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シリコンウェーハの出荷面積は順調に回復だが・・・

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2020年第2四半期(4〜6月)にシリコンウェーハの出荷面積が前四半期比8%増、前年同期比6%増の31億5200万平方インチとなった、とSEMIが発表した(参考資料1)。シリコンウェーハの出荷面積は、半導体シリコンチップの出荷量の動きとリンクしており、半導体チップの売上額とも同様な推移を見せている。

図1 シリコンウェーハの出荷面積の推移

図1 シリコンウェーハの出荷面積の推移


シリコンウェーハの出荷面積は、2018年第4四半期をピークとして、2019年第4四半期までずっと下がり続けていた。2020年第1四半期になってようやく下げ止まり、これから伸びが見込まれるはずの矢先に新型コロナウイルスの感染に巻き込まれた。企業によっては工場をある期間止めた所もある。特に、各社のマレーシア工場は数日間停止していたところが多かった。

シリコンの出荷面積から見る限り、幸運にも新型コロナの影響はそれほど大きくはなかったと言えそうだ。最新の2020年第2四半期における31億5200万平方インチという数字はメモリバブルで沸いた2018年第2四半期の31億6400万平方インチにほぼ匹敵する。これまで最大のメモリバブルのピークには届いていないものの、決して悪い数字ではない。

ただ、WSTSからは5月までの数字しか発表されていないが、5月までは回復の勢いが少し鈍ってきた様子を示している(図2)。


図2 世界半導体販売額の前年同月差/比 世界半導体市場はやや回復が足踏み 出典:WSTSの数字を元にセミコンポータルがグラフに加工

図2 世界半導体市場はやや回復が足踏み 出典:WSTSの数字を元にセミコンポータルがグラフに加工


6月の数字がSIAからもWSTSからもまだ発表されていない。常に先行して発表されるSIAの数字は3カ月の移動平均で表しているため、過去からの推移は平均化され見やすくなるが、将来の数字の動向に関しては古い数字となり、見通しにくい。

図2からいえることは回復の勢いが鈍っており、やや足踏みしていることだ。図1のシリコンウェーハの推移から急回復しているということは早計だろう。半導体製造装置は、上半期は前年同月比で10%以上の2桁成長でやってきたが、2020年全体では6%成長に留まるとSEMIは見ていることから、後半は1桁の下の方の数字かマイナス成長にならなければ6%という数字にはならないため、後半はブレーキがかかるとSEMIは見ていることに他ならない。筆者がSEMIの6%は正しいと仮定して計算すると、後半はマイナス成長になる(参考資料2)。6月単月のWSTSの数字が早く待たれる。

参考資料
1. Second Quarter 2020 Silicon Wafer Shipments Up Over First-Quarter and Year-Ago Volumes (2020/07/27)
2. 2020年後半の半導体製造装置は減速する、要注意 (2020/07/28)

(2020/07/30)

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