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Amkorがジェイデバイスの筆頭株主に、富士通はマイコンをSpansion へ売却?

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先週、半導体後工程の請負サービスで日本最大手のジェイデバイスが第三者割当増資を行い、株主の1社であるAmkor Technology(アムコアテクノロジー)が増資を引き受けたと日本経済新聞が4月27日に報じた。また、富士通がマイコンの設計開発部門をSpansion(スパンション)に売却することを交渉している、と30日の日経が報じた。

ジェイデバイスへのAmkorの出資比率は従来の30%から60%へと半数を超え、Amkorに買収された形になる。30日の日経産業新聞によると、24日付けでジェイデバイスはAmkorから出資金の払い込みを受けたという。ジェイデバイスは、昨年富士通セミコンダクターから後工程の3工場を、今年はルネサスエレクトロニクスからも3工場を買収し、日本における後工程請負ビジネスOSATを目指している。Amkorの買収により海外展開を促進していくと日経産業は見ている。

富士通セミコンダクターはパナソニックと共同でシステムLSIの新しいファブレス半導体会社を設立するというプレスリリースを2013年2月7日に発表している。マイクロコントローラでは新製品FM3ファミリの品ぞろえを一気に38種類に増やし順次発売すると、4月25日の日経に報じられたばかりである。わずか5日後の30日にマイコンの設計・開発部門を売却するというのである。

Spansionは、もともと富士通とAMDが共同で設立したNORフラッシュメモリの会社である。大容量ストレージ競争においてNANDフラッシュに敗れ、2009年に経営破たんした。しかし、工場の売却を進めて債務を減らし再建を果たした。今は、ファブライト戦略と、NANDフラッシュが扱えないようなニッチ市場にフォーカスしている。Spansionはマイコンを本当に欲しいと思ったのだろうか。Spansionにとってのメリットを考察してみよう。

マイコンは、プログラマブルICであり、ユーザがプログラムする。ただし、そのプログラムに間違いがないかをテストするためのデバッガや、プログラムをコンピュータが実行できるようにコード変換するためのコンパイラなど、開発検証ツールがユーザに提供される。それを半導体メーカーあるいはサードパーティが用意する。半導体チップを提供するのは半導体メーカーだが、ソフトウエア開発のサポートはできれば第三者に係わってもらいたい。そうすれば半導体メーカーは品種拡大にフォーカスし、ユーザ拡大につなげ、売り上げを向上できる。

ルネサスエレクトロニクスがマイコンで強いのは、マイコンのプロセッサコアアーキテクチャに基づくプログラムサポートのエコシステムが充実しているからだ。富士通や東芝のマイコンは残念ながら、エコシステムが小さい。もしSpansionが富士通セミコンのマイコン事業を買うのであれば、プログラムサポート体制をどのように構築するのか、その見通しはどこにあるのか。Spansionがマイコンを手掛けるなら予想以上の資金とエコシステム構築をどうするのか、明確な答えを今持っていなければ、Spansionのメリットはかなり小さいと言わざるをえない。NORフラッシュやシリアルフラッシュ、フラッシュSoCビジネスに特化するSpansionが、こういったユーザサポート業務を新たに構築していくとはとても考えにくい。

30日の日経の記事の真意はどこにあるのかわからないが、Spansionに取材する機会があったら聞いてみて読者にお伝えしたい。

編集室注)ジェイデバイスから子会社ではないとの申し出がありましたので、子会社という言葉を削除しました。

(2013/04/30)

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