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低温P-Si LCD市場、2010年は06年倍増の108億ドル見込み

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 MP3/Portable Media Player(PMP)マーケットの成長および携帯電話および、デジタルカメラ/カムコーダの引き続き好調な売り上げにより、これらの製品に使われる低温Poly-Si LCD(LTPS LCD)のマーケットは売上高で2010年までにはほぼ2倍になるとの予想が、iSupply社から発表された。

 LTPS LCDは2010年までに108億ドルになるといわれ、2006年の55億ドルから年平均成長率18.3%増で伸びることになる。一方出荷台数では、2006年の2億7,400万台から、2010年までには7億8,100万台に増加すると見られ、年平均成長率30%増が見込まれている。

LPTS LCD市場推移見込み (出典:iSupply 2007年2月)
LPTS LCD市場推移見込み

LTPSとa-Si LCDとの競走

 2006年の全TFT LCD(a-SiとLTPSの合計)出荷の31%をLTPS LCDが占めた。LTPSはa-Siと比較して、製造コストで優れているが、3インチQVGAディスプレイを使うモバイルアプリケーションに対しては、LTPSでもa-Siと同等の歩留率を達成できるようになった。価格に関しては既存のテクノロジと競争できるまでになっている。さらに、LTPS LCDではガラス上に機能を集積する高性能で低コストを実現する技術開発が引き続き行われている。


アジア地域の成長

 LTPS LCDの最大のアプリケーションは携帯電話で、この傾向は少なくとも2010年までは続くと見られている。携帯電話でLTPSが最初に成功したのは、携帯電話がハイエンド、高解像度、高輝度ディスプレイに移行した日本市場であった。さらに、LTPSにとっては、サプライヤが日本のハンドセットメーカーの垂直統合部門であったという事情が幸いしたといえる。シャープ、東芝松下ディスプレイテクノロジ等の会社が携帯用ディスプレイマーケットに容易に参入できるようになった背景がここにある。
 主にa-Si TFT LCDを採用しているTV、モニタ向けの大型パネルメーカ(サムスン、LG Philips LCD、AU Optronics等)も小型ディスプレイマーケットを狙っていて、彼らの小さな旧式の製造ラインを活用しようとしている。また、同時に、彼らも小型ディスプレイマーケットでも競争力を維持するためにLTPS-LCDソリューションを開発し、販売している。


軍団のリーダー

 このマーケットに韓国および台湾のメーカーが追随してきているが、シャープおよび東芝松下ディスプレイは2006年の世界シェアはそれぞれ30%、21%とLTPS LCDのトップサプライヤであった。この2社で世界のLTPS LCD出荷の60%を占めた。東芝松下ディスプレイは携帯電話に焦点を合わせただけでなく、MP/PMPデバイスおよび自動車用ディスプレイのメーカーにもLTPS LCDを納入。一方シャープはデジタルカメラ、ビデオゲーム、電話およびMP3プレイヤーを含む各種のアプリケーション向けLTPSディスプレイを供給している。

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