セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

世界で一番信頼されている企業とそれを支える部品企業

|

発売3日間で1,000万台を発売したアップル社のiPhone 6、iPhone 6 Plus。ほとんどの人が実物にふれないで注文して入手したはずである。今回はフォームファクタ(サイズが大きく、さらに薄くなった)が大きく変更になったのにも関わらず、売れた。これまでのアップル社の新製品発表の実績から消費者は製品の出来栄えやクオリティを触らないで信じたのであろう。SIMロックなしのバージョンでも日本円換算で10万円以上の製品を見ずに顧客に買わせる信頼は素晴らしい。

米国の若者の67%以上がiPhoneを使っているという。日本はもっとiPhone人気が高いのでそれ以上の比率になる。日本と米国の若者に共通して人気のある商品・サービスを創り出すことは企業の理想である。さらに世界展開しているアップルストアでは、販売、修理、相談を行っている。したがってアップル社はiPhoneの動向を見るだけで、正確なマーケティングデータを得ることができる。形状とデザインからくる使いやすさ、各種操作(電話、メール、写真)のユーザーインターフェース、アプリケーションの使いやすさ、iOS体系の理解しやすさ、外部アプリの人気度などはほとんど自動的に把握できる。この蓄積のメリットは大きいし、次機種の設計に圧倒的に有利になる。また、これだけ多くのファンが次世代の基盤となりうるというのが絶対的に有利な条件である。

常に時代の最先端を追及するためには、iOSで実現するソフトウエアの洗練とそれを支えるハード・部品の準備が必須となる。コアプロセッサA8は、アップルがデザインし製造委託を行ったものである。さらにM8プロセッサは各種センサと常時接続し、データを取り込んでいる。部品的には液晶ディスプレイ、カメラをはじめとして気圧計、加速度センサ、ジャイロスコープ、指紋センサなども最新技術から作られる。部品レベルまで来ると高性能部品は日本の企業の独壇場となる。アップルは部品企業から見ると大量の発注を確実に行う優良なお客様でもある。またアップルの要求仕様は次世代の最先端であり、得られる情報は重要な技術開発の仕様となる。

以上述べたように現在のところアップル社のiPhone 6、iPhone 6 Plusは世界で最も信頼されて世に出ている機器と言うことができる。

筆者が「今年末12月には9,000万台の販売に達する」と予測した確度は、ますます上がっているように思う。

Agile Tech技術本部長 河田 勉
(2014/10/15)

月別アーカイブ