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3月の半導体製造装置は日米とも、過去最高の販売額を記録

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2021年3月における半導体製造装置販売額は、日米共ひと月の販売額としては過去最高を記録した。昨年9月以降、中国SMICへの出荷がピタリと止まり、日本製の半導体製造装置はやや低迷していた。米国製も少しは足踏みしたが20年11月以降はずっと前月比増でプラス成長を続けてきた。日本製は3月でようやく大きく伸ばし始めた。

日米半導体製造装置販売

図1 日本製および北米製の半導体製造装置販売額の推移


北米製が前年同期比47.0%増、前月比4.2%増の32億7390万ドル、日本製は前年同期比22%増、前月比28.4%増の2406億9600万円となった(図1)。これらは3ヵ月の移動平均値である。3月は急増しているが、その単月の数字はもっと大きいことを表している。

これまで、半導体製造装置は2018年5月に日米製ともメモリバブルのピークを迎え、2019年に少し沈みながら2020年にかけて徐々に回復してきた。しかし米中問題がクローズアップされ、米国政府が中国のSMICをエンティティリストに加え、9月以降製造装置を輸出できなくなった。半導体ICチップも華為科技の子会社であるHiSiliconに輸出できなくなっていた。しかし、SMIC以外の中国で半導体製造能力の高い半導体企業には外資系が多く、TSMC ChinaやSamsung、SK Hynix等の工場には製造装置は販売できた。

2021年3月になりようやく製造装置は本格的に立ち上がった。これは最近の半導体チップ不足に起因しており、製造装置への需要が高まったと見てよいだろう。加えて不幸なことに、ルネサスエレクトロニクスやTSMCでの火災事故、米テキサス州オースチンでの大寒波による停電によって半導体製造工場が止まり、Samsungのファウンドリ工場や、NXP Semiconductor、Infineon Technologiesの工場が影響を受けた。台湾では水不足が深刻で、TSMCは生産に苦労していた。半導体製造装置需要がかつてなく高まったといえる。

最近になり、ルネサスが稼働を再開し、テキサスでの欧州企業や韓国企業の再稼働も始まった。3月に製造装置が急増した裏には、以上のような事情があったと見ている。

参考資料
1. 北米製半導体製造装置の販売額が2ヵ月連続史上最高、日本製も上向きに (2021/03/23)

(2021/04/27)

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