NvidiaとIntelの提携は、データセンター向け超高速コンピュータとAI PC
先週末、NvidiaとIntelが今後のデータセンターとパソコン向け製品を数世代にわたって共同開発することで合意した。Nvidiaは50億ドルをIntelに出資する。この提携は、Nvidia側から見ると、x86アーキテクチャとNvidia GPUをNVLinkで結合することで、これまでにない最高のコンピュータを実現しようというものだ。データセンターのCPUに強いIntel側から見ても新しいコンピュータは魅力的に映る。
図1 NvidiaとIntelの共同オンライン会見
Nvidiaは、最新GPUのBlackwellを最大72個までNVLinkと呼ぶインターフェイスで接続できる、ラックベースのコンピュータを開発しているが、CPUはそこまで接続できていない。PCIeなどバス方式のインターフェイスでは、多数のCPUをGPUと共に接続することに限界がある。Nvidiaの持つGPUとNVLinkがIntelのx86アーキテクチャのCPUと密に結合できることで、新しいイノベーションを起こすことができる、とIntel CEOのLip-Bu Tan氏は記者会見の場で述べている。
Nvidia CEOのJensen Huang氏は、「かつてのIBM360が新時代のコンピュータを作り、その後AIのビッグバンが起きた。今回の提携は、次のイノベーションにつながる歴史的な提携だ」とまで高く評価している。特にデータセンターやスーパーコンピュータの世界では、CPUにIntelのXeonプロセッサを使う例が増えているが、CPUの超並列プロセッサにはなっていない、と見ている。ここに、NvidiaのNVLinkでCPUとGPUを多数、大量に接続できれば、メモリを共有しコヒーレンシを担保した上で超高速コンピュータができそうだ。
CPUやGPUを超並列に接続しても、それらのデータの流れを交通整理する技術やチップが必要だ。いわゆるアムダールの法則と言われるように、CPUを並列接続しても性能は飽和してしまう、という法則だ。Nvidiaは超並列可能なインターフェイスNVLinkの仕様を作り、NOC(Network on chip)機能も集積している。このおかげで、72個のGPUを接続できるという技術を実現できた。これをCPUとも共有メモリでつなげるというとてつもない大規模なプロセッサシステムを作ろうという訳だ。ある意味でカスタム仕様のCPUが求められる。
データセンターだけではない。パソコンレベルでも両者の提携は意味があるとHuang CEOは言う。パソコンのIntel CPUにNvidiaの GPUのチップレットを集積しようということも両社は考えている。Tan CEOはGPUチップレットの集積により「PCエクスペリエンスを再定義したものができる」と述べている。
今回の提携では、Intelの救済という意味合いではない。Intelの製造部門であるIntel Foundryに対する関係について何度も質問があったが、今回の提携は製造部門とは全く関係ない」とHuang CEOはきっぱりと否定している。また、「両社ともTSMCは長年の顧客である」とTan CEOは語っている。
また、トランプ大統領の関与もこの提携では一切関係しないが、サポートしてくれると願っている、とHuang CEOは言う。


