半導体市場、後工程装置市場とも第4四半期から回復へ
世界半導体市場は、セミコンポータルが予想した通り(参考資料1)、第4四半期(4Q)から前年同期比プラスに変わりそうだ。このほど市場調査会社TechInsightsとSEMIが2023年第4四半期から回復基調に入り24年を通して回復基調が続くという見通しを発表した。
図1 IC販売額の推移 出典:SEMI、TechInsights
電子機器はこの2024年4Qには、前四半期比22%増と力強い伸びを示すと予想しており、IC製品の販売も同4%伸びるとしている。電子機器は3Qには同7%の伸びを示し、IC製品同様、少しずつ回復の様子を示している。図1に示されるように、デジタルIC製品を大まかにロジックとメモリに分けると、メモリはわずかに回復傾向が見えるもののロジックは着実に回復し始めている(参考資料2)。
ただ半導体製造装置の回復はまだ遅れている。IC製品では2023年1Qを底として回復してきているが、東京エレクトロンの決算報告にみられるように、製造装置は2Qが底になっており、四半期分遅れている。
プロセス工場の稼働率はずっと下がり続けており、ICの在庫は高止まりしたままで推移している(図2)。しかし後工程の製造装置は、23年4Qには販売額が増加すると予想されている。
図2 ICの在庫(青の棒グラフ)と、工場稼働率(緑の線) 出典:SEMI、TechInsights
TechInsightsは、半導体市場は前年同期比で比べるとまだマイナスではあるが、受注残を満たし、さらに政府からのインセンティブを活用することで、前工程の需要はこれから上がっていき、24年は力強く進むと期待されるとしている。
参考資料
1. 「はっきり見えた、半導体回復の傾向」、セミコンポータル (2023/10/13)
2. "Global Semiconductor Manufacturing Industry Set for Q4 2023 Recovery, SEMI Reports", SEMI (2023/11/13)