米大統領の07年度ナノテク関連予算要求、12.8億ドル
06年推定額比、1.9%減
米国ブッシュ大統領の2007 年度NNI(The National Nanotechnology Initiative 国家ナノテクノロジー・イニシアティブ)の 予算要求額は12 億7,800 万ドルで、前年度要求額の10 億5,400 万ドルよりは2 億2,400 万ドルの増額となったが、2006 年度推定額、13 億300 万ドルとの比では1.9%の減少となる。
2007 年度の連邦政府NNI 投資は2001 年度水準の約2.75 倍にまで拡大し、省庁別では、NNI 投資額の上位5 省庁である全米科学財団(NSF)、国防省(DOD)、エネルギー省(DOE)、厚生省(HHS)の国立衛生研究所(NIH)、商務省の国立標準規格技術研究所(NIST)の予算が2001 年度水準の2.5 倍以上に伸びた。
省庁別予算要求
2006 年度推定と2007 年度要求額を比較すると、NSF、DOE、NIST およびEPAの予算が各々8.4%、24.6%、10.3%および80%の増額を受けるのに対し、DOD 予算は大幅縮小(9,100 万ドル、20.9%減)となっている。同省の2006年のナノテク研究開発投資額は、議会の指定交付金約1 億3,000 万ドルを受けており、これを除いて比較すると、2007 年度は前年度よりも12.7%の増額となる。単純に予算比較できない一面である。
プログラム内容別大統領予算要求
2007年度のプログラム内容別の大統領予算要求は、7項目ある中で、「研究機材、メトロロジとスタンダード」(前年度推定比26.8%増)、「ナノマニュファクチャリング」(同35.0%増)、「主要研究施設や装置調達」(同12.7%増)、および、「社会的側面」(同14.5%増)の4 分野で、これらの予算総額は2006 年度推定の3 億780万ドルから3 億6,340 万ドルに増額要求されている。一方で、投資額の上位3 分野を占める「ナノスケールで生じる基本現象とプロセス」、「ナノマテリアル」、および、「ナノスケールデバイスとシステム」は、2007 年度予算が各々、4.2%、10.2%、11.4%削減され、これら3 分野の予算要求総額は9 億9,470 万ドル(2006 年度推定)から9 億1,490 万ドルに縮小している。
参照資料:
1.The National Nanotechnology Initiative - Supplement to President’s 2007FY Budget
2.NEDO海外報告書「国家ナノテクノロジー・イニシアティブ」年次報告書概要その2(米国) − 2007 年度大統領予算案に対する補足資料 −