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Siウェーハの出荷面積は今年もマイナスだが来年10%成長のリバウンド

シリコンウェーハの出荷面積は、2024年前年比2.4%減の121億7100万平方インチになりそうだ。これはSEMIのSEMI Worldwide Silicon Wafer Shipment Statisticsが発表したもの。今年は半導体市場の回復が遅れていることを反映している。しかし、2025年には10%プラスのリバウンドによって133億2800万平方インチになりそうだという見込みも発表している。

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図1 シリコンウェーハ面積の実績と見通し 出典:SEMI


2024年は2021年〜22年の半導体不足の時に、二重、三重の発注によって実需よりも多くの半導体製品を発注したことで在庫が膨らみ、それを解消するために時間がかかりすぎ2024年にずれ込んだ。しかも23年から24年は生成AIへの需要が極めて大きく、生成AIを導入するためのデータセンター需要だけが大きく成長した。そのため、パソコンやスマートフォンなど他の大規模な需要の回復が遅いのにも拘わらず、2024年の半導体製品は約二桁のプラス成長という結果になりそうだ。

つまり半導体製品は回復したものの、半導体を作るための製造装置やシリコンウェーハなどの材料などはほとんど増えていない。ウェーハはむしろ減少という結果になるという見込みである。

ただし、AIへの勢いは衰えていない。むしろ2025年にはAIチップと一緒に使われるコンパニオンチップのようなHBM(High Bandwidth Memory)メモリは増えていくため、来年出荷されるウェーハの面積はプラス10%のリバウンドが来る、とSEMIは見ている。HBMはDRAMチップを4枚あるいは8枚、12枚を重ねてTSV(through silicon via)を通してDRAMをつないだ製品。来年は在庫の増えすぎが解消され、生産数を増やしていくことになるため、半導体製品だけではなく製造装置や材料も増えていきそうだ。

(2024/10/23)
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