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4月の半導体製造装置、過去最高販売額の裏に中国市場あり

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2021年4月における半導体製造装置は、日本製、北米製とも2カ月連続過去最高を記録した。日本製が前年同月比35.5%増、前月比17.2%増の2820億5400万円、北米製は同49.5%増、同4.1%増の34億950万ドルを記録した。半導体製造装置は、これまでとは違う一段上の市場レベルに達した。

図1 日本製および北米製の半導体製造装置販売額の推移

図1 日本製および北米製の半導体製造装置販売額の推移


日米とも新たなレベルに達したことをもう少し詳細に見てみよう。北米製製造装置は、長い間、2000年10月の25億7380万ドルをピークにこの販売額を抜くことができなかった。2018年のメモリバブルを迎え、2018年4月に26億8990万ドルを記録し、ようやく2000年のITバブルの販売額を抜くことができた。実に18年間も過去最高を抜けなかった(図2)。翌月の2018年5月はさらにそれを超える勢いの27億230万ドルを記録したものの、メモリバブルが収まると再びITバブルよりも低いレベルに落ち着いた。


図2 北米製半導体製造装置の販売額 縦軸の単位は百万ドル

図2 北米製半導体製造装置の販売額 縦軸の単位は百万ドル 18年間も2000年のITバブルの販売額を超えられなかった 出典:SEMIの発表数字をセミコンポータルがグラフ化


18年間も過去最高値を抜けなかったため、半導体製造装置が成長できた時代は終わったという認識が広がっていた。Applied Materialsが東京エレクトロンと合併して、これからの低成長時代に備えよう、と考えたのはまさに2013年の低迷期のさなかであった。東京エレクトロン元会長・社長の東哲郎氏の書かれた日本経済新聞の4月における「私の履歴書」によると、合併を提案したのはAppliedのCEO Michael Splinter氏で、東氏と極秘に会いながら経営環境の厳しさを解決するすべを模索していた。残念ながら、この統合は結局見送られることになったが、東氏はこの時に統合に向けた作業を一緒にやっていく中でAppliedの経営に関するグローバルな考え方がとても参考になった、と後に筆者に語っている。

メモリバブルがはじけた後の低迷期は非常に短かった。北米製半導体製造装置の販売額は、2020年9月には27億4330万ドルの過去最高を再び記録、その後も26億ドル台をキープしながら2021年1月には30億ドルの大台を超えた。4月の34億ドル超えによって5カ月連続増加を続けている。

なぜ、半導体製造装置がここまで増えたのか。そのカギはどうやら中国市場にありそうだ。最近発表された東京エレクトロンとAppliedの決算報告から、それが読み取れる。2021年3月通期の東京エレクトロンの地域別半導体製造装置の売上額は、中国25%、韓国21%、台湾19%、日本15%、北米12%、欧州5%、東南アジア4%となっている。Appliedの売り上げ構成比は2021年5月2日末での四半期売上額で、中国33%、韓国25%、台湾19%、米国9%、日本8%、欧州4%、東南アジア2%となっている。

つまりいずれも中国への売り上げ構成比がトップとなっている。これまでは中国市場がトップにはなかった。常に台湾か韓国がトップに来ており、中国の存在が極めて薄かった。中国は、半導体製造に力を入れた「中国製造2025」を着実に進めてきている。2025年での中国製半導体製品の70%シェアという目標の達成は無理なようだが、少しでも近づけようという動きが中国向け半導体製造装置の輸入拡大につながったと見てよい。

米中貿易戦争と言っても中国への半導体製造装置の輸出を止めると、米国企業が困ってしまうのである。このため許可制を取りながら、7nm以降の最先端装置は従来のワッセナール協定に沿って中国への輸出は認めないが、それ以外の装置は輸出しているのが実態のようだ。米国商務省と米国企業とは絶えずコミュニケーションを取り法律に準拠しながら、輸出している。日本も遅ればせながら中国比率を増やしていると図1からは見えてくる。日本の販売額と米国のそれの曲線からわかる。

参考資料
1. 3月の半導体製造装置は日米とも、過去最高の販売額を記録 (2021/04/27)

(2021/05/25)

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