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ラピダス、Siemensの製品管理ソフトTeamcenterを採用、量産開始を高速に

Siemens Digital Industries Software社は、半導体工場向けのPLM(Product Lifecycle Management)ソフトウエア「Teamcenter SLCM」がラピダスに採用されたことを明らかにした。Teamcenterは、システムを組むための部品管理フローのソフトウエアで、開発から量産、生産中止まで使用する部品やソフトウエア部品を一貫管理するシステムソフト。

Rapidus adoptsTeamcenter for Semiconductor Lifecycle Management / Siemens

図1 ラピダスがSiemensのTeamcenterを採用 出典:Siemens


Teamcenter SLCM(Semiconductor Lifecycle Management)と、半導体産業向け標準データモデルは、製品の設計、開発、生産準備、テスト、品質管理までをシームレスにつなぐため、試作から量産までの期間を短縮する。かつて試作に使ったプロセスや条件、部品などと量産で使うそれらが違ったり、個人が管理していたり、いわばそれぞれが孤立した「サイロ」状態で、量産までに時間がかかっていた。TeamcenterのようなPLMソフトウエアは、試作、開発などのエンジニアがそれぞれExcelなどのアプリケーションで書かれていた仕様や条件、プロセスなどを一貫して管理するため、Time to marketを短縮し、トレーサビリティの強化や品質確保などに威力を発揮する。

加えてTeamcenterでは、各プロセスにおけるデータも管理できるため、データが大量に得られることで、AIや生成AIを導入している。このためデータインテグリティを上げ、データの正確さを上げることができる。例えば、どのプロセスのデータやどこの部品なのかについてAIに訊ねると適切に応えてくれるという。

Teamcenter SLCMでは、品質を制御するため、PDK(プロセスデザインキット)や工程表(BOP: Bill of Process)、品質管理を、標準機能を利用してPLM内で一元管理する。プロセス間を通じてデータを連携させることで、品質を高め、歩留まりを向上させ、知識の蓄積と再利用を容易にしつつ、オペレーションの生産性を上げることができる。

しかも、半導体でよく使うEDAツールとして、Siemens EDA社(旧Mentor Graphics)のCalibreもTeamcenterに統合しているため、物理設計(配線やレイアウト)の検証や、回路の検証、信頼性の検証(電気的な回路設計と物理的な設計ルールをチェックしレイアウトを最適化することで初期不良を削減)、DFM(Design For Manufacturing)、3D-IC設計(フロアプランから最終的なサインオフまで実現)などの機能も使える。CalibreのDFMではこれまでのパターンデータを機械学習で学習させているため、高精度ながら高速に適切なパターンを修正できるという。

ラピダスがTeamcenterを採用したのは、2nmプロセスでの設計や検証、製造まで一貫しており、さらにCalibreも統合していることで、なじみが良いのではないか、と見ている。

(2025/08/01)
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