2024年1月の半導体製造装置の販売額は回復続く
2024年1月における日本製半導体製造装置の販売額が前月比3.2%増の3155億1200万円となり、2023年10月から3カ月連続前月比でプラスの状況が続いている。ようやく装置産業のプラス成長が戻りつつある。しかも2023年5月に3134億1200万円を記録して以来の3000億円台の突破である。SEAJが発表した。

図1 日本製半導体製造装置販売額の推移 矢印は3月の年度末の影響を受けたことを示している
ただし、2023年の5月は年度末の3月の数字が残っていた。SEAJの販売金額は3カ月の移動平均で表されているため、5月の販売額は、3月と4月、5月の3カ月の平均値である。日本では3月が年度末となる企業が多いため、例年、駆け込み需要ではなく駆け込み支払い月となる。このため、まるでスパイクパルスのように3月だけ(矢印)が飛びぬけて増えてしまう。移動平均すると3月から5月までがその影響を受ける。同様に2021年の3月、4月、5月の山(図1の左の矢印)も3月の年度末支払いによる特異点の影響を受けたものと考えてよい。
むしろ、3月の数字は特異点として無視し、2022年9月の3809億円をピークとして徐々に低下してきた、と見る方が妥当である。このようにみると、2023年6月の2592億2200万円を底として徐々に回復してきた、と考えることは自然であろう。
そして、半導体製品の販売額の推移と同様だが、2023年の底に当たる6月の販売額は、前回のピーク値である2018年の販売額よりも高いのである(図2)。前回のメモリバブルの2017年〜2018年で最も高い販売額を示した2018年5月は、3月の年度末支払いの影響を受けても2218億円どまりだった。
図2 2017年から見た日本製半導体製造装置の販売額
つまり半導体産業はチップ製品も製造装置も単なる正弦波のようなシリコンサイクルではなく、成長直線に乗った正弦波を描く成長のシリコンサイクルだといえる。
参考資料
1. 「日本製製造装置販売額、短い底を脱出、少しずつ回復に向かっている」、セミコンポータル (2023/11/29)