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ファウンドリトップ10ランキング、Intelが初めて第9位にランクイン

2023年第3四半期における世界ファウンドリトップ10社ランキングが発表された。それによると、Intelのファウンドリサービス部門(IFS)が初めて第9位に入ってきた。1位のTSMCのシェアは58%に高まったが、昨年レベルと比べ14.5%減であり、まだ完全回復ではないが、前四半期比では10.2%増の171.49億ドルになっている。

3Q23 Ranking of Global Top 10 Foundries by Revenue / TrendForce

図1 ファウンドリトップ10ランキング 出典:TrendForce


Intelのファウンドリ部門は2023年後半のラップトップパソコンの受注が入り、先端の高価格のプロセスノードを使ったICを使うことで前四半期比34.1%増の3.11億ドルの売上額となり、9位に入った。前四半期に8位にいたPSMCは10位に転落した。代わって前四半期に9位だったVISが同3.8%増の3.33億ドルを売り上げた。ディスプレイドライバICとパネル向けの電源用ICが戻ってきたためだとしている。

また、Samsungのファウンドリ部門の正確な数字がようやく登場した。昨年まではSamsungのファウンドリ事業の数字には、メモリ事業以外の全てが含まれていたため、実際よりも大きすぎていた。つまり、ファウンドリ事業の中にイメージセンサやアプリケーションプロセッサ、ディスプレイドライバICなどほかの半導体製品の数字も含まれていた。今年になってファウンドリ事業だけの数字のはずだったが、同じ2023年第1四半期の数字が第2四半期に比べられた数字とは大きく異なっており整合性がとられていなかった。

今回発表の中に登場した第2四半期の数字は前回発表のあった第2四半期そのものの数字(参考資料1)と一致していたため、ようやく信用できる数字となった。このため、Samsungファウンドリの真の数字が得られるようになった。昨年までの数字よりも低くなったことでTSMCのシェアが高まったように見えるが、さほど変わっていないようだ。

なお、今回のSamsungは、前四半期比14.1%増の36.9億ドルの売上額だったが、これはQualcommのミッドレンジからローエンドの5Gアプリケーションプロセッサや5Gモデム、さらには成熟ノードである28nmのOLED向けディスプレイドライバICを受注したためとしている。

ファウンドリの上位10社合計の売上額は、前四半期比7.9%増の282.86億ドルとなった。ただし、1年前の352.05億ドルの水準にはまだ達していないため、前年同期比では20%減であり、回復基調ではあるが、まだ完全回復には至っていない。

参考資料
1. "Top 10 Foundries Experience 7.9% QoQ Growth in 3Q23, with a Continued Upward Trend Predicted for Q4, Says TrendForce", TrendForce (2023/12/06)

(2023/12/14)
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