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6インチのGaN on Siウェーハで1 mm2のパワーLEDチップの光出力が634mW

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ドイツのフィリップスから独立したLEDメーカーであるオスラム社(OSRAM Opto Semiconductors:www.osram-os.com)は、6インチSiウェーハ上にGaN層を形成し、青色LEDおよび黄色い薄膜を被覆させた白色LEDを開発、試作量産ラインに流した。使われたシリコンウェーハは市販のものを用いた。

図1 開発した6インチウェーハ上のGaN LED

図1 開発した6インチウェーハ上のGaN LED


青色LEDの原料となるGaN層は、サファイヤ(主成分Al2O3)やSiC基板を用いて成長させるが、どちらの基板も高価である。シリコンは地球上では2番目に多い元素であり、原料不足は人為的に供給を止めない限りあり得ない。LEDのチップ面積を大きくするパワーLEDにはメリットは大きい。シリコンはウェーハを大口径化しやすいからだ。

今回得られた性能は、従来のサファイヤ基板で作ったものとほぼ等しいという。性能的に最もよかったチップは、順電圧3.15V、光出力634mWと極めて明るい。量子効率は58%としている。しかもこの数字はチップ面積1mm2という大面積(従来は0.25〜0.3mm角、すなわち0.0625〜0.09mm2だから10倍以上)のチップであり、それをオスラムの標準パッケージであるGolden Dragon Plusパッケージに実装し、350mAで駆動した時の値である。照明用LEDの輝度としては駆動電流350mAで140 lmであり、色温度4500Kでの効率は127 lm/Wである。

これが実用化されれば、LEDのコストを大幅に下げることができるようになる。6インチウェーハで1 mm2のLEDチップは1万7000個採れるようになる。8インチウェーハでの試作成功例はこれまでもあるが、6インチで商品化に向けラインにのせてみて試作したのはこれが初めて。


図2 製造プロセス 出典:OSRAM Opto Semiconductor

図2 製造プロセス 出典:OSRAM Opto Semiconductor


今回の製造法は、シリコンウェーハ上にバッファ層を介してGaNをエピ成長させ、LEDを形成した後、ミラーとコンタクト部分を設ける(図2)。その後、Si基板を除去し別のSiウェーハを表面側に取り付ける。最終的なシリコン基板は実装上、放熱性がGaNよりもよく、性能的に光を放出しやすい構造になっているようだ。

OSRAMはすでに実用化するための条件でテストを始めており、ウェーハもパイロットラインで流している。このことから2年以内には実用化できると同社は見ている。

(2012/01/16)

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