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CSRのBluetoothチップ、高機能のROM版で使い勝手を向上、BOMコストを削減

英CSR社は、外付けフラッシュが要らず、しかもノイズキャンセラ機能付きのBluetoothチップBlueCore6100シリーズを発売する。このチップは100機種以上の携帯電話と設定なしでつながるヘッドセット向け。欧州や米国では携帯電話をかけながらクルマを運転することは酔っぱらい運転と同程度の罰則になると言われている。だからこそ、ワイヤレスで携帯電話とつなげるBluetoothヘッドセットの需要がきわめて高い。

CSRは、Bluetoothのヘッドセット向けチップでは80%以上の市場シェアを持つと自慢する。これまでに累計で2億個以上を出荷してきた。Bluetoothは接続の設定が面倒で設定するためには何度もボタンを押さなければならなかった。しかし、CSRのチップは近接ペアリング機能があるため、30cm以内に二つのBluetooth機器を近づけると自動的にお互いを検出し、それをボタン1回で設定できる。仕様はBluetooth v1.2+EDRをサポートする。


BC6140


さらにヘッドセットには液晶ディスプレイが付いていないため、音声ガイダンスを導入、例えば携帯電話との接続が完了したときには「設定しました」、装着して使っている場合に電話がかかってきたときには「着信しました」、ヘッドセットの電池が少なくなると「バッテリが少なくなりました」と日本語音声で伝える。

製品は3種類ある。BC6140は24ビットで64MIPSのDSPを内蔵、マイク1個でノイズをキャンセルする最新のアルゴリズムを組み込んでいる。さらに音声の品質を改善するためパケットロスを補償したりビットエラーを補償したりする機能を集積している。さらにBC6150はデュアルのマイクを使ってノイズを強力にキャンセルする機能も追加している。低コスト版のBC6130にはノイズキャンセラとパケットロスの補償機能は集積していない。

シングルマイクでノイズをキャンセルする場合、音声が入ってくる近端ではボリュームやオーディオ特性を変えることでノイズを減らし、音が出ていく遠端では話者が受け取るエコーやノイズを打ち消す。

以前の製品BlueVox2とはQFNパッケージ互換であり、BC6130、BC6140は7mm×7mmパッケージ、BC6150は8mm×8mmパッケージに収容され、共に鉛フリーのグリーンIC。BC6130には4.5mm×5.5mmのBGAパッケージ版もある。すべて開発キットを用意しており、簡単なカスタマイズはできる。

ヘッドセットは自動車の運転する場合には欧米で必須であるが、それ以外でも利用シーンが出てきていると、CSRの日本法人であるシーエスアール営業部長の深田学氏は言う。例えば、電話会議や電話をかけながらのパソコン入力といった仕事で使う例もあるとしている。


(2009/06/12 セミコンポータル編集室)

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