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直近の世界半導体上位20社ランキング、大変化の予兆

2015年第1四半期における世界半導体メーカーのランキングが発表された。これは、米アリゾナ州スコッツデールを拠点とするIC Insightsが発表したものだが、第10位に台湾のファブレスMediaTekが入った。ファウンドリも含むため、その合計金額に意味はないが、GlobalFoundries、UMCも20社に入った。

表1 2015年第1四半期における世界半導体トップ20社ランキング 金額の単位は百万米ドル 出典:IC Insights

表1 2015年第1四半期における世界半導体トップ20社ランキング 金額の単位は百万米ドル 出典:IC Insights


トップ3位は従来と同様、Intel、Samsung、TSMCと変化はないが、5位にSK Hynixが入り、Micronと入れ替わった。2014年通年で10位のSTMicroelectronicsは11位に、同11位だったルネサスは14位に落ちた。トップ20社合計の平均成長率は9%となっているが、ファウンドリを除くと6%成長となる。

今回の上位20社に入った企業は19位のシャープと20位のUMCである。代わって、AMDとnVidiaが圏外に落ちた。特にAMDは2015年第1四半期の業績が26%減と悪かった。2013年からAMDは企業再構築を始め、ゲームとハイエンドサーバー領域に注力するという戦略を実行してきたが、その効果はまだ上がっていない。

トップのIntelは横ばいだったが、2015年の通年でも横ばいになるとIC Insightsは見ている。メモリ専業メーカーのSK Hynixは、これまでずっと成長を続けてきたが、今回ついに5位に入り、Micronと入れ替わった。4位のQualcommに勢いがなくなってきた。3Gの基本特許を全て持っていたため、Qualcommは3G全盛期には破竹の勢いだったが、LTE時代になり、さまざまなプレーヤーが特許を持っているため、3G時代のような「特許独占」状態ではなくなった。

シャープ全体はキャッシュが乏しくなり危機に瀕しているが、半導体は好調だ。半導体部門はシャープ全社の14%しか売り上げはないが、トップ20社の中で最も大きな62%という伸びを示した。IC Insightsが為替の影響を考慮して円ベースで見積もると88%増という。これはスマートフォン用のカメラモジュールが大きく伸びたため。シャープが公表している部門別売上額(電子デバイス部門)でも、この第1四半期は前年同期比86%という伸びなので、IC Insightsの見積もりとほぼ近い。

今回の数字にはまだ表れてこないが、2015年にはさらにNXPとFreescaleとの合併や、GlobalFoundriesとIBM半導体グループとの合併、InfineonとInternational Rectifierとの合併、CypressとSpansionとの合併などがあるため、2015年や2016年の半導体の業界地図はがらりと変わるに違いない。

参考資料
1. 2014年の世界半導体ランキング見込みをIC Insightsが発表 (2014/11/07)


(2015/05/21)

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