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市場に変革の波を巻き起こす「5G」、摩擦の中の各社の取り組み&実態

Samsungに続いてHuaweiが5G対応スマートフォンを発表、新型iPhoneに対抗する5G推進陣営および関連業界の取り組みの熱気を一層高めている。IoTの産業インフラ、消費者向けなど幅広い応用はじめ次世代通信「5G」が市場に巻き起こす変革の波への期待が日に日に感じられる現時点である。各社の動きでは、Qualcommが「5G」部品を完全子会社化している一方、米中貿易戦争の渦中にあるHuaweiについては、Googleアプリ&サービス対応の問題から5Gスマホの欧州での販売を早々に遅らせている。ソフトバンクは5G基地局計画を2年前倒し、そして台湾半導体ベンダーからは5G対応のR&D計画およびメモリ半導体の投入などが見えてきている現時点である。

≪「5G」への備えの一方、軋轢も≫

移動体通信の通信技術および半導体の設計開発をこれまで引っ張ってきているQualcommについて、5G対応関連の内容をまず示していく。

◇At Qualcomm, 5G is headed everywhere and into virtually everything-Analysis: Qualcomm 5G to lead market transformation (9月13日付け VentureBeat)
→Qualcommの5Gは、来る5年の間に市場の変容を引っ張っていくのに最善の位置づけにある旨。spectrum共有, towerソフトウェア, towers増加およびphones改善が、すべて新しいconnectivityの形をより広げていき、無線, アンテナおよび該技術を自動運転車およびmixed realityなどの領域で適用していく能力におけるQualcommの進歩が重要となる旨。

「5G」部品を完全子会社化する動きである。

◇Qualcomm pays TDK $3.1 billion to fully own 5G RF front-end venture-Qualcomm takes full ownership of RF360 JV for $3.1B (9月16日付け VentureBeat)
→QualcommがTDKに$3.1 billionを支払って、radio-frequency front-end(RFFE)開発の合弁、RF360 HoldingsにおけるTDKのownershipを手に入れる旨。これによりQualcommは、Snapdragonプロセッサ, アンテナ, RF front-endsおよび5G modemsを1つのパッケージにしっかりと統合が行える旨。

◇クアルコム、「5G」部品を完全子会社化 (9月18日付け 日経)
→米半導体大手、クアルコムは16日、TDKとの合弁会社で、通信部品を手掛ける「RF360ホールディングスシンガポール」(シンガポール)を完全子会社化すると発表、TDKが保有していた49%の株式を11億5000万ドル(約1240億円)で買い取った旨。クアルコムは次世代通信規格「5G」に対応したスマートフォン用部品の開発を加速する狙い。

Qualcommトップの取り組みの弁である。

◇クアルコム社長、「5G半導体供給、幅広いスマホで」 (9月20日付け 日経)
→米通信半導体大手、クアルコムのクリスチャーノ・アモン(Cristiano Amon)社長は19日、都内で次世代通信規格「5G」の取り組みについて記者会見した旨。5Gスマホ向けの半導体は中国・華為技術(ファーウェイ)傘下の海思半導体(ハイシリコン)などとの競争が激しい旨。アモン社長は「普及価格帯のスマホで5Gを実現する」と強調。5Gスマホ向け半導体を幅広い価格帯のスマホに供給していく方針を明らかにした旨。クアルコムの5G半導体は、韓国サムスン電子や中国のOPPO(オッ)など150以上の端末で採用が決まっている旨。

5Gの技術評価、5G半導体、5G基地局、と数多い切り口の動きである。

◇Sprint Completes 5G Vehicle-to-Everything Pilot, Showcases Public Safety Applications for 5G-5G chips alert first responders more quickly over Sprint net (9月13日付け Telecompetitor)
→緊急の車に向けて道路をより安全にしていく会社、HAAS Alertが、Sprintが特性評価するものをChicagoでのSprint 5Gネットワークを用いる"有望な"vehicle-to-everything pilotであると仕上げた旨。

◇Integrated 5G Chips Revealed at IFA-5G gets boost from mobile processors integrated with modem in SoC, and platform with integrated RF system. (9月13日付け EE Times India)

◇ソフトバンク、5G基地局整備計画を2年前倒し−2022年度末に1万1千局 (9月16日付け 日経 電子版 23:00)
→ソフトバンクは次世代通信規格「5G」の基地局整備を当初計画から2年前倒しする旨。当初は2024年度末を最終年とした全国約1万1千局の整備を2022年度末に終える方針。2020年3月に5Gの商用サービスを始める予定で、早期に全国の市町村で利用できる体制を整える旨。新たな通信網の整備競争を促すことになれば、5Gを使った高度なサービスの普及を後押しすることになる旨。

modem半導体を撤退したIntelについて、以下の振り返りである。

◇Intel 5G Exec Cormac Conroy Departs Company-Cormac Conroy, a 5G modem leader, left Intel in July-An Intel spokesperson tells CRN that LTE and 5G connectivity remains important for Intel's PC business. (9月16日付け CRN (US))
→Intelの5G modem活動を引っ張ったexecutive、Cormac Conroy氏が、同社が7月後半にスマートフォンmodem事業の大半をAppleに売却する取引を発表するほんの前に、辞任していた旨。

米中貿易戦争のキーワードとなっているHuaweiは、「5G」対応新型スマートフォンを打ち上げているが、Googleアプリ&サービス対応の問題はじめ以下の通り波乱に富んだ動きが続いている。以下関連含め示している。

◇ドコモ、ファーウェイの5Gスマホ採用見送り (9月18日付け 日経)
→NTTドコモが次世代通信規格「5G」で、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)製スマートフォンを採用しない方針であることが分かった旨。米政府によるファーウェイへの事実上の禁輸措置により、新機種に米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」関連ソフトを搭載できなくなる見込みのため。国内に限らず世界的に見直しの動きが広がる可能性がある旨。複数のNTTグループ幹部が明らかにした旨。ドコモは2020年春の5G商用サービス開始に合わせ、5G対応スマホの販売を始める計画だが、ファーウェイと調達交渉をしない方針。

◇Huawei: How Big Is Their Lead? (9月18日付け EE Times India)
→Huaweiがグローバル5G市場で果たす役割は限りがあるとして、同社の最新の"5G出荷"、20万5G基地局の訴えは、大げさではないとしても積極的に思われる旨。

◇ファーウェイ、グーグルアプリ搭載できず、新製品発表 (9月20日付け 日経 電子版 00:15)
→中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)は19日、次世代通信規格「5G」に対応する新型スマートフォン「Mate30」を欧州で発売すると発表、米政府の制裁の影響で、米グーグルとの取引が禁じられ、主力アプリ「Gメール」や地図アプリ「グーグルマップ」が搭載されない初の機種となった旨。特に同アプリに慣れ親しんできた海外ユーザは敬遠し、今後、海外販売は大きく減ることが予想される旨。独ミュンヘンで同日開かれた新製品の発表会で、スマホなどを統括する事業の最高経営責任者(CEO)、余承東氏は「(新製品では、グーグルの主要アプリを指す)GMSは使えない」と明言、そのうえで「(自社開発したアプリストアの)『アップギャラリー』で、動画など様々なアプリをダウンロードして利用できる。心配はいらない」と述べた旨。

◇Huawei talks up own apps with Mate 30 challenge to Apple, Samsung-Huawei promises smartest 5G phone, but who will be brave enough to buy? (9月19日付け Reuters)
→Huaweiが木曜19日、AppleのiPhone 11に挑む新しいスマートフォンを披露、巧妙な設計およびbest-in-class featuresを声高の一方、Googleの人気アプリへのアクセスが欠ける懸念には軽視の旨。

◇Huawei delays sale of Mate 30 smartphones in Europe as trade ban bars access to Google apps, services (9月19日付け South China Morning Post)
→Huawei Technologiesが、新たに打ち上げたMate 30スマートフォンシリーズの中国以外で最大の市場、欧州での販売を遅らせる旨。該handsetsは、米国貿易禁止措置のもとGoogleアプリ&サービスへのアクセス権がないための旨。

世界の「5G」規模は如何なるものか、次の表し方が見られている。

◇世界5G契約数、2025年に41億 (9月20日付け 日経産業)
→矢野経済研究所(東京・中野)は次世代通信規格「5G」サービスの契約数が2025年に世界で41億にのぼる見通しだと発表、2019年春から米国や韓国などが商用化し、日本でも2020年春から本格サービスが始まる旨。2025年には中国が世界市場の3分の1を占める15億契約、米国は4億契約、欧州連合(EU)は8億契約に達する見込み。5Gは、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や、自動運転、遠隔診療などの分野で活用が見込まれる第5世代の通信規格。

台湾の半導体メーカーから5G対応の製品&取り組みが、以下の通りあらわされている。

◇Winbond launches LPDDR4X memory-Winbond unveils LPDDR4X DRAMs for 5G, AI (9月20日付け DIGITIMES)
→Winbond Electronicsが、5Gおよびartificial intelligence(AI)における5G mobile phones, 8K televisions, advanced driver-assistance systems(ADAS), セキュリティ監視システム, smart speakersなどの応用に向けてLPDDR4X DRAMsを投入の旨。該メモリ半導体は、25-nmプロセスで製造、2-gigabitおよび4Gbデータストレージcapacitiesがあり、8Gbバージョンがまもなく出てくる旨。

◇MediaTek invests NT$100bn in 5G tech-MediaTek spends $3.23B on developing 5G tech (9月20日付け The Taipei Times (Taiwan))
→MediaTekが、5G cellular通信に向けた技術開発に$3.23 billionを投資する旨。ここ3年で同社は、5G技術に年間R&D予算の20-30%を充てている旨。

ニュージーランドの若い女性首相をテレビでも見かけたが、5G対応についてHuaweiの扱いは政治的に判断しないとのスタンスである。狭間の配慮がうかがえている。

◇NZ首相、ファーウェイ5G排除「政治判断しない」 (9月19日付け 日経 電子版 18:06)
→来日中のニュージーランド(NZ)のアーダーン首相は19日、東京都内で日本経済新聞のインタビューに応じ、同国の次世代通信規格「5G」を巡る中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の参入について「政治的な判断はしない」と述べた旨。参入の是非は公的な情報機関が個別に決定すると強調し、一律の排除を求める米国とは距離を置く姿勢を示した旨。


≪市場実態PickUp≫

【米中摩擦関連】

小康状態に見える中の以下動き、データである。

◇Senators want FCC to review Chinese telecom approvals to operate in U.S.-US lawmakers seek look at approval of Chinese telecoms (9月16日付け Reuters)
→米国上院の民主党リーダー、Charles Schumer氏と共和党Tom Cotton氏が、Federal Communications Commission(FCC)のchairman、Ajit Pai氏に対し、China TelecomおよびChina Unicomの米国での活動を認めている2000年代始めの承認を見直すよう求めている旨。

◇中国経済さらに減速、8月工業生産は伸び率4.4%に縮小 (9月16日付け 日経 電子版 19:00)
→中国経済の悪化が止まらない旨。16日発表の2019年8月分の経済指標によると、工業生産の伸びは前年同月比4.4%と7月より減速し、リーマン・ショック直後以来の低水準に沈んだ旨。小売売上高や投資の伸びも縮小、米国との貿易戦争で製造業が不振。中国政府は金融緩和とインフラ投資に動くが、強い下押し圧力をどこまで緩められるかは不透明。

10月の閣僚級協議に備える次官級協議が始まるということで、歩み寄りの期待感をもつところであるが、早々の小競り合い、駆け引きが見られている。

◇Vice President Mike Pence says White House is 'hopeful' for a deal with China - but it's not clear 'they want to do it yet' (9月19日付け CNBC)
→Mike Pence副大統領が木曜19日、Donald Trump大統領とWhite Houseは中国との全面的な貿易合意を得られると"依然希望をもっている"一方、北京が対応の備えがあるか明らかでない旨。中国が取引を行いたいとしている感覚はあるが、そうしたいかどうかわからない旨。

◇米中、2カ月ぶりに協議再開、次官級で歩み寄り探る (9月20日付け 日経 電子版 05:33)
→米中両政府は19日、ワシントンで次官級協議を始めた旨。対面交渉は7月末以来、約2カ月ぶり。米農産品の輸入拡大や、知的財産侵害など中国の構造問題を話し合う旨。中国政府の代表団は来週、米国の農家も視察する予定。両政府が互いに歩み寄りの姿勢を演出するなか、10月の閣僚級協議に向けて具体策を詰められるかが焦点。

◇中国代表団、米農家の視察を中止、次官級協議を開催 (9月21日付け 日経 電子版 03:38)
→米中両政府は20日、貿易問題を巡る次官級協議の2日目を開いた旨。中国政府の代表団は来週、西部モンタナ州の農家を視察する予定だったが、中止となった旨。トランプ大統領がこだわる米農産品の輸入拡大で、議論が難航した可能性がある旨。10月に予定する閣僚級協議に向けて、両政府の駆け引きが続きそうな旨。

◇米中、農産品で駆け引き激しく、トランプ氏「購入不十分」 (9月21日付け 日経 電子版 23:00)
→貿易協議を再開した米中両国政府が早くも激しい駆け引きを繰り広げている旨。次官級協議のため訪米した中国政府の代表団は20日、翌週予定していた米農家の視察を急きょ中止した旨。トランプ米大統領は中国が示す米農産品の購入量が「不十分」と再考を求めた旨。10月前半に予定する閣僚級協議に向けて薄氷を踏む展開が続く旨。

もう1つ、米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げが行われ、Trump大統領の思いには至らない、これも応酬の様相が続いている。中国でも歩調を合わせる下支えの対応である。

◇Fed Intervenes to Curb Soaring Short-Term Borrowing Costs-Fed readies 2nd cash injection into money markets -For first time since 2008 the central bank injects funds into money markets after a sudden shortage of cash (9月17日付け The Wall Street Journal)
→Federal Reserveが、10年上回って初めてのこと、米国money市場にcash注入、短期利率が続いて高まった後でさらに$75 billionを注入する計画の旨。Fedは、cash不足がratesを10%ほどに高めて、より広い市場で混乱を引き起こす可能性があって干渉している旨。

◇Fed cuts interest rates by another quarter point (9月18日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)

◇Fed jumps into markets to push down rates, a first since 2008 (9月18日付け SILICON VALLEY BUSINESS JOURNAL)
→Federal Reserve Bank of New Yorkが火曜17日、Great Recessionの間のpolicy-settingアプローチ変更以来初めての大きなrepurchase市場操作を行う旨。

◇Fed Cuts Interest Rates To Prop Up The Slowing Economy-Fed expected to cut rates by a quarter percentage point (9月18日付け National Public Radio)

◇FRBが0.25%追加利下げ、緩和継続は判断割れる (9月19日付け 日経 電子版 03:02)
→米連邦準備理事会(FRB)は18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25%引き下げ、7月に続く追加利下げに踏み切った旨。貿易戦争のリスクを警戒し、政策金利を1%台に下げて景気悪化を防ぐ旨。声明では「景気に不確実性が残る」と追加緩和の可能性を示唆したが、年末までに追加利下げを見込む会合参加者は過半数に達していない旨。

◇「景気減速なら追加緩和」、FRB議長、市場に配慮 (9月19日付け 日経 電子版 07:59)
→米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は18日の記者会見で「景気が減速すれば、利下げ継続が適切だ」とさらなる追加緩和の可能性を示唆した旨。ただ、政策を決める米連邦公開市場委員会(FOMC)は17人の参加者のうち、2019年末までの追加利下げを見込むのは7人だけ。トランプ大統領は「根性なし!」と批判し、金融緩和の圧力を強めている旨。

◇中国が小幅利下げ、貸出金利4.2%に、景気下支え (9月20日付け 日経 電子版 10:43)
→中国人民銀行(中央銀行)は20日、事実上の政策金利である最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)の1年物をいまの4.25%から4.2%に下げると発表、0.05%の小幅な利下げとなる旨。米連邦準備理事会(FRB)の利下げに追随し、下押し圧力が強まる経済を支える旨。

【日韓摩擦関連】

日韓関連は、輸出管理の応酬が続いているが、Samsungは日本重視のぶれないスタンスとなっている現時点である。半導体材料の韓国国内での自主開発がどうなるか、政治&経済の推移次第で煽られそうな状況が続いている。

◇韓国、18日から日本除外、輸出管理の優遇対象国 (9月18日付け 日経 電子版 00:00)
→韓国の産業通商資源省は17日、安全保障にかかわる戦略物資の輸出管理の優遇対象国から18日付で日本を除外すると発表、在韓企業が通信サーバや石油化学製品など1735品目を日本に輸出する際は手続きが増えるケースが出てくる旨。ただDRAMなど半導体メモリは対象外になった旨。日本企業には警戒もあるが、当面の影響は軽微との見方が多い旨。

◇サムスン、ぶれぬ日本重視、「日韓半導体連合」には暗雲 (9月20日付け 日経 電子版 02:00)
→日韓の産業界が輸出管理の厳格化で揺れるなか、渦中の韓国サムスン電子による日本重視の調達姿勢は足元では変わっていない旨。半導体の先端開発を主導する同社にとって部材で先行する日本からの調達は必然で、日系企業も巨大顧客サムスンを手放す理由はない旨。ただ政治対立により日本依存リスクが表面化したことで、「日韓半導体連合」の先行きには不透明感も漂い始めている旨。

◇日韓、WTO提訴巡り協議へ、菅原経産相が発表 (9月20日付け 日経 電子版 11:39)
→菅原経済産業相は20日、日本による輸出管理の厳格化が世界貿易機関(WTO)協定に違反しているとして韓国が提訴したことを受け、2国間協議に応じると発表した旨。協議で60日以内に解決しない場合は、第一審にあたる紛争処理小委員会(パネル)での審理に移る旨。協議では解決に至らない公算が大きく、長期化は避けられない見通し。

【2020年の半導体市場見通し】

今年、2019年の落ち込みはやむなしとして、来年、2020年の半導体市場はどうなるか。メモリ市場、半導体全体の表し方が見られている。5G、AI、IoTなど新分野の台頭&伸びへの期待が大方と思われる。

◇Memory market expected to rebound in 2020-Observers: Memory market to bounce back next year (9月18日付け DIGITIMES)
→市場観測筋発。途上のAI, IoTおよび5G応用が、半導体&コンポーネント需要を刺激していって、メモリ市場では来年戻しが起こりそうな旨。半導体装置サプライヤ世界最大手の1つ、Applied Materialsは、DRAMデバイス投資が来年増加すると見ている旨。

◇Semiconductor Industry to Rebound in 2020 with 4% Growth (9月19日付け EE Times)
→業界アナリスト、Future Horizonsのchairman and CEO、Malcolm Penn氏が、今週ロンドンでの中期半導体業界予測セミナーにて、業界fundamentalsは健全、2019年に約15%の落ち込みの後、該業界は2020年に約4%の伸び、$414 billionになっていく旨。

【半導体業界M&A】

久しぶりの取り上げの感じ方があるが、昨年の熱い活況から今年は冷え加減の半導体市場、そして新分野への盛り上がりの期待となると、あの半導体業界M&Aが数倍にも増大した2015年および2016年を思い起こして再来の可能性につながっていく。

◇Semiconductor Acquisitions Regain Momentum in 2019 -This year's merger and acquisition announcements are driven by deals in networking and wireless connectivity ICs and by suppliers adding products for automotive systems and other strong-growth markets into the next decade. (9月18日付け IC Insights)

◇M&A speeds up again-Report: Semi industry M&A regains momentum (9月19日付け Electronics Weekly (UK))
→IC Insightsのupdate to the 2019 McClean Report発。半導体メーカーmerger-and-acquisition(M&A)活動が、2019年1-8月で$28 billionとなり、すでに2018年の$25.9 billionを上回り、2017年に僅かに及んでいない旨。2015年および2016年は、microchip M&Aの最高水準を映し出している旨。

【Semicon Taiwan】

恒例のSemicon Taiwan 2019(9月18-20日:台北)が開催され、以下の概要である。

◇Semicon Taiwan 2019 to open with 700 exhibitors (9月16日付け DIGITIMES)
→annual Semicon Taiwan tradeshowが、9月18-20日台北で開催、今年のテーマはcutting-edge technologies enabling the semiconductor industry to work to extend silicon scaling beyond Moore's Lawに重点化の旨。世界中から2,200を上回るブース、700の出展社。

台湾の主要メーカーからのプレゼンであるが、まずTSMCについて。以下の通り先のHot Chipsと合わせ、Moore's Law信奉の色合いに注目させられている。

◇TSMC Thinks It Can Uphold Moore's Law For Decades (9月13日付け The Next Platform)
→最近のHot Chips conferenceにて、TSMCのvice president of corporate research、Philip Wong氏プレゼン。Moore's Lawは生きており健康であるだけでなく、正当な技術を達成する方法の供給をもって向こう30年存続できる旨。

◇TSMC's Liu upbeat on chip industry-TSMC chairman is optimistic about the industry's future (9月19日付け The Taipei Times (Taiwan))
→TSMCのchairman、Mark Liu(劉音)氏が、半導体業界の今後の成長について楽観的な見通しを述べる一方、台湾政府に対し該分野での大学リサーチの支援も督促の旨。「TSMCに対してMoore's Lawは生きており健全」と、SEMICON Taiwanイベントでの講演で同氏。

FoxconnそしてASE Technologyからのプレゼン内容である。

◇Foxconn aims to become solution provider in semiconductor industry-Foxconn exec sees company delving into IC design, chip IP (9月19日付け DIGITIMES)
→Foxconn GroupのSemiconductor Sub-Group、vice president、Bob Chen氏、Semicon Taiwan 2019での講演。半導体業界におけるFoxconn Groupの発展方向は、主に垂直統合に重点化、ソリューションプロバイダーを目指し、投資をIC設計などlight-asset事業に主に充てていく旨。

◇Pan-Moore's Laws to drive expansion in heterogeneous chips integration, says ASE COO-ASE exec looks beyond Moore's Law for heterogeneous chips (9月19日付け DIGITIMES)
→ASE TechnologyのChief Operating Officer、Tien Wu氏、Semicon Taiwan 2019での講演。Moore's LawはCPUsおよびメモリの展開を定める一方、acoustics, microelectromechanical system(MEMS)デバイス, optics, taste-sensing技術およびvideoの今後はpan-Moore's Lawsにより支配される旨。次のステップは、system-in-package(SiP)技術搭載heterogeneousチップセットの継続的展開、と主張の旨。

【IoT関連】

Internet of Things(IoT)について、機器市場の先行き遠大な見方、学生コンペの催し、そして日立製作所のIoT世界本社米国設立、といずれも革新的な将来に向けた内容である。

◇Shipments of Bluetooth-Enabled IoT Devices to Surpass Smartphones in 2024-ABI: Bluetooth-enabled IoT devices to ship more than phones by 2024 (9月13日付け Light Reading)
→ABI Researchのレポート。Internet of Things(IoT)機器が2024年までにBluetooth市場を席巻、製品出荷でスマートフォンを徐々に押しのけていく旨。しかしながら、スマートフォンは見通せる今後についてWiFiおよびBluetooth両方で引き続き重要であると述べている旨。

◇IoT Student Challenge Finals: Live Stream Sept. 21 (9月16日付け EE Times)
→Keysight Technologiesのイベント、IoT Innovation Challengeについて。

◇日立、米にIoT世界本社、脱ハード依存の試金石に (9月18日付け 日経 電子版 00:00)
→日立製作所はあらゆるモノがネットにつながる「IoT」事業の世界展開に本腰を入れる旨。2020年1月に、同事業の世界本社と位置づける新会社を米国に設立。生産設備の稼働監視や商業施設での購買分析などのサービスを幅広く提供する旨。現在の顧客は大半が国内だが、米アマゾン・ドット・コムなど「GAFA」と呼ばれるIT大手などが存在感を示す北米市場を積極開拓する旨。産業機器などハードだけでなく、サービスでも稼ぐ事業モデルを構築できるかの試金石となる旨。


≪グローバル雑学王−585≫

起きてから寝るまで我々の1日の生活の場面に入ってくるAI、身体だけではなく心の健康をフォローできるが、いくらAIがだいたいのことをやってくれても人間が暇になることはなかろう、と読み進めてきた

『イラストで読むAI入門』
 (森川 幸人 著:ちくまプリマ―新書 322) …2019年3月10日 初版第一刷発行

も今回で収めとなる。AIに求めるものが東洋と西洋で価値観から違ってくるとのこと、とにかく悪く害になる働きとならないようにAIをもっていかねばならないが、倫理観などすべて盛り込んだ世界的なスタンダードの確立となると、まだまだ時間を要する感じ方がある。


第三章 「おはよう」から「おやすみ」までのAI   …2分の2…

□心の健康にもAI
・AIは身体の健康だけではなく、心の健康もフォローできる
・AIが投稿から検出するもの
 …極端に良俗に反した内容
…特定の人を攻撃した内容
 …自殺の予兆があると考えられる書き込み
 →間接的に救いの手を差し伸べるような取り組み
・AIは普段の投稿の内容や頻度の違いから、その人のその時のメンタルの状態を判断
 →発話をモニタリングすることで、その人のメンタル面のコンディションが推測できる
・AIにはその人が書くような文章が書ける、ということでも
 →これが悪用されるのは恐ろしいが、便利になる面も
  …気まずいメールを書かなくてはならないとき、AIが代わりに
  …SNSで面白いネタを拾って自分の代わりにツイート
・実は、その人らしく呟くサービスはすでに始まっている
 →SNSに投稿している人の何割かは、生きた人間ではなくAIがそれらしく呟くアカウントということになるかも
・AIが仕事として文章を書いて、とてもうまくいっているのがニュース記事や天気予報
 →現在、スポーツの分野ではかなり使われている
 →情報だけを淡々と伝え、おそらくもう人間が書いた記事と区別がつかないと思う
 →天気予報も文章に定型があるので、AIには学習しやすい
・定型があるものとして、ある金融機関のお客様サポートセンターのQ&Aも、すでにIBMワトソンが担当
 →今はまだ、「AIがお答えします」となるとかなりの人が怒るのだそう
 →人間に答えてほしいところ
・AIが対応する場合、回答を一つしか提示しないと人間はストレスを感じるという調査結果も
 →選択肢を3つぐらい示し、このうちどれを選んでもよいとすることでストレスが少なくなるそう
 →最終的に自分が選んでいると思うと納得できる
 →AIと人間の関わり方のヒント
・主観の入る世界では、AIが手がけたということはまだネガティブな方向に
 →はっきりした正解のある「理屈」や「知性」の世界から、小説や歌のように主観に頼る「感性」の世界へ
 →AIのチャレンジは始まったばかり

□AIと人の区別がつかない
・金融会社のお客様サポート
 →これからは、電話口で対応しているのは生身の人間でも、裏で回答文を作成しているのは実はAI,というケースが多々出てくるのではないか
・また、保険業界では新しい商品を開発するのがとても難しいとのこと
 →しかし、AIはそのような難題もこなせるようになっている
・AIは新しい料理レシピも開発できるように
 …IBMワトソンの1つ、「シェフ・ワトソン」
  →プロの一流シェフの感想:「我々にはちょっと想像もつかないようなレシピ」
・最近のスーパーでの野菜や果物の商品ラベル
 →AIを使えば、生産者のスキルや思想がわかったり、生産環境がわかったり、買う人にとってその素材は必要かどうか、その素材の調理方法まで教えてくれるようにも
・これからは、今までは孤立していた各家電がネットワークを組んで協調し、人間をサポートしてくれるようになるという、初めての経験が待っている

□AIが普及してもやっぱり人は忙しい
・AIが普及して大体のことをしてくれるようになると、人間は暇になるのか
 →そうはならない気がする
・個人的にはスマホでゲームができるようになってから、時間の使い方がずいぶん変わったと感じている
 →短い時間でも遊べるようになっている今のゲーム
 →スマホの登場で、細切れの時間の活用法が発見された
・どんなに忙しい人でも、一日のうち5分や10分の隙間時間が5、6回ぐらいはあるはず
 →今後、隙間時間をごそっと集めてくれるスケジュール管理をしてくれるAI
 →指定した時間は人からの連絡を遮断するようなAIが登場してくるのでは
・介護の世界にもロボットが導入されていく
 →気を使わなくていいし、悪態をついても機嫌が悪くならない
 →意外にロボットの方がいいと思う人が多いかも

□AIに求めるもの
・東洋と西洋の価値観の違い
 →工業用ロボットや工場のラインの装置にもいちいち名前をつけるような日本人のメンタリティは、おそらく西洋人にはさっぱりわからない
・介護ロボットにしても、日本の場合は表情が豊かでなければ受け入れられないかも
・日本の場合は、機械相手でも友だちのように思ってしまう傾向が強い
 →西洋では神さま、人間、それ以外のものというヒエラルキーがはっきり
 →東洋では人も動物も道具も自然界のものも自分と横並びという感覚
・「AIに心を持たせよう」「ロボットを友だちにしよう」という視点には、日本にアドバンテージがあるように思う
 →日本のAIはゲームやアニメ、今ならVチューバー(「バーチャルYouTuber」)などと協力し合うことで、独自のAIを開発できる可能性

□普及するとAIとわざわざ言わなくなる
・2012年にAIの第三次ブームが到来したとき、僕(著者)のところにもいろいろと取材
 →AIはすべてに入る、すべてのことができるようになる、と答えた
 →これはちょうど、1980年代にマイコンやパソコンが出てきたときと同じような状態
・AIは、今後、どんどん家電や道具に入っていき、生活全般で役に立つものになっていく
 →AIなしでは語れない時代がくる
 →AIが当たり前の技術になって「AI」という言葉が世間から消えていく
・AIと当たり前のように一緒に暮らす生活は、もうすぐそこまで来ている

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