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AI専用チップ、今年の市場は713億ドルへ、Gartner発表

2024年のAIチップ販売額は前年比33%増の713億ドルになるという見込みをGartnerが発表した。この市場調査会社は、AIチップ市場は今後も伸び続け、2025年には920億ドルになるという予想を発表している。ここでのAIチップとは、ホストCPUから切り離されたAI専用アクセラレータを指している。CPUやGPUやDSPなどの汎用品ではない。

BUILDING BLOCKS OF THE GB200 SUPERCHIP / Nvidia

図1 Nvidiaの最新AI GPU「Blackwell」2個とCPU「Grace」を一つのAIアクセラレータブロックとした製品


現在、生成AI向けの高性能なAIアクセラレータ(図1)への需要が急増しているが、AI専用チップだけではなく、エッジではSoCの中のIP回路としてのAI専用回路NPU(ニューラルプロセッシングユニット)も含まれている。2024年の新型パソコン出荷台数の内22%がAIアクセラレータやNPUを搭載したパソコンになるとGartnerは予想している。


2023-2025 AI accelerator Market / Gartner


表1 Gartnerが発表したAIアクセラレータの市場 出典:Gartner


Gartnerは、2024年におけるAIチップの売上712.5 億ドルの売上額(表1)の47%に当たる334億ドルがサーバーやパソコンなどのコンピュータエレクトロニクスで、画像認識や音声認識などの処理をするための自動車用途では71億ドル、民生家電では18億ドルと見積もっている。

現在のAIチップは、クラウドベース利用が中心で、主要なクラウド業者であるAmazonやGoogle、Meta、MicrosoftはNvidiaのAIアクセラレータを購入するとともに自社開発も進めている。その方が性能を維持したまま消費電力を下げられるからだ。もし消費電力を現在のGPUの1/10に下げられるなら、コンピュータを10倍増やすことができるという計算になる。このため、クラウド利用の利用者のコストを下げることができ、競争力を高めることができる。

(2024/05/30)
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