成長し続けるEDA市場、2024年通年では前年比13.1%増の192.65億ドル
EDA(電子設計自動化)産業が2024年第4四半期も成長し続けていることがわかった(図1)。第4四半期におけるEDAツールの販売額は、前年同期比11%増の49.27億ドルになった。SEMIのEDAグループである、ESD Allianceが発表したもの。2024年全体では前年比13.1%増の192.65億ドル(約2兆7900億円)となった。
図1 EDAツール販売額の推移 出典:SEMI ESD Alliance
EDAツールの中で、2024年第4四半期で最も売上額が多いのは、半導体IPの17.6億ドルだった。前年同期比(YoY)で7.9%増だが、2024年通期では15.7%増と伸びが大きかった(図2)。次に売上額が大きいのは、CAE(Computer-Aided Engineering)に分類されるシミュレーション。YoYで10.9%増の17.0億ドルである。通年でも12.3%増と大きい。
3番目に大きいのはICの物理設計と検証ツールの売上額で、同15.4%増の8.0億ドルとなった。通年では8.1%成長と2桁成長には届かなかった。4番目はプリント回路基板とMCM(マルチチップモジュール)の同15.9%増の4.8億ドルとなった。通年の成長率は8.3%成長と、これまた2桁成長に届かなかった。

表1 EDAツールの2024年第4四半期における売上額 出典:SEMI ESD Alliance
地域別では、米国が最も多く、YoY12.9%増の21.7億ドルで他国を圧倒している。次が中国を含むアジア太平洋地区で、同10.2%増の18.1億ドル。3番目は欧州中東で同2.3%増の6.2億ドルで、最後が日本で、21.7%増の3.2億ドルである。
半導体市場では、ソニーセミコンダクタソリューションズやキオクシア、ルネサスエレクトロニクスなど1兆円プライヤーが3社もいて、シェアが落ちたとはいえ9%を維持しているが、EDAツールを使う市場は最低であり、4Q24の日本のシェアはわずか6%しかない。設計がいかに弱いかを物語っている。日本はラピダスという製造部門を強くしたい気持ちはわかるが、設計をもっと強くしなければ、いつまでたっても世界に売れる製品を持つことができない。
参考資料
1. 「半導体設計分野のESD市場が2024年第3四半期に過去最高の51億ドルを突破」、セミコンポータル、(2025/01/15)


