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HOYAをはじめ材料メーカーの投資が活発に

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東芝がHOYAによるニューフレア買収を阻止し、HOYAはTOBによる買収を断念した。今回の買収のようにHOYAのような材料応用メーカーや材料メーカーの投資が活発に動いている。TSMCの業績も半導体への期待と連動している。一方、中国政府が民間企業を国営化するというリスクが表面化した。

今回の買収劇をまとめると次のようになる。HOYAはニューフレアとの提携に関して東芝に2017年ごろから話し合って来た。「しかし、はっきりした回答が得られなかった」とHOYAの鈴木洋CEOは述べている。2019年11月に東芝はニューフレアをTOB(株式公開買い付け)で完全子会社にすると発表したため、その期限に近い12月にHOYAが東芝の買取価格よりも1000円高い1株当たり1万2900円のTOB価格を提示した。この敵対的買収になると東芝は、ニューフレアの株を3%しか持っていないため、東芝機械の11.49%持っている村上ファンド系に働きかけ、ニューフレアの株を買い増しできる見通しを得た。

東芝はニューフレアの売却を阻止することに成功したものの、東芝の半導体部門であるデバイス&ストレージ社がニューフレアを持つ意味が全くわからないという声も業界内にある。HOYAは、マスクブランクスやフォトマスクを生産しているため、ニューフレアの持つ電子ビーム露光装置があれば、マスクの変更に対して装置の改良・改善が即座にできるというメリットはある。5Gでは仕様が次々に加わり、AIでは新しいアルゴリズムが次々と登場する現在、少量多品種に応じたマスク変更への要求は高い。

半導体材料や製造装置のような半導体関連銘柄が上昇している、と1月15日の日本経済新聞は伝えた。信越化学工業やトリケミカル研究所、東京エレクトロンなどが軒並み上昇しているという。

16日の日経産業新聞は、住友化学が酸化アルミニウムの純度が99.99%で直径が100nmという超微粒子の製品を開発した、と報じた。半導体製造装置内でウェーハを搬送する部品の材料として使うという。10億円強を愛媛工場に量産設備を導入、2021年初の商用化を目指す。

昭和電工は、半導体・ディスプレイ製造用の材料を増産するため合計で30億円を投じ、上海と台湾の既存工場に設備を導入する。材料は、表面酸化膜の材料の亜酸化窒素N2Oと微細加工に必要なオクタフルオロシクロブタンC4F4の2種類。

産業ガス大手のAir Water傘下の川崎化成工業は、高性能半導体製造に使うキノン系化学製品の生産設備を新設する。投資額は15億円程度で2021年2月の稼働を目指す。キノン系化学製品は短波長での光の吸収効率が高いため、フォトレジストの原料になる。

AGC(旧旭硝子)が、半導体市況の回復を受け、2020年12月期の連結営業利益が前年同期比1割強の1200億円になりそうだという見通しを、17日の日経が報じた。特に、EUVマスクブランクスなどの電子部材事業が伸びるとしており、7nm、5nmの微細な回路形成用の需要が伸びると見ている。

半導体市況の回復は、TSMCの5G通信需要見通しが表現している。2017年と2018年のメモリバブルの恩恵を受けず、しかも2019年のバブル崩壊の影響も受けなかったTSMCの業績は、メモリ以外の半導体需要を反映しているからだ。2020年12月期の連結売上額が2割増えるとの見通しを発表したと17日の日経が報じた。20年のファウンドリ市場の成長率は17%増の予測よりも少し大きいとの経験知から予測したもの。設備投資は過去最高の1兆6000億円になりそうだとしている。

中国リスクが明確になった。中国の民営上場企業44社が2019年に国有企業に転換した、と17日の日経が報じた。44社の合計時価総額は4兆円規模に達するという。検閲に係る技術や防犯システムなどセキュリティ企業が多く含まれているが、リチウムイオン電池の製造設備企業も含まれているという。米中貿易戦争で打撃を受ける恐れのあるハイテク企業を政府の資金で支援する。44社の内、赤字企業は11%しかなく、むしろ強い企業をさらに強くする狙いのようだ。外国企業は不利な競争に持ち込まれるというリスクがある。

(2020/01/20)

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