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格段に使いやすくなった任意波形ファンクションジェネレータ

半導体チップに任意のアナログ波形を2チャンネル分入力でき、しかも27万円台からという低価格の任意波形ファンクションジェネレータAFG31000をTektronixが発売した。9インチの液晶ディスプレイにタッチスクリーンセンサを重ねているため、スマホのようにタッチ・ズーム・スワイプ動作が可能であり、リアルタイム波形モニタとしても使える。

図1 格段と使いやすくなったTektronixの任意波形ファンクションジェネレータ

図1 格段に使いやすくなったTektronixの任意波形ファンクションジェネレータ


ファンクションジェネレータは、矩形波や鋸歯状波、正弦波などを基本のファンクション波形としてその信号を自由に変えることができる上に、ランダムノイズ波形を発生させることもできる。これにより基本波形にノイズ波形を重畳して、ノイズに対する影響をシミュレーションすることができる。

IoTやクルマ用の半導体やECUデバイスを調べる場合でも、センサ信号を作り出し、所望の波形が得られるかどうかの実験もできる。クルマ用途では、キーレスエントリのように無線でクルマのカギを開ける場合でも意図的にノイズを入れておき、その耐性を見ることもできる。パワーデバイスでは、ノイズだけではなく高調波を入力したり電圧変動を起こしたりすることで、それらの耐性をチェックする。

もちろん、アナログの正弦波とデジタルクロック波形を同時にDUT(被試験デバイス)に入力し、クロック波形やタイミングの評価を行うことも可能だ。周波数帯域幅が25MHzでサンプリング速度が250Mサンプル/秒のローエンド製品から同250MHz、2Gサンプル/秒のハイエンド品まで揃えている。ジッタは全て2.5ps以内。

入力インピーダンスは50Ωに設定され、ケーブルや計測器を追加することなく、インピーダンス整合が取れない波形も表示できる(図2)。加えて、DUTのインピーダンス変化だけではなく、周波数や振幅、波形形状の変化にも瞬時に応答できるとしている。


図2 インピーダンス整合が取れない波形もそのまま表示できる 出典:Tektronix

図2 インピーダンス整合が取れない波形もそのまま表示できる 出典:Tektronix


このAFG31000シリーズには、ソフトウエアツールArbBuilderが内蔵されているため、パソコンで波形を生成してから計測器に取り込むという必要がなく、しかも計測器上で直接任意の波形を生成し、編集できる。特に任意波形を頻繁に変更しなければならない場合にはテスト効率を大幅に改善できる。また、オシロスコープで取り込んだ波形を再現する場合には、CSVファイル形式で保存し、ArbBuilderでAFG31000シリーズに直接ロードできる。

(2018/11/07)

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