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半導体設計分野のESD市場が2024年第3四半期に過去最高の51億ドルを突破

半導体設計ツールなどの世界ESD(Electronic System Design)市場は、2024年第3四半期において前年同期比8.8%成長の51億1450万ドルと過去最高額を記録した。これはSEMIの技術コミュニティであるESD Allianceが発表したもの。「EDA(Electronic Design Automation)産業はこの四半期に急成長した」とSEMIのレポートの上級スポンサーであるWalden C. Rhines氏は語る。

ESD市場の成長

図1 半導体設計のESD市場も成長続く 日本はフラットのまま 出典:SEMIのデータをセミコンポータルがグラフ化


これまでの最高だった2023年第3四半期のピークを追い抜いた格好になる(図1)。棒グラフで示した数字はESD全体の売上額、折れ線は日本の売上額を示している。世界のESD産業が成長しているが日本は全く成長していない。

部門別では、シミュレーションが中心のCAE(Computer-Aided Engineering)が最も大きく19億2220万ドル、次が半導体IP(Intellectual)で16億8620万ドルとなっている。IC物理設計・検証部門は8億5440万ドル、PCB+MCM部門は4億5080万ドル、サービス部門は2億ドルである(図2)。


ESD市場 部門別/地域別

図2 ESD市場全体の部門別(上)と地域別の売上額 出典:SEMI Electronic Design Market Data Reportの数字をセミコンポータルが表に整理


地域別では米国が最も多く、前年同期比17.2%増の23億2540万ドルと最大で、アジア太平洋(APAC)地区が18億4500万ドルと続き、欧州・中近東・アフリカは6億4560万ドルで、日本が最も低い2億9850万ドルとなっている。

日本に設計ツールを使いこなす企業や人が少ないということは、ファウンドリをいくら作っても顧客にリーチできない。日本は設計人口をもっと増やし、ツールをもっと活用していくべきであろう。

参考資料
1. 「LSI設計ツール、世界市場は順調に成長するが、日本はフラット」、セミコンポータル、(2024/07/17)

(2024/01/15)
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