世界の半導体投資、前倒しで06年は16.6%増見込む
一方でメモリー集中投資への懸念感
2006年の半導体投資は、前倒し策が進み、当初予定を大きく上回り、前年比16.6%増の552億7,980万ドルになるとの予想がGartner Dataquest社からこのほど発表された。
同社は、5月時点の見込みでは、2006年の半導体投資全体を8.8%増と見込んでいたが、24.8%へと大きく伸びている。
また、同じく、2006年の半導体設備投資額は、24.8%増の423億4,830万ドルとなり、5月の予想の14.38%増を大きく更新した。
一方で、2007年の見通しは、半導体投資が3.3%減の534億7,420万ドルに、半導体設備投資が同4.5%減の404億4,460万ドルになる見込み。
5月時点の見通しは、前者が1.2%増、後者が7.8%増となっていた。
今回の2006年前倒しの見通しは、2007年の市況の不透明感から来る。装置市場のスローダウンは2007年の下期から始まるものと見られている。同社では、DRAM、およびNANDフラッシュ市場の伸びが、今後の投資の約44%を占めると見ている。しかしながら、DRAMとNANDフラッシュは半導体市場の22%を占める製品であり、ここに投資の44%が集中していることに、アナリストは警鐘を鳴らしている。
項目別に見ると、今回大きく伸びたのが、ウエハプロセス装置で、当初見込みの11.2%増から、25.4%増の325億6,350万ドルが見込まれている。逆に下方修正となったのが組立装置で、当初見込みは19.8%増であったが、今回17.5%増の49億2,980万ドルに下方修正となった。組立装置は、アジアパシフィックが主たる市場となっているがその傾向は一層続き、2006年にはアジアパシフィックのシェアが70%ほどと見られるが、2011年には80%近くになると予想されている。
テスター市場は当初予想と横並びの28.7%増の48億5,500万ドルとなっている。