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米国政府の半導体メーカー投資、さまざまな反応;Nvidia発表関連注目

インテルへの米国政府の投資について、バイデン前政権のCHIPS法助成を充てる一方、経営への介入の可能性も考えられて、各社でも賛否両論渦巻く様相である。前政権のやり方を停止して、新たなトランプ政権の方向&方式転換があらわされ、米国での半導体製造に向けた支援を受けられそうな各社も、及び腰気味の反応がうかがえている。インテルと政府との取引は、最初の助成が支給された一方、全容は依然調整中とされている。続く各社との動きおよび決着の具合に注目するところである。もう1つ、Nvidiaの直近四半期業績が発表され、AI需要による圧倒的に好調な内容ながら、先行きにはいろいろな受け取りである。新技術&新製品の発表にも、大いに注目である。

≪またも、インテルそしてNvidiaへの注目≫

インテルがまず対象となったが、米国政府、トランプ政権の半導体メーカーへの投資についての受け取り、考え方が以下の通り論議を呼んでいる。

◇US to take 10% equity stake in Intel, in Trump's latest corporate move (8月22日付け Reuters)
→*トランプ大統領のアメリカ企業への介入は懸念を呼ぶ
 *インテルの$10 billionの株式はCHIPS法の補助金に関連している

◇Corporate America’s Newest Activist Investor: Donald Trump (8月23日付け The New York Times)
→トランプ大統領は、米国企業への政府による出資と歳入の削減を要求している。専門家は、これは世界の他の地域における国家管理型資本主義との類似点があると見ている。

◇Two Ways of Looking at the U.S. Government’s 10% Stake in Intel (8月25日付け EE Times)
→1)*経営難に陥った半導体メーカーへの米国政府の驚くべき介入は、企業再生の真逆と言える。
  *2008年の米国自動車メーカー救済に続き、今度は米国政府がより広範な「米国第一主義」製造業構想の一環としてインテルに直接投資する。しかし、今回は地政学的な逆風を背景に、この戦略的投資が強引な性格を帯びていること、そして国家安全保障上の配慮が背景にあるという認識が広がっている点がこれまでと異なる。
 2)米国政府によるインテル株式10%の保有は、CHIPS法に基づく資金提供と関連しており、国家安全保障と経済戦略を浮き彫りにしている。支持派は米国唯一の先端半導体工場の安全確保を強調する一方、批判派は地政学的緊張が高まる中で国有化が進むことを警告している。

トランプ政権で本件をリードしているお一人とみられるKevin Hassett氏による以下あらわし方である。

◇U.S. Could Take Stakes in More Companies, Hassett Says―Hassett: More corporate stakes possible after Intel deal (8月25日付け The Wall Street Journal)
→ホワイトハウスの経済顧問、Kevin Hassett氏は、米国がインテルへの投資に続き、他の企業にも株式を取得する可能性があると述べ、この動きをドナルド・トランプ大統領の政府系ファンド構想の一環と位置付けた。ハセット氏は、約$9 billionのCHIPS法補助金が絡むインテルとの取引は「特別な状況」であり、政府が支配権を握るつもりはないと強調した。トランプ大統領はこの合意を将来の取引のモデルとして強調した一方、ハセット氏は、このような株式取得によって納税者が連邦政府の支援に対する見返りを確実に得られると主張した。

◇Trump signals Intel deal could be one of 'many more cases' as White House explores broader investment push (8月25日付け Yahoo)
→トランプ大統領とそのチームは月曜25日、先週のインテルの株式取得合意は、政府による新たな取引の波の始まりに過ぎないかもしれないという複数のシグナルを発した。
 月曜25日の朝、大統領執務室で演説したトランプ大統領は、インテルのような事例を「もっと多く」見たいと述べ、インテルCEOへの最近の売り込み文句として、もし合意に同意すれば「米国はパートナーとなる」と訴えたと述べた。

◇Government will take stakes in more companies, top Trump adviser says (8月25日付け Axios)
→米国政府は、インテルと同様に、sovereign wealth fundの構築を目指し、より多くの企業の株式を取得する可能性が高いと、国家経済会議(NEC)のKevin Hassett委員長は月曜25日に述べた。
 なぜ重要なのか:これは、米国政府と民間部門の関係における新たなパラダイムであり、政権がどの程度の権限を行使するつもりなのかという新たな疑問を提起する。

◇Trump says government will make deals like Intel stake ‘all day long’ (8月25日付け CNBC)
→1)*ホワイトハウスの経済顧問、Kevin Hassett氏は月曜25日、政府によるインテル株の取得は、より多くの企業を組み込む可能性のある政府系ファンドの設立に向けた、より広範な戦略の一環だと述べた。
  *「この業界でなくても、他の業界でも、いずれ取引が増えると確信している」と、同氏はCNBCのインタビューで語った。
 2)ホワイトハウスの経済顧問、Kevin Hassett氏は月曜25日、政府によるインテル株の取得は、より多くの企業を組み込む可能性のある政府系ファンドの設立に向けた、より広範な戦略の一環だと述べた。
  「この業界でなくても、他の業界でも、いずれ取引が増えると確信している」と、同氏はCNBCのインタビューで語った。

◇トランプ政権、防衛大手への出資「検討」 強まる企業経営への介入 (8月29日付け 日経 電子版 04:41)
→トランプ米政権が企業経営への介入を一段と強めようとしている。米国防総省がロッキード・マーチンなど米防衛産業大手への出資を検討していることが明らかになった。米半導体大手のインテルやレアアース関連企業への出資も決めており、戦時下や経済危機などの有事に限定していた民間経営への介入が平時にも広がり始めた。

インテルにより焦点を合わせると、以下の現下の進み具合である。

◇Art of the Deal: How Trump is capturing the private sector―White House touts strategy after taking 10% Intel stake (8月22日付け Politico)
→1)関税の特例措置から法律事務所によるプロボノ(pro bono:各分野の専門家が、職業上持っている知識やスキルを無償提供して社会貢献するボランティア活動全般。 または、それに参加する専門家自身)の法的支援まで、トランプ大統領はBernie Sanders氏の野望さえも凌駕する形で企業に対する権力を行使している。
 2)米国政府はインテルの株式10%を取得し、民間産業への連邦政府の関与を大幅に拡大した。ドナルド・トランプ大統領は「国のためにこのような取引をいつでも行う」と述べ、民間部門への介入に大統領が寛容である姿勢を改めて示した。この$8.9 billionの投資は、政府が企業運営に直接介入することなく、国内の半導体生産を確保することを目的としている。国家経済会議のKevin Hassett委員長は、今回の動きは将来の取引のモデルであり、政府系ファンド設立に向けたより広範な戦略の一環となる可能性があると述べた。

◇米「国策」のインテル出資 1.3兆円、半導体国産維持へ 技術不足解消、見通せず (8月24日付け 日経)
→トランプ米政権が国策として米インテルの経営に関与し始めた。米国内で半導体の製造能力を維持するため、22日にインテルに約$8.9 billion(約1兆3000億円)を出資すると発表した。競合に比べ技術不足という肝心の課題は解決せず、かつての米半導体盟主の復権に向けた道筋は描けていない。
 「インテルはかつて最も大きく強力な半導体企業だった。今は取り残されている」。トランプ米大統領は22日、米ホワイトハウスでインテルへの出資を表明した際、同社の過去数年間の経営を批判した。米政府頼みとなったインテルの苦境を印象づけた。

インテル側での様々な反応である。

◇Intel says Trump deal has risks for shareholders, international sales (8月25日付け CNBC)
→1)*インテルは、トランプ政権による同社株式10%取得に対し、投資家、従業員、その他関係者から「否定的な反応」が出る可能性があると警告した。
  *SECへの提出書類によると、主な懸念事項は海外売上で、インテルの前年度売上高の76%は米国外からのものだという。
  *ドナルド・トランプ大統領は、この動きを「アメリカにとって素晴らしい取引」と呼び、先進的な半導体の開発は「我が国の未来にとって不可欠だ」と述べた。
 2)インテルは、特に海外売上への依存度が高いことを踏まえると、米国政府による10%の株式取得は投資家、従業員、そして顧客からの反発を招く可能性があると警告した。SECへの提出書類では、CHIPS法による資金援助にもかかわらず、ガバナンス上の制約、政治リスク、そして株主の希薄化が懸念されていると指摘されている。

米国政府との具体的なやりとり、および今後の対応があらわされている。

◇Intel gets $5.7 billion from Trump deal as White House says details are ‘being ironed out’―Intel has received $5.7B from US in deal to retain chip fabs (8月28日付け CNBC)
→1)*インテルの最高財務責任者(CFO)David Zinser氏は、同社が米国政府から$5.7 billionを受け取ったと述べた。
  *この投資は、経営難に陥っているインテルの株式10%を取得するという米国政府の先週金曜22日の決定の一環である。
  *ホワイトハウス報道官のKaroline Leavitt氏は、インテルとの取引は依然として「商務省によって調整中」であると述べた。
   2)インテルは、米国政府に10%の株式を付与する契約の一環として、$5.7 billionを受け取ったことを確認した。この投資は、同社の半導体製造事業の売却を阻止する狙いがある。商務省が最終調整中のこの契約には、CHIPS and Science Actに基づく$8.9 billionの補助金が株式に転換されることが含まれている。インテルの最高財務責任者(CFO)であるDavid Zinsner氏は、ファウンドリー事業への外部投資を検討する可能性を示唆している。
   3)インテルのCFOデビッド・ジンザー氏は、ホワイトハウスが計画している株式10%取得の一環として、同社が米国政府から$5.7 billionを受け取ったことを確認した。ジンザー氏は、インテルのファウンドリー部門への外部からの投資の可能性を示唆する一方で、投資家や政界からの反発の可能性にも警鐘を鳴らした。

◇Intel confirms it has already received $5.7 billion from US government, CFO claims the deal was to halt the sale of its chip fabs―The $5.7 billion investment will see the US government take a 10% stake in Intel, with the Commerce Department said to be ironing out the details. (8月29日付け Tom's Hardware)
→CNBCによると、インテルのCFOは、同社がトランプ政権から$5.7 billionを受け取ったことを確認した。これは、米国政府が同社の株式10%を取得する取引の一環である。この動きは極めて前例がなく、一部の共和党議員はこれを社会主義、あるいは共産主義に例えるが、インテルは、これは半導体製造事業の売却を阻止するための措置の一環だと主張している。

次に、アリゾナ州で工場建設を進めている台湾・TSMCについて、関連する内容を以下取り出している。本拠地の台湾、そしてこれからの米国、と複雑な様相がうかがえている。

◇Building an economy beyond chips (8月23日付け Taipei Times)
→台湾の半導体における優位性は、世界のテクノロジー産業を牽引する一方で、戦略的な脆弱性も露呈させている。台湾の将来を確かなものにするためには、バイオテクノロジー、グリーンエネルギー、AI、サイバーセキュリティ、そして文化輸出といった分野への多角化を進め、既存の強みを活かしつつ、取り組みの規模拡大、連携、そしてグローバル化を進めていく必要がある。

◇Downsides to US equity in TSMC (8月24日付け Taipei Times)
→CHIPS法に基づきTSMCの株式を取得するという米国の提案は、この半導体大手の経営の自主性と企業秘密を脅かすものである。TSMCは、米国への投資を現地子会社に限定し、技術と戦略を守ることで、グローバル事業の保護を図る計画である。

◇Companies would rather give up Chips Act grants than give equity to the US government―Companies balk at CHIPS Act grants tied to equity (8月25日付け Electronics Weekly (UK))
→1)企業は、インテルに倣い、資金援助と引き換えに米国政府に株式を供与するよう求められた場合、米国半導体法に基づく補助金を放棄する意向を示している。
 2)企業は、インテルのように米国政府に株式を供与するのではなく、半導体法に基づく補助金の放棄を検討している。Electronics Weekly誌の報道によると、TSMCの幹部は、政府が株式取得を強行した場合、同社は半導体法に基づく$6.6 billionの補助金を放棄する意向を示している。

2nmプロセス工場から中国製半導体製造装置を排除する対応である。

◇[News] TSMC Reportedly Eliminates Chinese Equipment Use in 2nm Production as U.S. Rules Loom (8月25日付け TrendForce)
→日経新聞によると、TSMCは米国の資金援助制限を回避するため、2nmプロセス工場から中国製半導体製造装置を撤去する。これは、中国製装置を使用する企業への補助金を禁止する米国の法案が提出されたことを受けた措置であり、TSMCはサプライチェーンへの依存度をより広範に見直している。

◇TSMC「2ナノ」半導体、中国の製造装置を排除 米規制強化にらみ (8月25日付け 日経 電子版 15:00)
→TSMCが世界最先端の半導体の生産で中国メーカーの製造装置を排除することが分かった。対象は2025年内に量産を始める回路線幅2ナノメートルの半導体の生産ライン。米国で中国の装置に対する規制が強まることを見越し、生産に支障が出るリスクを回避する。
 Nikkei Asiaの取材に対し複数の関係者が明らかにした。

◇[News] TSMC Reportedly Fast-Tracks U.S. Packaging Plants for 2H26 Construction, 2028 Production (8月26日付け TrendForce)
→TSMCは、ワシントンD.C.のインテル株保有をめぐる監視にもかかわらず、米国での事業拡大を進めており、アリゾナ州に2つの先端パッケージング工場を準備している。AP1はSoICとCoWに、AP2はCoPoSに特化し、AI、HPC、そしてApple、AMD、およびNVIDIAといった大手顧客にサービスを提供する。

◇IFTLE 638: TSMC Advanced Packaging Coming to AZ; Intel Stops Internal Glass Core Substrate Funding (8月27日付け 3DInCites)
→TSMCはアリゾナ州のファブ拡張を加速させ、米国第3工場にN2およびA16プロセス技術を導入するとともに、先進的なパッケージング施設も建設する計画だ。インテルはCPUsとコア製造に注力するため、ガラス基板の自社開発を中止し、サプライヤーへのアウトソーシングに移行している。

◇TSMC to break ground on advanced fab in October (8月29日付け Taipei Times)
→TSMCは10月にCentral Taiwan Science Parkに1.4ナノメートルチップ工場の建設を開始し、2028年の量産開始を目指す。サプライチェーンに30億台湾ドル相当の機会をもたらすこのプロジェトは、TSMCがサムスンに対する優位性を強化することを目的としている。

次に、目を転じて、Nvidiaであるが、米国政府の出資については、次の通り同社には不要と米財務長官のコメントである。

◇US not eyeing stake in Nvidia, Treasury Secretary Bessent says (8月28日付け Taipei Times)
→Scott Bessent米財務長官は、エヌビディアへの政府出資については支援は不要だとして否定したが、造船業など他の産業への出資は検討対象になる可能性を示唆した。ベセント長官の発言は、トランプ大統領が米国の重要企業への戦略的投資を推進していることを受けてのものだ。

Nvidiaの発表関連、まずは新技術&新製品にいろいろ大きな注目。以下の通り逐次の取り出しである。中国へのAI半導体輸出については、米国政府との仕掛りがある一方、中国も積極的な対抗&巻き返しの動きが見られる現時点である。

◇Nvidia envisions 'one gigantic GPU' by linking data centers (8月22日付け Fierce Electronics)
→NVIDIAは再び大きな構想を描いている。今回のビジョンは、より強力なGPUをより強力なラックに搭載し、より強力なデータセンターに導入するというものではなく、NVIDIAが開発してきた接続性とネットワーク技術を活用し、複数のデータセンターのコンピューティングパワーを結集して「1つの巨大なGPU」を構築するというものだ、とNVIDIAのアクセラレーテッドコンピューティング担当ディレクター、Dave Salvator氏は述べている。
 8月24日から26日までカリフォルニア州パロアルトで開催されるHot Chips 2025に出席する人は、このビジョンについて多くのことを耳にすることになるだろう。サルバトール氏は、このビジョンを従来のスケールアップやスケールアウトの概念とは区別し、分散AIコンピューティングにおける「scale across」戦略と表現した。

◇Nvidia in talks with U.S. to sell a more advanced chip to China, Jensen Huang says (8月22日付け CNBC)
→1)*エヌビディアは、中国向けにH20よりも高性能な「B30A」と呼ばれる新型チップを開発中であると報じられている。
  *同社CEOのジェンスン・フアン氏は、中国への新製品提供について米国政府と「協議」中だと述べた。
  *米国政府がH20の中国への輸出を承認したにもかかわらず、エヌビディアは中国で問題を抱えている。
 2)エヌビディアは、H20チップへの規制を受け、より高性能な新型AIチップ「B30A」の中国への出荷について米国政府と交渉中だ。中国当局がセキュリティ問題を懸念する中、緊張が高まり、エヌビディアの市場参入が困難になっている。

◇Nvidia looking to halt H20 chip production after China cracks down on purchases, reports say (8月22日付け CNBC)
→1)*エヌビディアは、アムコー・テクノロジーとサムスン電子に対し、H20関連の生産停止を要請したと、The Informationが報じた。
  *ロイター通信は別の報道で、エヌビディアがフォックスコンに対し、H20関連の作業停止を要請したと報じている。
  *この指示は、中国政府が安全保障上の懸念を理由に、国内テクノロジー企業に対し同チップの購入を停止するよう指示したと報じられてから数週間後に出された。
 2)エヌビディアは、中国の国家安全保障上の懸念を受け、アムコー、サムスン、およびフォックスコンなどのサプライヤーに対し、中国向けH20チップの生産停止を要請した。この動きは、年間$20 billion規模の売上高を脅かし、AIチップ規制が続く米中貿易を複雑化させる。

◇Nvidia’s Huang visits TSMC ahead of new AI chips (8月23日付け Taipei Times)
→NVIDIAのCEO、ジェンスン・フアン氏は、CPUs、GPUs、およびネットワークプロセッサを含むRubinベースのAIチップの量産拡大に際し、TSMCを訪問した。TSMCの3ナノメートル技術を採用したこれらの革新的なチップは、NVIDIAの台湾サプライチェーンとの深いつながりを浮き彫りにしている。

◇「富岳」後継、日米連合で エヌビディアとGPU開発 AI時代、半導体が左右 (8月23日付け 日経)
→国の基幹スーパーコンピューター「富岳」の後継機の開発体制が整った。理化学研究所は22日、米半導体大手エヌビディアが参加すると発表した。両者はAI向けの演算装置を共同開発して後継機に搭載する。AI時代の次世代スパコンの性能は計算を担う半導体の能力が左右する。参加を表明済みの富士通とともに後継機の性能を富岳の最大100倍程度に向上させ、世界最高水準を狙う。

◇Nvidia outlines plans for using light for communication between AI GPUs by 2026 - silicon photonics and co-packaged optics may become mandatory for next-gen AI data centers―Nvidia wants to unite data centers as "one gigantic GPU"―Nvidia's CPO enables faster connections at lower power.
(8月24日付け Tom's Hardware)
→NVIDIAは、アップデートされたSpectrum-X Ethernetプラットフォームを用いて複数のデータセンターを接続することで、「1つの巨大GPU」を開発するというビジョンを発表した。この「scale across」戦略は、分散型AIコンピューティングパワーを活用する。光インターコネクトをスイッチASICsに直接統合することで、NVIDIAのロードマップは、TSMCのCompact Universal Photonic Engineと密接に連携し、プラグ型モジュールから組み込み型シリコンフォトニクスエンジンへと移行し、電力効率、信号整合性、そしてスケーラビリティを向上させる。CoreWeaveはこの技術をいち早く導入し、ギガスケールAIインフラの提供を目指している。

◇Nvidia touts Jetson Thor kit for real-time robot reasoning―Nvidia launches Jetson Thor modules for advanced robotics―GPU modules for AI and robotics take aim at latency (8月25日付け The Register (UK))
→Nvidiaは、ロボット工学を強化するために設計されたモジュールシリーズ「Jetson Thor」を発表した。これは、従来バージョンよりも高い演算能力とメモリを搭載し、センサーデータを低レイテンシで処理できるように設計されている。Blackwellグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)を搭載したAGX Thorは、前世代のJetson Orinと比較して、AI演算能力が7.5倍、エネルギー効率が3.5倍向上している。
 Infineon TechnologiesもNvidiaと提携し、マイクロコントローラー(MCUs)、センサーおよびスマートアクチュエーターに関する専門知識を活かし、効率的なモーター制御を実現している。

◇Nvidia's AGX Thor ready to help robot brains digest sensor data (8月25日付け Fierce Electronics)
→センサーデータはロボットにとって脳の栄養源のようなもので、ロボットがより複雑かつ高度になり、より多くのセンサーからより多くのデータストリームを取り込む能力が備わってくるにつれて、そのすべてのデータを処理するために、より強力なAI脳が必要になる。
 NVIDIAのJetson Orinの後継であり、最新のBlackwell GPUをベースに構築されたAGX Thorエッジコンピューティングモジュールは、この課題に挑んでいる。

◇Nvidia’s new ‘robot brain’ goes on sale for $3,499 as company targets robotics for growth (8月25日付け CNBC)
→1)*エヌビディアは月曜25日、最新のロボット用チップモジュール「Jetson AGX Thor」の開発キットを3,499ドルで販売開始したと発表した。
  *同社はこのチップを「robot brain」と呼んでいる。エヌビディアは先週、最初のキットは来月出荷予定で、このチップによって顧客はロボットを開発できるようになると発表している。
  *エヌビディアのCEO、ジェンスン・フアン氏は、ロボット工学はAI分野以外で同社にとって最大の成長機会だと述べている。
 2)エヌビディアは、Jetson AGX Thorロボット用チップ開発キットを3,499ドルで発表し、来月出荷開始予定だ。Blackwellをベースとしたこの「ロボット・ブレイン」は、生成型AIモデルを実行し、ヒューマノイドロボットや自動運転車の開発を可能にする。エヌビディアは、ロボット工学を次の大きな成長機会と位置付けている。
 3)Nvidiaは、ヒューマノイドロボットや自律動作マシンを開発するための「ロボット脳」と称する3,499ドルのJetson AGX Thor開発キットを発表した。来月発売予定のBlackwellベースのこのチップは、生成型AIモデルを実行し、従来バージョンと比較して7.5倍の高速性能を実現する。

◇NVIDIA、ロボット向け新型半導体 AI処理性能7.5倍に (8月26日付け 日経 電子版 05:59)
→米エヌビディアは25日、ロボット開発向けAI半導体「ジェットソンAGXソー」の販売を始めたと発表した。前モデルに比べAIの処理性能を7.5倍に高めた。価格は3499ドル(約52万円)から。成長戦略の中核として掲げるロボット分野を拡大する。
 新製品はエヌビディアの先端AI半導体「ブラックウェル」の設計に基づき開発した。エネルギー効率は3.5倍に向上する。

「新たな産業革命」の真っ只中にいると説くNvidiaのジェンスン・フアンCEOである。

◇Nvidia CEO Says More Advanced AI Models Will Keep Chip, Data Center Growth Going―Nvidia CEO: AI infrastructure spending could hit $3T-$4T by 2030―AI models are doing a lot more thinking, keeping developers thirsty for computing power. (8月27日付け CNET)
→AIバブル?何のAIバブル?NVIDIAのCEO、ジェンスン・フアン氏に言わせれば、私たちは「新たな産業革命」の真っ只中にいるという。フアン氏の会社は、言うまでもなく、AIゴールドラッシュにおける「つるはしとシャベル」とも言えるチップとコンピューターハードウェアを製造しており、バブルであろうとなかろうと、AIの成長を捉えることで世界最大の企業へと成長した。水曜27日の決算発表で、フアン氏は、同社の直近四半期の売上高が$46.7 billionに達したと発表し、生成型人工知能(GAI)業界の驚異的な成長が鈍化する兆候はないと示唆した。

◇Nvidia CEO Huang says bringing Blackwell AI chip to China ‘is a real possibility’ (8月27日付け CNBC)
→1)*NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、同社が先進的なブラックウェル・プロセッサを中国に持ち込む「現実的な可能性」があると述べ、米国政府に対し、米国のチップメーカーのアクセス開放を強く求めた。
  *「AI競争をリードし、勝利するためには、米国のテクノロジー企業の重要性を訴え続け、米国の技術スタックを世界標準にすることに貢献していく必要がある」と、同CEOは述べた。
  *この発言は、エヌビディアが水曜日27に第2四半期の売上高が前年同期比56%増の$54 billionに達したと発表した後のことであった。ただし、同四半期にはH20チップを1つも中国に販売していなかった。
 2)エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、同社の先進的なブラックウェル・プロセッサを中国に持ち込むことは「現実的な可能性」があると述べ、米国当局に対し輸出を許可するよう促した。同CEOは、ライセンスや規制に関する不確実性が続いているにもかかわらず、中国のAI市場は来年50%成長すると予測している。

◇NVIDIA’s Cutting-Edge Rubin AI Chips Could Roll Out From TSMC By Year-End, As Jensen Sets a Pace No Rival Can Match―Reports: Nvidia might release Rubin chips this year (8月29日付け Wccftech)
→報道によると、NVIDIAのRubinアーキテクチャを搭載したチップは、Blackwell Ultra GB300の発売からわずか6か月後の第4四半期にも、TSMCで完全機能型チップが生産される可能性があるという。RubinはTSMCのN3Pプロセス、CoWoS-L実装およびチップレットベースの設計を採用し、NVIDIAはすでにTSMCで6個のRubinチップをテープアウト済みだと、CEOのジェンスン・フアン氏は述べている。

米国時間水曜27日に、Nvidiaの5−7月四半期決算が発表され、前後の大きな注目の反応&動き、以下の通りである。

◇28日 エヌビディア、5〜7月決算発表 対中輸出再開、見通しは(NewsForecast) (8月24日付け 日経)
→米半導体大手エヌビディアは27日(日本時間28日)、2025年5〜7月期の決算を発表する。ジェンスン・ファンCEOが説明会に出席し、トランプ米政権の規制によって出荷停止していた中国向けのAI半導体について説明する見通しだ。中国事業の先行き懸念を払拭できるかに注目が集まる。

◇Nvidia earnings set to test Wall Street’s faith in AI boom―Nvidia earnings to test Wall Street's AI faith (8月26日付け Financial Times)
→エヌビディアの時価総額は$4 trillion(4兆ドル)に達し、株価は今年30%急騰しており、同社の決算報告はウォール街のAIに対する楽観的な見方を示す指標となっている。アナリストは売上高を$46 billionと予想しており、前年比53%増となるものの、昨年のピークからは減速する見込みだ。
 投資家は、競合他社と比較した成長率、中国での販売リスク、そしてAI関連の高水準な時価総額が維持できるかどうかに注目している。

◇NVIDIA決算、日本株高波及にハードル 高すぎる期待で鈍る「神通力」 (8月27日付け 日経 電子版 02:00)
→投資家が米東部時間27日午後(日本時間28日早朝)の米半導体大手、エヌビディア決算発表に身構えている。米国株相場のみならず、日本株を含む世界のAI相場に影響を及ぼしかねないからだ。5割増収の好決算が予想されているものの、市場の期待値が高いだけに、素直に株高反応になるとは限らない。中国向け輸出を巡る経営トップの発言にも注目が集まる。

◇Nvidia has $46.7bn Q2 forecasts $54bn Q3―Nvidia posts record $46.7B revenue in Q2 (8月28日付け Electronics Weekly (UK))
→1)7月末までの四半期で、NVIDIAの売上高は$46.7 billionで、前年同期比56%増と、過去2年間で最も低い前年比増加率となった。
 2)NVIDIAは、2026年度第2四半期の売上高が$46.7 billionとなり、過去最高を記録したと発表した。これは、全製品カテゴリー、特にAI GPUの好調な販売が牽引役となり、売上高全体の88%を占めた。しかし、中国からの売上高は四半期ベースで50%、年間ベースで25%減少し、$2.8 billionとなった。同社は、中国市場の逆風にもかかわらず、第3四半期の売上高を$54 billion、粗利益率を73.3%と予測している。

◇Nvidia posts $46 billion revenue in another record quarter - Data center and gaming GPU sales break records―More Blackwells, more money. (8月28日付け Tom's Hardware)
→エヌビディアは水曜27日に2026年度第2四半期の決算を発表し、売上高は過去最高の$46.743 billionに達した。同社は第2四半期、全製品カテゴリーにおいて前期比および前年同期比で売上高を着実に伸ばした。売上高の約88%をAI向けGPUsが占め、AIハードウェア分野における同社の優位性を改めて証明した。しかし、エヌビディアの投資家にとって最も喜ばしいのは、おそらく第3四半期の見通しだろう。

◇NVIDIA、5〜7月最高益更新 米AI特需も中国市場になお不安 (8月28日付け 日経 電子版 07:12)
→米半導体大手エヌビディアが27日発表した2025年5〜7月期決算は、売上高が前年同期比56%増の$46.743 billion(約6兆8900億円)、純利益は59%増の$26.422 billionだった。ともに市場予想を上回り四半期ベースで過去最高を更新した。最大市場の米国でAIの開発に必要な半導体投資の特需が続いている。米輸出規制による中国市場の先行き不安もくすぶる。...

◇1強NVIDIA、好決算も拭えぬ中国リスク CEO「米政府と協議」 (8月28日付け 日経 電子版 11:44)
→米半導体大手エヌビディアの1強状態が鮮明になっている。27日発表した2025年5〜7月期決算は過去最高益を更新した。高性能のAI半導体を相次ぎ投入し、世界の顧客を囲い込んでいる。課題は米政府が輸出を制限した中国市場で、同社は懸念払拭に動いている。

◇Nvidia beats on top and bottom lines as company expects breakneck AI spend to continue (8月28日付け CNBC)
→1)*NVIDIAは、四半期決算で利益と売上高が予想を上回り、当期の業績見通しも市場予想を上回った。
  *株価は時間外取引で下落したものの、木曜28日には下げ幅を縮小した。
  *NVIDIAは、この四半期に中国拠点の顧客へのH20プロセッサの販売はなかったものの、中国国外の顧客への$180 million相当の在庫処分による利益があったと発表した。
 2)NVIDIAは、データセンターの牽引により売上高が56%増加し、予想を上回り、第3四半期の売上高は$54 billionを超えると予測している。成長の鈍化とH20チップの売上低迷にもかかわらず、AI需要の堅調さ、Blackwellの採用、そして大規模なインフラ投資が、引き続き業績の勢いを支えている。

◇Nvidia’s top two mystery customers made up 39% of the chipmaker’s Q2 revenue (8月28日付け CNBC)
→1)*エヌビディアは水曜27日に提出した財務報告書で、7月四半期の売上高の39%を顧客2社が占めたと明らかにし、顧客基盤の集中化に対する懸念が高まっている。
  *証券取引委員会(SEC)に提出された同社の第2四半期報告書によると、「顧客A」は総売上高の23%、「顧客B」は総売上高の16%を占めている。
  *エヌビディアは水曜日、同社のAIシステムに対する需要は、クラウドプロバイダーだけでなく、AI、「ネオクラウド」、そして外国政府向けにシステムを購入する企業からも依然として高いと述べた。
 2)エヌビディアは、同定されない顧客2社が7月四半期の売上高の39%を占めたと発表し、依存への懸念が高まっている。アナリストは成長がクラウドプロバイダーの支出に左右されると警告する一方、エヌビディアは、企業、政府、そして「ネオクラウド」からの需要が多様化した見通しを支えていると主張している。

◇Trump, Nvidia talks to allow Blackwell chip sales in China will take time, CEO says―Nvidia CEO confirms talks on Blackwell chip sales to China (8月29日付け South China Morning Post (Hong Kong)/Reuters)
→1)トランプ大統領が中国への販売額の15%を要求した場合、同意するかとの質問に対し、ジェンスン・フアンCEOは、その考えに前向きな姿勢を示した。
 2)NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、ブラックウェル・チップの低性能版を中国に販売することについてホワイトハウスとの協議を開始したが、解決には時間がかかると述べた。ドナルド・トランプ大統領はこの考えを支持しており、中国に販売されるチップは標準版よりも性能が30%から50%劣ることになるだろうと示唆している。

◇NVIDIA株3%安 AI半導体、アリババや中国新興の代替加速で (8月30日付け 日経 電子版 07:09)
→米半導体大手エヌビディアの株価が29日、米株式市場で前日終値に比べ約3%下落した。中国ネット通販大手のアリババ集団がAI半導体を開発したと伝わり、成長鈍化リスクへの懸念が広がった。米輸出規制で先端品を投入できない中国市場で競合が代替品を開発する動きが加速している。

Nvidiaについては、中国リスクが取り沙汰されているが、米国政府の動きとともに当面目が離せないところである。先行きの不安定性が方々伴っており、できるだけ小刻みなアップデートを要している。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□8月24日(日)

トランプ大統領の圧力を受ける中のFRBの利下げ対応に集まる注目である。

◇Fed’s Jackson Hole Exposes Hard Road Ahead for Central Bankers―Jackson Hole symposium underscores Fed's policy challenges (Bloomberg)
→連邦準備制度理事会(FRB)の年次ジャクソンホールシンポジウムで、Jerome Powell議長は、政策当局者間の意見の相違を認めつつも、9月の利下げの可能性を示唆した。先物市場では0.25ポイントの利下げの可能性が75%と見込まれているが、パウエル議長は今後の雇用統計とインフレ指標が利下げの判断の指針になると強調した。また、インフレと雇用を中心とする新たな政策枠組みの概要を示し、ドナルド・トランプ大統領からの政治的圧力の中でFRBの独立性の重要性を強調した。

□8月26日(火)

高値警戒でスタート、Nvidiaの業績発表もあって、最高値更新の場面もあったが、AI先行き懸念から下げて締めとなった今週の米国株式市場である。

◇NYダウ349ドル安、高値警戒感強く NVIDIA決算前に取引慎重 (日経 電子版 06:29)
→25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比349ドル27セント(0.76%)安の4万5282ドル47セントで終えた。FRBの利下げ観測を背景に先週末に最高値を更新した後で、主力株に利益確定の売りが出た。エヌビディアの決算発表を27日に控えて様子見の投資家も多かった。

□8月27日(水)

◇NYダウ反発135ドル高、経済指標が支え FRB理事解任騒動で上値重く (日経 電子版 05:57)
→26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比135ドル60セント(0.29%)高の4万5418ドル07セントで終えた。同日発表の米経済指標が景気の底堅さを示したとの受け止めから、主力株の一角に買いが入った。半面、米連邦準備理事会(FRB)の独立性に対する懸念は相場の重荷となり、ダウ平均は下げる場面があった。

□8月28日(木)

◇NYダウ続伸、147ドル高 NVIDIA決算前で様子見も (日経 電子版 05:46)
→27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比147ドル16セント(0.32%)高の4万5565ドル23セントで終えた。早期の米利下げ観測が意識されるなか、相場全体に比べて出遅れ感のある相対的に割安な銘柄などが買われた。通常取引終了後にエヌビディアが発表する四半期決算を見極めたい参加者が多く、方向感には乏しかった。

□8月29日(金)

◇NYダウとS&P500が続伸、そろって最高値更新 NVIDIAは1%安 (日経 電子版 06:00)
→28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比71ドル67セント(0.15%)高の4万5636ドル90セントで終えた。22日に付けた最高値を更新した。同日発表の米経済指標が市場予想を上回り、投資家心理の支えとなった。
 エヌビディアは0.7%下落した。前日夕に発表した5〜7月期決算では売上高が前年同期比56%増の$46.743 billionと、市場予想以上に伸びた。AI向け半導体の販売が引き続き成長を支えた。8〜10月期の収益見通しも市場予想を上回った一方、中国向け製品「H20」の出荷分は含めなかった。中国事業の不透明感に加え、利益確定目的の売りが出た。

EUの対米関税、そして我が国とインド、特に半導体関連。ともに今後の動き&対応が問われていく。

◇EU、対米関税撤廃へ手続き開始 米自動車関税下げの条件満たす (日経 電子版 07:24)
→欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は28日、米国産の工業製品に課す関税を撤廃する案を加盟国に正式に提案した。EUと米国が21日に公表した共同声明では、EU側が米国向け関税の撤廃などを実行段階に移すことが、米国による自動車関税引き下げの条件とされた。EU側がこの条件を満たしたことで、米国が実際に自動車関税の引き下げに応じるかが焦点になる。

◇日本・インド、半導体供給網で中国依存減 首脳会談で安保宣言改定 (日経 電子版 21:23)
→石破茂首相は29日、首相官邸でインドのモディ首相とおよそ1時間半会談した。重要物資を確保する枠組み「日印経済安全保障イニシアチブ」を立ち上げた。中国に依存しない半導体のサプライチェーンの構築をめざす。

□8月30日(土)

◇NYダウ反落、92ドル安 AI需要の減少不安が重荷 (日経 電子版 06:56)
→29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落し、前日比92ドル02セント(0.20%)安の4万5544ドル88セントで終えた。AI需要を巡る先行きの不透明感が浮上し、ハイテク株を中心に売りが出た。半面、FRBが9月に利下げをするとの見方は根強く、相場の下値は限られた。


≪市場実態PickUp≫

【米韓首脳会談での半導体関連】

韓国における半導体の重みが改めてうかがえる以下の対応&動きである。

◇Korean biz leaders head to US for Lee-Trump summit―South Korea sends business leaders to Washington for Lee-Trump summit (8月24日付け The Korea Times (Seoul)/Yonhap News Agency)
→韓国の大手財閥のトップらは日曜24日、Lee Jae Myung大統領とドナルド・トランプ米大統領の首脳会談に出席する経済代表団に加わるため、米国に向けて出発した。
 正午ごろ、SKグループのChey Tae-won会長、LGグループのKoo Kwang-mo会長、およびHanwha GroupのKim Dong-kwan副会長が大統領経済代表団の一員として米国に向けて出発した。

◇サムスンなど4大財閥トップ同行 韓国大統領、トランプ氏と初会談へ (8月25日付け 日経 電子版 15:00)
→韓国の李在明大統領は米東部時間25日午後(日本時間26日未明)、就任後初となるトランプ米大統領との会談に臨む。貿易問題を巡り、韓国の4大財閥のトップも同行し、対米投資の拡大などを強調する見通しだ。

◇韓国産業界、米国へ総額22兆円投資を表明 ボーイング100機購入 (8月26日付け 日経 電子版 11:11)
→韓国政府は米東部時間25日午後(日本時間26日未明)、李在明大統領とトランプ米大統領の会談後に米ワシントンで産業界の会合を開いた。韓国産業界は第2次トランプ政権下で韓国企業からの対米投資が総額$150 billion(約22兆2000億円)にのぼると発表した。
 韓国経済人協会の柳津会長が会合で、各企業から集計した米国への投資総額の見通しを表明した。

ここでも、NvidiaのフアンCEOが加わっている。

◇Nvidia's Huang meets Samsung, SK leaders at US summit as HBM battle escalates―Nvidia, Samsung, SK Hynix discuss HBM at US summit (8月27日付け DigiTimes)
→韓米首脳会談は、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOがサムスン電子のLee Jae-yong会長、SKグループのChey Tae-won会長と会談するなど、テクノロジー界の重鎮が一堂に会する貴重な機会となった。この会談は、激化する世界的なAI競争において、高帯域幅メモリ(HBM)と国境を越えた半導体投資の重要性が高まっていることを浮き彫りにした。


【インテル関連】

米国政府出資の件で上記の通りであるが、それ以外の内容を以下に示している。Hot Chips 2025(8月24−26日:Palo Alto, CA)での発表も見られている。

◇Lip-Bu Tan to be Honored With 2025 Phil Kaufman Award (8月25日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→インテル コーポレーションの最高経営責任者であり、ケイデンスデザインシステムズの元CEOであるLip-Bu Tan氏が、電子システム設計(ESD)への顕著な貢献により2025年のフィル カウフマン賞を受賞する。

◇Intel reveals 288-core Clearwater Forest Xeon at Hot Chips - 18A process' first outing promises big efficiency and performance gains―Intel's 288-core Xeon targets data center efficiency―Built on Intel’s 18A node, the all-E-core Xeon packs 288 cores per socket and promises big efficiency gains. (8月26日付け Tom's Hardware)
→インテルは、1ソケットあたり288個の高効率コアを搭載し、18Aプロセスで製造されるClearwater Forest Xeonプロセッサを発表した。来年出荷開始予定のこのプロセッサは、データセンターにおけるワット当たり性能の差を埋め、Advanced Micro DevicesのEpycシリーズに挑むことを目指している。


【SK Hynix関連】

HBMがキーワードになりがちな同社であるが、NANDフラッシュおよびモバイルDRAMの技術面について、以下の通りである。

◇[News] SK hynix Unveils World’s First 321-Layer QLC NAND, Targets 1H26 Commercial Launch (8月25日付け TrendForce)
→SKハイニックスは、世界初となる321層2TB QLC NANDを発表し、2026年の発売に向けて量産体制に入った。このチップは容量が2倍になり、読み書き速度と効率が向上し、PC、スマートフォン、およびAIを活用したエンタープライズストレージ市場をターゲットとしている。

◇SK hynix launches mass production of world's first 321-layer QLC NAND flash―Reports: SK Hynix producing 321-layer QLC NAND flash (8月25日付け The Korea Herald (Seoul))
→SKハイニックスは、AI分野の高性能需要に応えることを目指し、世界初となる321層4層セルNANDフラッシュメモリチップの量産を開始した。このチップは、従来品の2倍となる2テラビットのストレージ容量を備え、当初はPCs用ソリッドステートドライブ(SSDs)に使用され、その後、データセンターやスマートフォンへの展開が予定されている。

◇SK hynix Begins Supplying Mobile DRAM With 3.5x Better Thermal Conductivity, Solving Performance Throttling For On-Device AI & More―SK Hynix debuts mobile DRAM with advanced thermal conductivity―The new material used on SK hynix’s mobile DRAM is called ‘High-K Epoxy Molding Compound’ (8月28日付け Wccftech)
→スマートフォン向けDRAMおよびメモリメーカーは、on-device AIアプリケーションの利用において優位に立ち、現行技術が抱えるパフォーマンス低下の課題を克服するため、より高速で効率的なチップの投入方法を研究している。メモリ製造の技術面でサムスンを凌駕するSKハイニックスは、スマートフォンの過熱対策として業界初の「モールディングコンパウンド」を採用した新型モバイルDRAMの供給を開始したと発表した。同社によると、最新のメモリチップの熱伝導率は350%向上しているという。


【Huawei関連】

AI優先の事業の取り組み、そしてHBMを置き換える可能性の"AIメモリ"、とともに今後の進展に注目である。

◇Huawei revamps cloud computing unit to prioritise AI amid China-US tech war (8月25日付け South China Morning Post)
→1)関係筋によると、ファーウェイはAI関連事業を優先するため、複数の主要部門を統合する計画だ。
 2)ファーウェイは、米国のテクノロジー制裁措置を受けるなか、AIへの注力を強化するため、クラウドコンピューティング部門の抜本的な再編に着手した。この再編により、業務は6つの部門に集約され、AIへの投資が拡大し、昨年の赤字からの黒字化を目指す。

◇Huawei Is Reportedly Designing an ‘AI Memory’ That Could Replace HBM, Reducing the Firm’s Dependence on the West―Reports: Huawei designs AI memory to reduce HBM reliance―Huawei's AI SSD Might Come With No Capacity Limitations, Offering a Viable Alternative to HBM (8月26日付け Wccftech)
→Huaweiは、効果的な容量と効率でHBMを置き換えるとされる、AI固有のワークロード向けのメモリを開発していると報じられている。中国のAIハードウェアの進歩を見ると、この地域は「高性能」な高帯域幅メモリ(HBM)ソリューションの不足によって遅れをとっているように見える。CXMTなどの中国企業は目覚ましい開発を行ってきたが、欧米企業が開発したメモリソリューションとのギャップは依然として大きいよう。現在、中国メディアによると、Huaweiはデータセンター向けに最適化されたSSDをベースとしたAI専用メモリソリューションを開発しているとのこと。


【その他注目】

Appleの折りたたみスマホ、そしてSamsungのマイクロソフトCopilot AI取り入れ、ともに今後に向けたメモ項目である。

◇[News] Apple’s First Foldable iPhone Set for 2026 as Hinge Suppliers Compete (8月25日付け TrendForce)
→Appleは2026年に初の折りたたみ式iPhoneを発売する予定で、サプライヤー間の熾烈な競争が繰り広げられている。Samsung Displayは折り目のないパネルを提供する可能性があり、hinge(ヒンジ)分野ではFineMec、Amphenol、Iontec、およびShin Zu Shingなどが競合企業として挙げられる。折りたたみ式iPhoneの市場拡大が期待される。

◇Samsung Electronics integrates Microsoft's Copilot AI into TVs, monitors (8月28日付け The Korea Times)
→サムスン電子は、最新のテレビやモニターにMicrosoftのCopilot AIを統合し、天気予報や音楽の推奨など、パーソナライズされた音声駆動型機能を提供するとともに、オープンAIパートナーシップと、よりスマートでインタラクティブなディスプレイ エクスペリエンスを拡大する戦略を推進している。

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