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セミコン台湾で3DIC先端製造アライアンスが誕生

先週、セミコン台湾2025が開催され、AIがけん引する先端パッケージが注目されたようだ。9月11日の日本経済新聞は先端パッケージの講演が連日のように開かれたと報じた。特に3DICAMA(3DIC Advanced Manufacturing Alliance:先端製造アライアンス)を、TSMCとASEがリードして立ち上げた。日本でも広島大学がAIの普及で半導体需要が増えることから半導体システムを教えるプログラムを新設した。

SEMICON TAIWAN 30 / SEMI

図1 セミコン台湾の開会式 出典:SEMI


セミコン台湾は、もともと後工程を中心とした展示会だったが、近年はプロセス装置を展示することも多くなっている。ただ、微細化技術は飽和に近づいていることから、一気に集積度を上げられる先端パッケージが注目されている。特にAI需要では、Nvidiaのジェンスン・フアンCEOが述べているように、「微細化技術は止まってきたが、コンピューティングパワーはますます求められている」。このため半導体デバイスには集積度を上げてシステムを高性能・低消費電力・高機能にする方向は変わらない。微細化せずに集積度を上げる技術こそが先端パッケージである。

先端パッケージでは、レチクルや歩留まり低下などからくるチップ面積の制約がない。ウェーハから取り出すチップそのものの面積は小さくても、複数チップを一つのサブストレートに多数載せて集積度を上げることができる。TSMCがNvidiaのGPUやCPU、HBM(High Bandwidth Memory)などを集積したAI半導体製品は、先端パッケージのCoWoS(Chip on Wafer on Substrate:コワースと発音)技術で集積度を上げている。

複数のチップを重ねて3次元ICにする方法も集積度を上げられる。HBMのようにDRAMチップを縦に積んでいく方法では同じダイ(シリコンの裸チップ)であるため問題は少ないが、別のダイを積んでいく場合、問題が多い。例えば発熱部がダイごとにバラバラであるため、熱膨張係数の違いから反りやひずみが生じ、簡単に積層することは難しい。

セミコン台湾開催中にでは、今年3DICAMA(3DIC Advanced Manufacturing Alliance:先端製造アライアンス)を、TSMCとASEがリードして立ち上げた。このアライアンスには台湾を中心に37社もの会社が参加しており、横断的な協力で標準化や3DICのエコシステムを作り上げていく。産業界のパートナーを一つにして。サプライチェーンの協力を強め、レジリエンス(回復力)を高め、材料・プロセス・設計の標準化を確立する。TSMCはこれまで2.5Dと呼ばれるCoWoS技術で先端パッケージを開発してきたが、3DICでヘテロジニアス集積化技術に挑戦する。台湾が3DIC先端パッケージで今後重要な役割を果たすことになる。

とはいってもSEMIというグローバルな団体の中で活動する訳であるから、台湾ファーストではない。SEMI台湾のグローバルCMO(Chief Marketing Officer)であるTerry Tsao氏は、グローバルなリソースを一つにして業界政策の意見交換を育てていき、商品化を加速することで、AIやHPC(高性能コンピューティング)、データセンター向け市場のソリューションを速く、効率良く競争力高く提供していく狙いだ、と語っている。

フランスの市場調査会社であるYole Intelligenceによると、先端パッケージ市場は2024年の380億ドルから、2030年には790億ドルに成長すると予測する。年平均成長率(CAGR)は12.7%になる。


日本では、半導体製造や物性研究の大学が多いが、半導体設計のカリキュラムは少ない。広島大学はこれまでの半導体物性研究などに加え、集積回路やプロセッサの動作など半導体設計やソフトウエア開発などの「半導体システムプログラム」を2025年度に工学部内に新設した。1学年は65人で、29年度に設置予定の大学院は同55人とする、と日経地方版が伝えた。

(2025/09/16)
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