同期を大きく上回る内容となっている。
北米半導体装置メーカーの2017年3月世界billingsも、2001年3月以来の高水準を示しており、今なお記憶に残るあのITバブルを彷彿させるところがある。モバイル機器に加え、IoT、AI、AR/VR、自動運転など豊富なキーワードが躍動する新分野、新市場の地に着いた拡大に期待するものである。
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2017年4月24日
|長見晃の海外トピックス
世界の政治・経済が日々激動に見舞われるなか、エレクトロニクス・半導体市場も大きくはスマートフォンからIoT、AR/VR、AI、自動運転など新分野・新市場の開拓そして展開を迫られる情勢が色濃くなってきている。伝統的な業界の国際半導体技術ロードマップ(ITRS)に続いて、インテル社が同様に20年の積み重ねがあるイベント、Intel Developer Forum(IDF)開催の中止にこのほど踏み切っている。半導体市場の構造そして個々の取り巻く環境の激変に戦略的に対応していく半導体各社の動きが相次いでいる。
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2017年4月17日
|長見晃の海外トピックス
スマートフォンで世界を引っ張るアップル、そして世界の製造から市場に変貌を遂げながら半導体業界の自立化を国家政策に掲げて邁進している中国、とそれぞれに中核部品について他社あるいは技術導入に頼らず半導体設計をすべて自前で行う自己完結を図る動きが目立ってきている。技術、ノウハウの蓄積を必要とする回路、デバイス、プロセスなど多岐にわたる半導体設計であり、それぞれに日進月歩の更新を伴うということで、多分に戦略的な取り組み、要素を孕んだ今後の展開、進み具合に注目するところである。
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2017年4月14日
|泉谷渉の視点
筆者は仕事柄、地方での講演を頼まれることも数多い。最近では九州シリコンアイランドにとどまらず、東北、上越、北陸、関西、四国など多くのエリアで「まるで落語のような講演」を楽しんでいただいているようだ。先ごろは三重県下の中小企業を対象とする講演をさせていただいたが、地元企業の1社は講演後に、次のような質問とも悲鳴ともいうべき発言をされたのだ。
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