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減速感と同時に寡占化が見える半導体製造装置市場

半導体製造装置市場に減速感が出てきていることを前回指摘したが、8月になり、全世界の製造装置市場で減速感が出てきたことがはっきりしてきた。8月における世界の半導体製造装置市場は対前年比で3%増にとどまった。先月の1.7%増よりはましだが、ほぼ横ばいになったとみてよいだろう。

半導体製造装置月別売上推移


このデータはSEMIとSEAJの実績をもとに両者が作成したもの。いずれの機関も分析やコメントは述べていないが、このグラフを見る限り、減速傾向ははっきりしている。ただし、2007年4-8月の累計で見ると前年の166億1200万ドルから181億7400万ドルと9.4%成長しているものの、その成長率は低下傾向にある。

地域別の差は極めて著しい。以下のデータは2007年4-8月の5ヶ月間の累計をまとめたもの。特に台湾が81.2%増の54億3500万米ドルと製造装置市場としてはトップになった。ちなみに第2位は日本で、伸びは2.3%増しかないが、前年トップの座を明け渡した形になった。台湾は、エルピーダと地元Powerchip Semiconductor社との合弁のRexchip Electronics社が300mmラインを立ち上げたことによる装置売り上げが増えたものとみられる。Rexchipは今春から稼働したことから、次々と装置を導入していることは間違いない。


半導体製造装置販売統計


製造装置市場トップ4地域はほとんど変わっていない。前年は1位の日本、2位台湾、3位北米、4位韓国、という順序だったが、今年は1位台湾、2位日本、3位韓国、4位米国という順になった。この4地域は市場の80%を占めており、前年が74%だったことからやや寡占化が進んでいるともいえる。

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