2024年3月18日
|長見晃の海外トピックス
世界各国・地域それぞれの経済安全保障に向けた半導体製造強化の取り組みが進んでいる中、半導体サプライチェーン関連を巡る現時点それぞれの様々な動きが見られている。CHIPS and Science Actによる国内製造強化から先端技術主導回復を図る米国は、主要半導体各社への資金提供関連の様々な駆け引きとともに、対中国の輸出規制強化の働きかけが続いている。韓国では、米国政府の資金提供の確定を強く期待する動きがあらわれている。欧州では、イタリアでの半導体工場およびスペインでのimecのR&Dラインの新設の動きである。米国政府のフィリピンでの半導体拡充に向けた働きかけ、そしてインドでの半導体工場建設関連、など以下現時点を追っている。
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2024年3月15日
|技術分析(半導体応用)
Cerebras Systems社は、4兆トランジスタを集積したウェーハスケールのAIアクセラレータチップ「WSE-3」を開発した。300mmウェーハから21cm角に切り取った半導体で、前回のWSE-2(参考資料1)での7nmから5nmプロセスを利用して集積度を上げた。このウェーハスケールICを組み込んだAIコンピュータ「CS-3」を64台組み込む「Condor Galaxy 3」を戦略的パートナーであるG42と共同で開発中である。
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2024年3月14日
|技術分析(デバイス設計& FPD)
先端パッケージングで重要になる、流体解析や構造解析などのシミュレーション技術にAI/ML(機械学習)を利用すると、桁違いに結果が速く得られるAIシステム「SimAI」をシミュレーションベンダーのAnsysが開発した。AnsysはTSMCのエコシステムにもEDA3社と共に参加しており、これからの半導体パッケージには欠かせなくなりそうな存在だ。
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2024年3月13日
|市場分析
世界ファウンドリ産業の最新のトップランキングでは、トップのTSMCの独占状況がますます進んだ。2023年第4四半期(4Q)におけるTSMCの売上額は前四半期比14%増の196.6億ドルとなり、上位10社の中で市場シェアは61.2%になった。2023年3QにおけるTSMCのシェアは57.9%と過半数を占めていたものの、今回初めて60%の大台に乗った。これは市場調査会社TrendForceが発表したもの。
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2024年3月12日
|産業分析
アナログ半導体大手のAnalog Devicesがウェアラブル医療機器に進出する。人間の心肺機能を自宅で毎日チェックできるウェアラブルデバイス「Sensinel CPM」を開発、厚生労働省に相当する米FDA(食品医療品局)の認可を受け、この機器が医療機器として認められたため、発売することになった。半導体メーカーが医療機器も作る時代になる。
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2024年3月11日
|週間ニュース分析
2024年1月の世界半導体販売額が1年前の1月のそれと比べ15.2%増の476.3億ドルであった。ただし2023年12月の販売額と比べると2.1%減となっている。この数字は、SIA(米半導体工業会)が米国時間3月4日に発表したもの。SIAは米国半導体企業の99%をカバーし、非米国半導体企業の2/3をカバーしているという。
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2024年3月11日
|長見晃の海外トピックス
米国・Semiconductor Industry Association(SIA)から月次世界半導体販売高が発表され、2024年の年初、1月について$47.6 billion、前年同月比15.2%増ながら前月比は2.1%減と、10ヶ月続いた前月比増加が止まっている。パソコン、メモリ半導体の底打ち、そしてAI(人工知能)半導体の急伸の期待から、今後の推移に注目するところである。次に、中国での先端半導体開発の動きを受けて、米国政府が対中国の半導体輸出規制を強化するよう、我が国およびオランダへの働きかけが見られている。地政学的なリスクが高まる一途の国際情勢のなか、米国大統領選挙を控えて米国から同盟国への一層の様々な圧力が予想され、半導体関連においても注視を要するところと思われる。
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2024年3月 8日
|市場分析
フラッシュメモリ市場がようやく上向いてきた。2023年第4四半期(4Q)におけるNANDフラッシュ全体の販売額は前四半期比24.5%増の114億8580万ドルとなった。ただし、フラッシュメーカーにとって明暗が分かれている。1位のSamsungは同44.8%増の42億ドルでシェアを31%から37%へと拡大したのに対して、Micronの販売額は同1.1%減に留まった。
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2024年3月 8日
|服部毅のエンジニア論点
去る2月15日に恒例の「SPIマーケットセミナー」がオンラインで開催された。今回のテーマは「2024年の世界半導体市場、回復へのシナリオ」。このセミナーの最後に、ホットな話題として取り上げられていたルネサスエレクトロニクスとNvidiaについてコメントさせていただいた。ほんのわずかな時間しか残されていない中での舌足らずの発言だったため、本稿で補足させていただくことにする。
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2024年3月 7日
|市場分析
2024年1月における日本製半導体製造装置の販売額が前月比3.2%増の3155億1200万円となり、2023年10月から3カ月連続前月比でプラスの状況が続いている。ようやく装置産業のプラス成長が戻りつつある。しかも2023年5月に3134億1200万円を記録して以来の3000億円台の突破である。SEAJが発表した。
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