米調査会社からの半導体トップランキングを比較する
2010年の半導体企業トップランキングが米市場調査会社のアイサプライとガートナーからそれぞれ発表された。セミコンポータルでは、その一月前に発表されたICインサイツのトップランキング表を掲載したが、今回発表された2社のランキングは第10位を除き、1〜9位は全て同じであった。
表1 アイサプライが発表した2010年の半導体ランキング 出典:アイサプライ
アイサプライが発表した2010年の半導体企業ランキングのトップはインテルで、400億2000万ドルの売り上げに対して、ガートナーにおけるインテルは414億3000万ドル、と微妙に違っている。インテル以外のメーカーも売上額は微妙に違っているが、順位はアイサプライ、ガートナーとも1〜9位は同じ企業がランクインしている。どちらの調査会社もファウンドリの売り上げは入れていない。半導体産業全体の売り上げを数える場合にファウンドリも含めると半導体産業規模としてダブルカウントしてしまうからである。
ランクの順位が違うのは第10位であり、アイサプライはエルピーダメモリを挙げているが、ガートナーはインフィニオンを挙げている。ICインサイツのランキングからファウンドリであるTSMCの分を除くと、第10位にはエルピーダが相当する。だからと言って、アイサプライの方が正しいとはいえない。例えば第2位のサムスンの金額がICインサイツとアイサプライとででは大きく違うからである。ある部分は近くてもある部分は違っており、これらのランキングはそれぞれの市場調査会社によって別物だと考えるべきだろう。
表2 ガートナーの発表した半導体トップランキング 出典:ガートナー
*NECエレクトロニクスとルネサステクノロジを合算したもの。**マイクロンの売り上げにはニューモニクスの分も含む
全体的には二つの市場調査会社からの傾向は、先月紹介したICインサイツのデータとほぼ同じで、第2位サムスンの急追によりインテルとの距離が詰まってきている点と、サムスン、東芝、ハイニックス、マイクロンとメモリーメーカーの伸びが目立つ点である。
参考資料
1. 2010年世界の半導体ランキング、メモリー企業とファウンドリが大躍進 (2010/11/10)