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24年6月の半導体製造装置の販売額は1年前の32%増

2024年6月における日本製半導体製造装置の出荷額が前年比31.8%増の3439億9000万円になったとSEAJ(日本半導体製造装置協会)が発表した。ただ、2023年10月からずっと右肩上がりだったが、前月比では14.2%減となっており、やや一服状態になっている。不況の始まりではなさそうだ。それを以下に示そう。

日本製半導体製造装置販売額 / SEAJ

図1 日本製半導体製造装置販売額の推移 出典:SEAJ


2024年5月には、史上最高額の4000億円台に初めて乗せたが、6月になり低下した。おそらく、今年も3月の影響が消えたためではないかと思われる。半導体製造装置メーカーの多くが3月締めの年度決算月であるため、この月に装置の代金が支払われ、売り上げが確保でき年度末の3月には飛び抜けて高い数字になるという傾向がある。

しかも製造装置の販売額は3カ月の移動平均で表されるため、3月の数字は実は1月、2月の数字の影響を受け、それほど高くはない。しかし、4月には、4月、3月、2月の平均となり、5月には5月、4月、3月の平均となるため、通常は3月、4月、5月と上がっていく。しかし6月にはピークの3月の影響が消え、4月、5月、6月の平均となるため、例年6月は下がっている。このため前月と比較する意味があまりない。

今年の6月は、1年前の6月と比べ31.8%も高く、しかも前回のピークであった2023年3月の3370億円よりも高い。さらに3月の影響のない1月、2月の3149億円、3174億円よりも高い数字であるため、この先に不況が来るということではなさそうだ。むしろ、順調に回復していることを意味する。次の7月の数字が6月の数字よりも高ければ、この仮説は成り立つ。

(2024/07/30)
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