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2023年4Qの世界ファウンドリのランキング、TSMCのシェア60%超え

世界ファウンドリ産業の最新のトップランキングでは、トップのTSMCの独占状況がますます進んだ。2023年第4四半期(4Q)におけるTSMCの売上額は前四半期比14%増の196.6億ドルとなり、上位10社の中で市場シェアは61.2%になった。2023年3QにおけるTSMCのシェアは57.9%と過半数を占めていたものの、今回初めて60%の大台に乗った。これは市場調査会社TrendForceが発表したもの。

4Q23 Ranking of Global Top 10 Foundries by Revenue / TrendForce

図1 2023年4Qにおける世界ファウンドリ企業トップ10社 出典:TrendForce


10社合計では、前四半期比7.9%増の304.89億ドルとなったが、二桁成長はTSMCのみ。残りの9社の内5社がマイナス成長となった。ファウンドリビジネスは2023年3Qから再びプラス成長となり、10社合計で3Qの282.58億ドルから7.9%成長した。

3Qに3.11億ドルを売り上げ9位に入ったIntelは、4Qでは2.91億ドルと減少しトップテン圏外に落ちた(参考資料1)。代わりに入ったのが中国のファウンドリNexchipだ。8~10位は入れ替わりが激しい。

23年4Qでは、TSMCはスマートフォンやパソコン、AI関係のHPCなどの需要によって196.6億ドルに増えたが、その要因はいつものように先端プロセスによる。7nm以下のプロセスの比率は3Qの59%から4Qには67%に跳ね上がり、現在立ち上げが進行している3nmプロセスが加わると70%に達するだろう、とTrendForceは見る。

2位のSamsungは28nm以上の成熟プロセスの需要もあったが、先端プロセスチップの着実な需要があったものの、同1.9%減の36.2億ドルとなった。

第3位のGlobalFoundriesは、自動車向けでは5%増の着実な成長があったものの、スマホや通信、民生/産業IoTなどの落ち込みにより横ばいの18.5億ドルにとどまった。UMCはその逆で、スマホやパソコンなどで需要が高まったものの、自動車や産業向けが停滞していたため、同4.1%減の17.3億ドルとなった。

4Qにおける回復の勢いは、2024年中も続き、2023年が前年比13.6%減の1115.4億ドルだったが、2024年は同12%増の1252.4億ドルになるとTrendForceは予想している。ただし、2022年の最高額1291億ドルにはまだ届かない。

参考資料
1. 「ファウンドリトップ10ランキング、Intelが初めて第9位にランクイン」、セミコンポータル (2023/12/14)

(2024/03/13)
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