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Tektronix、B5サイズの超小型リアルタイムスペアナを発売

TektronixがポータブルタイプのリアルタイムスペクトラムアナライザRSA306(図1)を41万3000円という低価格で発売した。これは、B5サイズの本の大きさで590gしかないスペアナで、USB端子を持つ。USB端子はPCと接続、データ転送と電源を利用する。

図1 重さ590グラムのTektronixのポータブルスペアナ 手前のB5程度の筐体がスペアナで波形を表示しているのがパソコン

図1 重さ590グラムのTektronixのポータブルスペアナ 手前のB5程度の筐体がスペアナで波形を表示しているのがパソコン


利用シーンは、高周波回路の設計・開発だけではなく、モバイル通信基地局やWi-Fi設置場所での試験や保守管理、さらには干渉波の探査業務、教育などを想定している。USBケーブルでPCと接続して使うため、タブレットタイプのPCだと現場で使いやすい。TektronixのデモではパナソニックのPCタフブックを使っている。

横軸周波数、縦軸信号強度を表すスペアナの特性を手軽に見られるという用途を狙うが、その性能は安かろう悪かろうではない。測定周波数は9kHz〜6.2GHzと広く、取り込む信号の帯域幅も40MHzと十分広い。捕捉できる最小の信号時間は100µsと高速であるため、瞬時のノイズ波形も表示できリアルタイム性能も十分ある(図2)。しかも取り込んだ信号のデータ解析機能をパソコンに持たせるためのソフトウエアは無料で提供する。この測定器からパソコンへはUSB3.0で伝送する。USBは測定器に電源も供給する。


図2 リアルタイムスペクトラムアナライザは一瞬の波形も捉え表示する 出典:Tektronix

図2 リアルタイムスペクトラムアナライザは一瞬の波形も捉え表示する 出典:Tektronix


具体的な測定例として、2.45GHz帯や5GHz帯のWi-Fi基地局やWi-Fiモジュールのテストなどに十分使える。Wi-Fiだと802.11a/b/g/p/n/acまで対応可能である。60GHz帯の802.11adだとダウンコンバータを内蔵したオプションが必要であるが、このオプションはまだ提供できない。6.2GHzまでの電波を補足するアンテナ、あるいはモジュールのテストに使うBNC端子も備えてあり、用途は広い。Wi-FiとBluetooth、電子レンジのように同じ2.45GHzの周波数を使っている環境での干渉状況を知ることができる。

提供するソフトウエアには17種類の基本的な測定機能を搭載しており、さらに9種類の機能追加オプションもある。例えば、AM/FM/PM変調やアナログオーディオ解析(S/N比や歪など)や、ベクトル信号解析、Wi-Fi変調解析、複数の測定結果を地図にマッピングする機能などがある。

周波数軸のスペアナの波形が時間的に変化していく様子も表示できるという。そのために色の種類や濃淡を変えたり、滝のように表示するウォーターフォール表示を使ったりするとしている。

同社が最初にスペアナ事業に参入したのは1949年。ソニーテクトロニクス時代も含め、リアルタイムスペアナを20年以上に渡り開発してきた。そのRF技術があるから、小型化、信号処理の技術に加え、ボード上の各所にシールディングをしてスプリアスを抑えるノウハウを確立してきたという。

同社がこれまで提供してきたリアルタイムスペアナRSA5000と比べ解析機能はほぼ同じで、RF性能が若干劣る程度だという。今回の装置で更なるRF性能が必要な場合には、RSA5000を併用することを勧めている。

(2014/11/06)

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