第3四半期のシリコンウェーハ面積は横ばいだが、依然力強さを示す
SEMIのシリコン製造グループ(SMG)は、2020年第3四半期におけるシリコンウェーハの出荷面積は、前年同期比6.9%増の31億3500万平方インチになったと発表した。前四半期と比べると、0.54%減になっている。
図1 シリコンウェーハの出荷面積の推移
SEMIは、半導体シリコンウェーハの出荷面積が、第3四半期が前四半期からほぼ横ばいであったが、前四半期のQ2のリバウンドが大きすぎたためだとみており(参考資料1)、31億平方インチを連続して超えていることは、まだ力強い傾向だとしている。
シリコンウェーハ面積は、シリコン半導体デバイスが生産されている様子を示すパラメータである。IC販売額は生産数の数字よりも2〜3カ月遅れるため、ウェーハ面積は先行指標といえる。もちろん、歩留まりが悪くなればウェーハ面積は増えるが販売額が減ったり、在庫が増えたりすることになり、先行指標からずれてくる。しかし、安定した生産が続く限り、出荷されたウェーハ面積とIC販売額とは、時間的に少しずれながらも相関はある。
図1のグラフからは、Q3で若干ウェーハ面積が減少したものの、回復基調にあることは読み取れる。SIA(米半導体工業会)が最近発表した世界の半導体販売額(参考資料2)では、Q2に対して11%増加、前年同期比では5.8%増となっている。つまり、Q2におけるウェーハ面積のQ1比8%増は、IC販売額ではQ3の11%増として反映されていると見える。このことはQ4のIC販売額は、Q3のそれよりも前四半期比で若干落ちる可能性があることを示唆している。それでも回復基調は変わらない高水準にあるといえるだろう。
参考資料
1. Silicon Wafer Shipments Slip in Third Quarter 2020 but Strong for Year (2020/11/02)
2. Q3 Global Semiconductor Sales Increase 11 Percent Compared to Q2 (2020/10/30)
3. シリコンウェーハの出荷面積は順調に回復だが・・・ (2020/07/30)