2025年第1四半期におけるESD市場はYoYで11%成長
2025年第1四半期(1Q)における世界のESD(電子機器・半導体設計)市場は、前年同期比(YoY)11%増の50億9830万ドルに達した(図1)。特にIP(知的財産)の伸びが著しく、YoYで29.6%増の20億4480万ドルになった。これは、SEMIのESD Allianceが発表したもの。「EDA産業の2025年1Q は強い成長期間だった」とSEMI Electronic Design Market DataエグゼクティブスポンサーのWalden Rhines氏は述べる。
図1 ESD市場の伸びと日本 出典:SEMIのデータをセミコンポータルがグラフ化
ESD産業は、次の5つの分類で各市場を表している;CAE(コンピュータ支援によるエンジニアリング)、ICの物理設計と検証、プリント回路基板とMCM(マルチチップモジュール)、半導体IP、サービス。CAEはコンピュータシミュレーションのこと。
これらの内、最も市場規模が大きいのは半導体IPビジネスであり、その次がCAEの17億4760万ドルでYoY成長率は7.8%である(表1)。IPは、Armで代表される半導体回路の一部をライセンス販売するビジネスである。Armのような独立系のIPビジネスから、SynopsysやCadenceのようにEDAベンダーがIPを扱うように広がってきており、SoCの設計にはEDAツールだけではなく、IPも持っていれば、SoC設計者はワンストップで設計しやすくなる。

表1 分野及び地域ごとの売上額 出典:SEMIのデータを筆者が表にまとめた
唯一、IC物理設計・検証ツールのビジネスは9.9%減のマイナス成長であるが、この1年(4四半期分)で前年と比較すると2.3%増とわずかにプラス成長となっている。ただ、前四半期(24年4Q)はYoYで15.4%増の7億9790億ドルであり、成長していない分野ではなく時期に関係しているようだ。というのはIC物理設計・検証ではAIを使って、最適なレイアウトや配置・配線パターンを得るのに最適処理時間を短縮しており、技術的な進化が激しいからだ。
地域別では、絶対額として日本が最も低く、同程度の半導体出荷額のEMEA(欧州と中近東・アフリカ)と比べても半分しかない。半導体設計者・設計企業が日本では極めて少ないことを表している。ファウンドリだけではなく半導体設計者を増やす方策が日本半導体復活にとって焦眉の急となっている。
参考資料
1. 「成長し続けるEDA市場、2024年通年では前年比13.1%増の192.65億ドル」、セミコンポータル、(2025/04/16)




