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2023年のシリコンウェーハ出荷面積は前年比14%減で一服状態

2023年のシリコンウェーハの出荷面積は、前年比14.3%減の126億200万平方インチだったとSEMIのSMG(Silicon Manufacturers Group)が発表した(参考資料1)。ウェーハ売り上げは、10.9%減の123億ドルになった。2019年から3年連続ウェーハ面積は拡大してきたが、2023年になって落ち込みを迎えた。

図1 シリコンウェーハの出荷面積の推移 出典:SEMI SMG

図1 シリコンウェーハの出荷面積の推移 出典:SEMI SMG


シリコンウェーハの面積は、使われる半導体製品の出荷量と深く関係している。面積が低下したということは、それを使って生産した半導体製品の数が減ったということになる。2023年の半導体不況は需要の低下だけではなく、その前の作りすぎによる在庫の調整を図ってきたことを裏付けている。半導体不足が表面化した20年秋から22年中ごろまで、不足が続いた原因の一つは、流通関係や一部のユーザーによる過剰発注によるものであった。

供給量が過剰になったため、半導体メーカーは供給量を減らし工場の稼働率も下げてきた。同時に半導体ICのASP(平均単価)も大きく下げられた状態が続いてきた。特に生産量の大きなメモリ製品はDRAMもストレージのNANDフラッシュもASPの下落により、売り上げを大きく落とし、メモリメーカーは黒字から赤字に転落した。

2023年第4四半期になって、メモリトップメーカーのSamsungは、DRAMはようやく黒字になった、と決算発表で述べている(参考資料2)。しかし、NANDフラッシュについては触れておらず、赤字からまだ脱却していないようだ。

またSEMIのSMGグループは四半期ごとのシリコンウェーハ出荷面積についても発表しているが、これまでの第1四半期から第3四半期までの実績と、2023年通年の実績から第4四半期の出荷面積を計算すると、シリコンの出荷面積はようやく下げ止まったことを示している。

参考資料
1. "Worldwide Silicon Wafer Shipments and Revenue Fall in 2023, SEMI Reports", SEMI (2024/02/07)
2. "Samsung Electronics Earnings Presentation: 4Q 2023 Financial Results", Samsung (2024/01/31)
3. 「Siウェーハの出荷面積はQoQ、YoY共、マイナス、回復はゆっくり」、セミコンポータル (2023/11/01)

(2024/02/09)
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