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ケースレー、パワー半導体のテストコストを下げる提案

パワー半導体のテストコストを下げる提案をケースレー・インスツルメンツが行った。これは、テクトロニクス・ケースレーイノベーション・フォーラムで明らかにしたもの。並列のパラメータテストやTDDB試験、高温バイアス試験、データ解析での時間短縮事例を紹介した。

Tektronixは、数年前Keithley Instrumentsを買収、それぞれの日本法人も同じ場所で活動している。このフォーラムでは、テストコスト、すなわちテスター自身の導入コストと、運用コスト、メンテナンスコストの内、最も大きな運用コストを下げるための自動化手法について解説した。特に量産ではテスト時間の短縮が大きくコストダウンに効く。


図1 デバイスを最大60個並列測定 出典:Tektronix/Keithley

図1 デバイスを最大60個並列測定 出典:Tektronix/Keithley


量産ラインにおけるパラメータテストでは、一つのデバイスをテストする場合、プローブを試料に当てて次の動作へ行くまでのインデックス時間、セットアップ/トリガー時間、テスト実行時間、データ処理時間を1サイクルとして、デバイスごとにこのサイクルを繰り返していた。ここでは、ケースレーのS500を用い、60個のSMU(Source Measurement Unit)により60個のデバイスを一度にテストする(図1)。インデックス時間は従来と同じだが、各SMUは完全独立しており並列にテストを実行できるため、テスト時間を大幅に(ほぼ1/60近く)短縮できる。

またパワーMOSFETやIGBTのようにゲート酸化膜の強さをテストするため、TDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)試験をする場合も並列テストを行うことで、テスト時間を短縮する。このテストではゲート酸化膜界面に結晶欠陥や不純物などがあると破壊されるまでの時間が短くなる。ただ、完全独立の並列試験だと初期コストがかさむため、被試験デバイスを次々と切り替えていくスイッチを設け低コスト化を図る。ここではSMU1台に対して、96デバイスを切り替えられるスイッチを設けた3706Aスイッチングメインフレームを用いる(図2)。酸化膜の破壊は、ストレスを印加する時間を少しずつ変えながら、破壊するかどうかをテストしていく。


図2 スイッチを用いてTDDB試験を96デバイス同時に測定 出典:Tektronix/Keithley

図2 スイッチを用いてTDDB試験を96デバイス同時に測定 出典:Tektronix/Keithley


さらに、高温逆バイアス試験でも2kV、10Aのパルスによって4デバイスを並列に測定するスイッチボックスを提案している(図3)。この試験では、SiかGaN/SiCなどのデバイスによって試験温度は異なるが、150〜300℃の高温で、ドレイン-ソース間にバイアスをかけながら電流オフ状態でストレスをかけ、オン特性の劣化をモニターする。オン特性を測定する場合にはストレスを一時中断する。バイアスはスペックの2〜3倍の高電圧をかける。並列に試験するためのスイッチボックスはカスタム仕様であっても条件を制限することでコストを下げることができるとする。


図3 高電圧・大電流の試験をスイッチボックスで4個並列にテスト 出典:Tektronix/Keithley

図3 高電圧・大電流の試験をスイッチボックスで4個並列にテスト 出典:Tektronix/Keithley


加えて、データ解析時間の短縮も図っている。最も手軽な方法は、データをExcelで表示できるようにするため、CSVフォーマットで出力すること。さらに開発段階では、多数のデバイス特性をまとめた統計データの異常に気が付いた場合には、どのデバイスなのかを確認したい場合や、再計算したい場合、処理方法を工夫したい場合などは、演算専用のケースレー簡易統計ツールを用いる(図4)。このツールは、生データだけではなく、ウェーハ上のマップデータ、サマリーデータ、ヒストグラム、ワイブル分布・正規分布なども表示する。例えばワイブル分布から大きく外れたデバイスを除去した意味のある統計分布を見たい場合は、異常な部分を除去できる。こういったツールによって、データ解析時間を短縮できる。


図4 開発向けのデータ解析ツール 出典:Tektronix/Keithley

図4 開発向けのデータ解析ツール 出典:Tektronix/Keithley


(2015/07/02)

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