9月の世界半導体市場、前年同月比でプラスに転じた
2022年7月から始まった、前年同月比マイナスの世界半導体市場はこの9月、ようやくプラスに転じた。これまで過去最高の21年9月と比べるとまだ2.1%減だが、前年同月比の連続的なマイナスは9月に終わった。大きな減少を示した11月はおそらく2桁成長程度の大きなプラス成長になるはずだ。
図1 世界半導体販売額の推移
WSTS(世界半導体市場統計)が発表した2023年9月の世界半導体の販売額は、前年同月比0.34%増の495億6631万ドルとわずかながらプラスとなった。これは9月に過去最高を示した2021年9月の506億4696万ドルと比べると2.47%減であり、完全回復にはまだ達していないが、1年前よりは良い結果となっている。
その前の8月には前年8月の471億6021万ドルに対して、7.0%減の438億6142万ドルと、32億9879万ドルも少なかった。図1のグラフで見られるように6月、7月、8月と30億ドル程度のマイナスが続いていた。それでも昨年の11月から23年5月までは100億ドル程度のマイナスが続いていた時期よりはマシだった。このため着実に回復基調にあると表現してきた。
今回の9月になってようやく前年同月比でプラスになったことは、長いトンネルの出口が見えたことに等しい。トンネルからすっかり出ることを知るためには、今後は半導体販売額のピークだった、ちょうど2年前の同じ月と比較すべきことになる。今回の不況からの完全脱出を知るため、しばらくの間、2年前同月比で比較してみよう。
参考資料
1. 「はっきり見えた、半導体回復の傾向」、セミコンポータル (2023/10/13)