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Intel、7nmプロセス立ち上がり遅れ、部門リーダーを入れ替え

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Intelがテクノロジーの担当役員を大きく変える。同社は決算発表(参考資料1)において、7nmプロセスの製品が6カ月〜12カ月後倒しにすると述べたことで株価を下げ、反面TSMCの株価が大きく上昇した。このことを受けてテクノロジー担当役員を総入れ替えする。変えたのは、技術開発、製造、設計技術の3部門で、アーキテクチャやサプライチェーン担当は変わらない。

図1 Intel CEOのBob Swan氏 出典:Intel Corp.

図1 Intel CEOのBob Swan氏 出典:Intel Corp.


IntelのBob Swan CEO(図1)は7月27日(米国時間)、テクノロジー部門の責任者を新規に任命した(参考資料2)。技術開発部門には、長年製造部門をけん引してきたAnn Kelleher氏を任命した。彼女には、新型コロナウイルス感染拡大の間も生産ラインを止めず、加えて10nmプロセスの立ち上げを加速させてきた実績がある。今後、7nmと5nmプロセスに集中した技術開発をけん引する。CTOであったMike Mayberry氏(参考資料3)は、予定されている年末の定年退職まで、技術開発部門をサポートする。

製造ライン(Manufacturing & Operations)部門のトップはKeyvan Esfarjani氏になる。彼は長年メモリのNSG(Non-volatile memory Solutions Group)部門のリーダーを務めていた。不揮発性メモリのビジョンと戦略を担当してきて生産能力を急拡大させた。これから生産部門をけん引し、Kelleher氏の生産ラインの立ち上げを加速し、新工場ラインの建設に力を注ぐ。

設計技術(Design Engineering)部門のトップには、暫定的にJosh Walden氏が就く。彼は製造向きの技術とプラットフォーム技術のリーダーであった。Intelとしては、世界クラスのリーダーを任命するまで世界中から適任者を探す。

アーキテクチャ・ソフトウエア・グラフィックス部門のリーダーであるRaja Koduri氏と、サプライチェーン部門のリーダーであるRandhir Thakur氏は、引き続き業務を継続する。

Intelの製造プロセスは、TSMCやSamsungと比べて遅れていると言われてきた。昨年は10nmプロセスのPC用CPUが遅れ、パソコンメディアに叩かれていた。今年になってCPUの供給が追い付いた。

ここ数年、Intelはデータカンパニーになると標榜しており、データセンター向けのCPUに力を注いできた。この第2四半期になり、ようやくデータセントリック部門の売り上げがパソコン部門の売り上げを超えた。2020年第2四半期の売上額の構成(参考資料1)を見ると、前年同期比でデータセントリック部門の成長率が34%増、パソコン部門のそれは7%増という結果であった。1年前の第2四半期売上額は165億ドルで、データセントリック部門がその46%、パソコン部門が54%だったが、今年の売上額は197億ドルと19.4%増え、それぞれの売上比率は52%、48%と逆転した。

今年のCPUのリリース予定としては、ノートPC用10nmプロセスのTiger Lakeは第3四半期に、Ice Lakeサーバーは年末、第2世代の10nmプロセスのXeonプロセッサSapphire Rapidsは下半期にサンプル出荷、10nmプロセスのモバイルPCとデスクトップPC用のAlder Lakeは2021年下半期になる見込みである。そして、7nmのCPUは半年から1年遅れるが、7nmの歩留まりが目標にまだ達していないためとコメントしている。

7月23日の第2四半期の決算発表でこれらについて述べた後、ビジネスメディアに叩かれ、7nmプロセスはTSMCに依頼するのではないかとの憶測が飛び、株価を落とした。このため、IntelはBob Swan CEOの名前でプロセス開発と製造部門のリーダーを新たに任命した。

参考資料
1. Intel Reports Second Quarter 2020 Financial Results (2020/07/23)
2. Intel Makes Changes to Technology Organization (2020/07/27)
3. VLSI Sympo報告:IntelのMayberry CTO、コンピュータトレンドを語る (2020/06/19)

(2020/07/30)

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