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ライバル企業が協力して部品メーカーを支援、供給体制を確保

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先週のニュースも地震一色だった。半導体産業に係わる企業の工場の被害状況を伝える報道が目白押しであり、続報は今でも続いている。自動車業界もライバル3社が一致協力して部品供給を支援する体制を整えていくことを決定した。

3月21日付けの日本経済新聞は、自動車各社(トヨタ、日産、ホンダ)が一致協力して、各社が自分の系列の部品メーカーだけではなくお互いに部品メーカーを支援しようと呼びかけたと報じている。3社の社長同士のホットラインを通じて3社が協力することに合意した。ホンダの栃木県芳賀町にある本田技術研究所は天井が崩れ落ちたものの、ホンダは自社の復旧と同時に取引先支援を両立させるようにするとしている。ライバル企業が震災に対して一致協力して立ち向かい、一刻も早い復旧を目指すことはこれまであまりなかった。

自動車および自動車部品を含む輸送機械の出荷額は、岩手県、宮城県、福島県ではここ数年高まっており、2003年に対して2008年の金額は岩手県が1.73倍の4403億円、宮城県は1.3倍の1868億円、福島県が1.33倍の5114億円と増えている。自動車工業会の志賀俊之会長は、17日の会見で東北からの産業流出を否定したと伝えている。

セミコンポータルでも伝えたが、国内半導体・電子産業は自らの工場が被災し、操業停止を強いられながらも、被災者たちへ日本赤十字を通じて多額の寄付を申し出ている(参考資料1)。このことは、今回の災害では、産業界のみんなが団結して事に当たっているということを示している。

これまでカバーしきれなかった半導体関連企業の状況を次に紹介する。ニコン、キヤノン、東京エレクトロン、大日本スクリーン製造、JSR、信越化学工業、サンケン電気から最新情報が届いている。

ニコンは、宮城県名取市にある仙台ニコン(デジタルカメラ1眼レフを製造)と、宮城県刈田郡蔵王町の宮城ニコンプレシジョン(半導体・液晶用リソグラフィ装置ユニット製造)、栃木県大田原市の栃木ニコン(レンズ製造)と栃木ニコンプレシジョン(半導体・液晶用リソグラフィ装置ユニットと投影レンズ製造)において、設備の一部損壊が発生しており操業を停止している。負傷した従業員もいるとしている。

キヤノンは、複数の事業所で停電、建物の被害、生産設備の停止などが起きているとし、栃木県宇都宮市にある宇都宮工場と光学機器事業所、光学技術研究所、茨城県の取手市にある取手事業所と稲敷郡の阿見事業所は全て休業している。特に宇都宮事業所ではけが人が15名いるとしている。グループ会社のキヤノンプレシジョン(青森県弘前市)、キヤノンオプトロン(茨城県結城市)、キヤノン化成(茨城県つくば市と笠間市)、福島キヤノン(福島県福島市)、キヤノンモールド(茨城県笠間市)において人的被害はないものの、全て休業している。

東京エレクトロンの続報だが、岩手県奥州市にある東京エレクトロン東北、宮城県仙台市にある東京エレクトロン技術研究所、松島町の東京エレクトロンATとも目立った損傷はないという。奥州市の工場はライフラインが復旧し2週間で生産体制が整うとし、仙台、松島とも水の復旧次第でそれぞれ1週間、2〜4週間で生産体制が整うと見ている。

大日本スクリーン製造は、半導体製造装置部品製造の子会社クォーツリードにおいて建物の一部に損傷があるものの生産設備には大きな支障がないとして、インフラの復旧次第で生産体制が整うと見ている。

JSRでは、ポリイソプレンやエチレンプロピレンなどのゴムを生産している鹿島工場(茨城県神栖市)では設備の損傷は軽微であり生産再開に向けた立ち上げ準備を進めているが、鹿島コンビナート全体のインフラ復旧次第だとしている。

信越化学工業では、茨城県神栖市にある鹿島工場と信越半導体白河工場(福島県西郷村)が全面停止状態で、白河工場において製造設備の損傷がありその復旧のめどはまだ立っていないとしている。

サンケン電気は、山形県東根市にある山形サンケン、福島県二本松市の福島サンケンにおいて電力が復旧し、生産設備の復旧作業を急いでいるところだとしている。また茨城県神栖市の鹿島サンケンでは生産ラインの一部の稼働を再開しているとしている。

災害に見舞われながらも、被災者支援を行う企業もあることはモノ作り産業界としては非常に心強い。ニコンが1億円、東京エレクトロンは最初に発表した3億円に加え事業所のある宮城県と岩手県にそれぞれ1億円ずつ義援金を贈る。大日本スクリーン製造も5000万円の義援金を贈る。

参考資料
1. 自社が被害に遭遇しながらも義援金を寄贈する、わが日本の半導体・電子産業 (2011/03/18)

(2011/03/22)

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